高市政権も超短命に終わるのか?「日本版トラス・ショック」で“日本初の女性首相”が退陣に追い込まれる最悪シナリオ

 

日本版「トラス・ショック」が起こりうる流れ

このストーリー、現在の日本の政局に極めて酷似しています。まさに、日本では、野党が一斉に「減税」を叫び、与党も選挙に勝つためには「給付」で対抗しなくてはならない状況があります。その原因が自国通貨安のためのエネルギー高騰だという点もソックリです。

仮に、政局が動いて「財源なき減税」を強行する勢力が勝利したら、この「トラス・ショック」のような超円安が起こるかもしれません。しかし、麻生氏の論点はそこではないと思います。日本版「トラス・ショック」が起こるとしたら、そんな単純な話にはならないからです。恐らく起こるのは次のような流れです。

財源なき物価対策を進める政権が誕生

→円安が加速

→トランプ政権が激怒して口先介入

→投機筋が殺到して一気に超円高に

→日本円の最後の輝きを見て、海外投資家は一斉に日本の不動産や株を利益確定に動く

→多国籍企業や資産家も、日本国内資産の外国への逃避に走る

→不動産の暴落、不動産関連産業の壊滅的な不振、場合によっては金融危機

つまり、トラス氏の場合は、ポンド安が暴走し、その後の彼女の対応が支離滅裂だったために、政権崩壊となったわけですが、日本の場合は円安が円高を誘発して破滅的な状況が起きる可能性があるわけです。

麻生氏が、高市氏を担ぎ、その麻生=高市体制の自民党が公明を切って維新を引き寄せたのには、この問題が大きいと考えられます。従って、実際の高市政権というのは、

  1. 可能な限りの財政規律を、コストカットを含めて追求。カット対象は、「官公労」「後期高齢者医療」「新規ハコモノ」など。場合によっては「強靭化対策」の削減まで進む可能性も。
  2. とにかく穏やかな円安を追求。日銀との連携で、国が破綻せず、またトランプ政権が妙な介入もしない、ギリギリの狭いゾーンを進むことに。
  3. 物価対策は控え目。
  4. 3.の代わりに、何らかの右派ポピュリズム施策で時間を稼ぎ、ニュースの話題を提供へ。参政党ほどでなく、保守党ほどでもないが、ある種の高市パフォーマンスを繰り出すことに。まずは、ソーラーパネルや洋上風車を叩くという辺りか。

というような格好で始動するのではないかと思われます。特に、医療費に関しては、自民と維新の合意文書には「医療費窓口負担に関する年齢によらない真に公平な応能負担の実現」という文言が入っており、やはり本気だということのようですし、これが公明離脱の主因だと見て良いと思います。

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