小林よしのり氏が高市「台湾有事は日本の存立危機」発言を猛批判。若者を戦地に送る“タコ首相”に追従の大マスコミとそれを望んだネトウヨの大罪

 

「気づいたら対中戦争が始まっていた」という最悪の事態も

今年5月、世界の金融界ではトランプ米大統領を揶揄する「TACO(タコ)」というワードが流行したという。「Trump Always Chickens Out」の頭文字を取った造語で、「トランプは強いことを言うけれど、いつも最後はチキンになって取り消す」という意味だそうだ。

そしてこれと同じく、高市も「Takaichi Always Chickens Out」=TACOになるのではないかという声も出ている。

実際に高市は靖国参拝も取りやめたし、首相就任前に持論としていた「食料品消費税ゼロ」も慎重姿勢に転じたし、積極財政策で赤字国債の発行も辞さずと言っていたはずなのに、赤字国債の話題を一切出さなくなったし、維新と連立する際の約束だった議員定数削減は法案提出すら難しい。「トランプをノーベル平和賞に推薦する」という話も明言しなくなった。

そして何よりも、あれだけ批判していた村山談話について、「歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、これからも引き継いでいく」と表明してしまった。確かに「タコ首相」への道、一直線である。

そこで高市が「タコ首相」と言われたくないからと、歴代の首相が決して言わなかった「台湾有事は日本の存立危機事態」を勇ましく明言してしまい、それを撤回もしないのだとしたら、これも大問題である。

国民的な議論が巻き起こった末に、やると決めるのであればいい。ところが政府内での議論も行われず、国民の間でも女が言ったことだからと議論がスルーされて、それで気がついたら中国との戦争が始まっていたなんてことになったら最悪である。

わしはもう年寄りだから戦場で死ぬことはないだろうが、やっぱり若者は死ぬことになる。その覚悟はあるのだろうか!?

こんなことは昔だったらサヨクが言っていたはずで、ものすごくヒステリックに騒ぎ立てて、国会前でデモくらいやってもおかしくないはずなのに、どういうわけだかあまりにも静かである。

いよいよ日本が戦争をやるかどうかという瀬戸際の話をしているのに、それを言っているのが女性の首相であれば、反戦サヨクも騒がない。本当に不思議な事態である。

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首相に「女」の属性は関係ないなどというのは全くの欺瞞であって、実際には大いに関係がある。

女の首相だったら、簡単に戦争も起こせる。

女性だったら平和を願っているなんてことはありえない。ただ自分を勇ましく見せたいというだけのことで、厳粛な気持ちひとつないまま、若者を戦地に送って死なせることだってできるのだ。

それをネトウヨは望んだ。マスコミはそれに追従した。決して忘れてはならない。

 (『小林よしのりライジング』2025年11月11日号より一部抜粋・敬称略。続きはメルマガ登録の上お楽しみください)

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image by: 首相官邸

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