マンション大規模修繕の深い闇。ボッタクリ構造を主導する「業界のドン」工事費水増しの悪質な手口

 

先の社会部記者指摘のように、施工会社だけでなく、実は設計コンサルタント会社にも水増し分が流れているとの疑惑は2017年ごろから浮上していた。しかも、設計コンサルタント会社の方がこのボッタクリ構造を主導しているというのだ、当時、『週刊ダイヤモンド』が記事にしていた(「業者にだまされない--マンション管理と大規模修繕」。2月4日号)。

「住人で作るマンション管理組合は修繕工事はド素人。そこで管理会社を介するなどして設計コンサルタント会社に施工会社を選んでもらうケースは多い。設計コンサルタント会社には一級建築士がいて、(1)修繕工事の調査、(2)工事設計をした上で、(3)適任の施工会社を選定、(4)工事終了後、適切に工事が行われたかチェックと、4つの業務を第三者的に行ってくれることになっています。

ところが、その設計コンサルタント会社のなかには、まず最初に(3)施工会社を選定。むろん、自社にバックリベートをくれる自分の息のかかったところから選びます。大手施工会社にしても、工事を回してもらってナンボ。管理組合の意向を受けた設計コンサルタント会社には逆らえない。それに談合による割高な工事見積もりも設計コンサルタント会社は見逃してくれますから」(業界関係者)

そして、これは決して特別なケースではなく、むしろ、このボッタクリ構造がこの業界では普通に罷り通っているという。

知らぬは管理組合ばかりなり、というのだ。

そして、長年に渡って、この仕切りをしている「ドン」が存在するという。

もっとも、これまでその存在はアンタッチャブルで、そのドンの名が表面化することはなかった。

ところが今回、公取が動いたこともあってか、このドンが関係する設計コンサルタント会社名を書いた「告発文」が登場。そのなかには、公取に宛てた体になっているものも。日付は今年7月になっており、本紙も同様のものを9月に入手し、この間、その「ドン」にも、ドンが顧問を務める設計コンサルタント会社社長にも取材していた。

そこで本紙ではこの疑惑、実際にどうなのか、検証結果を数回に渡り報じることにした。

第1回目の今回は、まずはその「告発文」を検証する。

誤解のないように断っておくが、この内容がすべて正しいわけではない。

それどころか不正確、裏づけが取れないものも多々ある。

ただし、多くの業界関係者に取材した結果、この者が「ドン」として存在していることは間違いない。そして、公平を期すため、取材した「ドン」の言い分も今後、この連載で十分載せていくつもりだ。

このマンション大規模修繕工事業界で「ドン」といわれるのは、――(ドンの名前を含む全文は『アクセスジャーナル・メルマガ版』2025年11月10日号に掲載されています。ご興味をお持ちの方はぜひご登録ください。公益性、真実相当性があれば相手が大物政治家でもアウトローでも恐れず報じる『アクセスジャーナル』はあなたの支援を必要としています)

 

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  1. 「マンション大規模修繕工事業界のドン」の正体
  2. 元組員、地面師金主、元汚職警官らと連携──債務整理し、謝礼支払いしないトンデモ大学教授
  3. <連載>福賀中の兜町アンダーワールド(95)「先週の仕手株情報など」
  4. 「マンション大規模修繕工事業界のドン」の正体(2)
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