学校が治外法権に近い状態になっているという現実
学校は治外法権ではない。学校で起きたことだから、教育指導の一環だから、部活の指導なのでといって、何をしてもよいというわけではない。
当たり前のことだ。
しかし、現実は、未だに実質上、学校は治外法権に近い状態になっている。理不尽なブラック校則然り、体罰や不適切指導事案然りだ。
いつになったら、正常化するのかわからないが、理不尽な指導、児童生徒への懲戒行為には断固として対応しなければならないだろう。
「でっち上げ」がまかり通る日本の教育現場
学校の問題を教職員らによる不正まで広げれば、事実と異なる報告を教育委員会にあげていたり、被害保護者をモンスターペアレンツに仕立て上げていたりすることは日常茶飯事で見ています。
まさに「でっちあげ」です。
これらは、情報開示請求などの手続きで明らかになるのですが、反証するのもなかなか骨が折れます。やっていないこと、言っていないことを証明するのは、立証の証拠収取活動の世界では「悪魔の証明」といって、本来不可能とされている部類になります。
一方、公務員だったり、先生という立場は、その報告自体が公式見解的扱いを受けますから、作成した書類の類いは証明力が強いのです。
ほとんどは反証を成功させて、なんとかしますが、中には、もうどうにもならないものもあります。そもそも悪魔の証明は不可能というのが常識ですからね。私は無理ゲーをやっているというところです。
そうした経験を常にしていると、なぜこんなに歪んでいるのだろうと疑問が生じます。
中には証拠を残さないために、議事録は作らないとか、データは即削除、紙は即シュレッダーというケースもあります。
当然、真面目にきちんと大変だけど取り組んでいるところはたくさんある事でしょう。私のところに来るのはトラブルになってからですから、特別なケースを見ているのだとされれば、それまでかもしれません。
しかし、相談件数で言えば、NPO法人になる前から数えられるだけ数えて、だいたい2万2,000程度あります、当然被りもあるし、そこまで酷くないケースもたくさんあるのですが、それでも、結構多いんじゃないと思うのです。
学校は治外法権化している。そう考えると合点がいきます。
教育委員会は独立した行政委員会という建付けです。私学はその独立性がある程度広い範囲で認められています。結果、ちっこい王様を作ってしまっているのではないかと思えるのです。
やはり、監督し、強い指導権を持った監査機関が必要なのではないか。実現できるかはまずは度外視して、そんなことを考えています。
こどもたちが理不尽なトラウマを経験をせず、被害者にも加害者にもならないように、教育関係者の方々には今一度、広い世間にも目を向けて熟考してもらいたいと思います。
この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com









