文科省の指導をも突っぱねる「無敵の組織」と化した市教委
陳情の題名は「いじめ隠蔽を認定した調査報告書を認め、関与した教職員らの処分等を求める陳情」である。
これは実は採択されている。
令和5年11月30日に採択されたが、教育委員会はこの陳情採択を実質無視しているというのだ。市議会に教育委員会は、この陳情採択について「採択陳情の処理経過及び結果の報告」という書面を出しているが、この内容も虚偽記載があるという。
もはや、お前らの言うことなんぞきかんぞ、嘘は嘘で塗り固めれば、どうにでもなるんじゃい!と突っぱねた形だ。
結果、令和7年11月20日に同様の陳情が出された。
前代未聞の同様陳情である。
しかし、当然と言えば当然だ。やっていないのであるから、再度しっかりやれというのは当たり前の事でもあろう。
本件の第三者委員会の調査には全国で最高額とされる費用が投じられている。そもそも、調査においては、時間の異常な経過もある上、隠ぺいに次ぐ隠ぺいと裏工作、証拠のねつ造までがあるのだ。ただでさえ、重大事態いじめの調査は真摯にやればやるほど大変であろうに、すでにあるハードルは前代未聞の異常であったわけだ。
ただし、これも税金の投入ということになるのだから、再発防止に全力でなければならないだろうが、神戸市教委は再発防止策を講じていないと評価出来る状況だ。
令和7年に入り、政府はこの問題を重く見て、総理補佐官が文科省に調査と指導を指示している。しかし、調査をする文科省に神戸市教委は「解決済み」として虚偽説明を行い、混乱が生じた。結果として文科省は再調査を行い、事実を把握した文科省は令和7年1月から5月まで粘り強い指導を繰り返したのだが、これも無駄に終わった。
神戸市教委は文科省の指導に従わなければならない法的根拠は存在しないとして、開き直ってしまったのだ。
※ 教育委員会は「独立」した行政委員会である
もはや「無敵の人」もとい「無敵の組織」なのである。
被害側に陳情を取り下げさせた巧妙な「骨抜き」
陳情の中には7項目あり、適正な処分や虚偽答弁の訂正などが求められている。
特に着目すべきは、教育委員会主導による組織的かつ計画的、しかも継続的な隠ぺい工作の数々だ。これは、第三者委員会の調査報告書でもしっかり記載されているにもかかわらず、これを主導した教育長や学校教育部長、児童生徒課長の処分を審査対象外としたことだ。
そもそも採択されていた陳情で当然に履行するはずのものなのだが、神戸市議会は陳情の一部を審査対象外としたのだ。これにより、審査対象は「いじめ隠蔽を認定した調査報告書を認めること等を求める陳情」に変えられてしまった。
いわゆる骨抜きであり、陳情趣旨が変わってしまった以上、被害側はこれを取り下げるに至ったというわけだ。
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