高市首相が失った右派に媚びる“伝家の宝刀”。政府高官「核武装論」への“中国の過剰反応”が示す問題の深刻さ

 

「一定程度の評価が可能」とも言える今回の高官発言騒動

ですが、そんな格好で双方が原理主義的にお互いを非難していては、核戦争の危険を引き寄せるだけです。何とか、両者が提携してこれ以上の核拡散を防止しつつ、未来の核廃絶、つまり生物化学兵器禁止条約のように核禁条約が国際法の一角を担うよう、一歩一歩進むしかないのだと思います。

その意味で、やや楽観論に過ぎるかもしれませんが、今回の騒動を通じてアメリカ国務省から「日本は不拡散のリーダーであれ」という「ド正論」が飛び出したことは良かったと思います。また、騒動のインパクトとして、恐らくは高市政権の続く限りは総理の口から「核武装の議論」は封印となるのであれば、これも一定程度の評価が可能かと思われます。

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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