高市首相が強行した「大義なき解散」で大量発生。ネット上の“解散大喜利”という異常事態に見る日本国民の不満爆発

 

完全に後付けの理由だった「国難突破解散」などという大義

しかし、アベノミクスの本質が「カネをバラ撒いて株価を上げて景気回復を演出する」という虚構である以上、どんなに金融経済が右肩上がりでも実体経済は牽引されず、中小企業の倒産件数は前年度を上回り続けました。その上、森友学園問題に続いて加計学園問題まで発覚して安倍内閣の支持率が急落したため、2017年7月の東京都議会選で自民党は敗北してしまいました。

それなのに、嗚呼それなのに、それなのに…というわけで、このタイミングで文春砲が逆向きに炸裂したのです。民進党の前原誠司代表が幹事長に抜擢しようとしていた山尾志桜里氏の不倫発覚です。これによって山尾氏が離党しただけでなく「民進党にいたら次の選挙で落選してしまう」と思った反前原派の議員が次々と離党し始めたのです。

これを「チャンス!」と見た麻生太郎副総理は、9月10日の夜、渋谷区富ヶ谷の安倍首相の自宅をアポなしで訪問し、お風呂上りに大好きなアイスを食べていた安倍首相に「解散総選挙のチャンスだ!」と伝えたのです。そして、最初は難色を示した安倍首相に「野党から追い込まれて解散して勝った試しはない」「解散を見送れば政権運営のハンドリングが難しくなる」などと1時間半かけて説得したのです。

安倍首相は翌11日、二階俊博幹事長に早期解散を伝え、すぐに公明党の山口那津男代表と擦り合わせをし、3日後には岸田文雄政調会長と密会して衆院選での公約の取りまとめを指示しました。そして、麻生副総理の電撃訪問から2週間後の9月25日、安倍首相は官邸で記者会見を行ない「9月28日召集の臨時国会の冒頭で衆議院解散」を発表したのです。

この時、安倍首相は解散の大義として、5年経っても何の成果も出ないアベノミクスや少子化問題だけでなく、国会で野党から追及されていた「森友学園問題」や「加計学園問題」まで羅列した上、自分の支持層であるネトウヨたちへのサービスとして「北朝鮮のミサイル発射問題」まで挙げ、全部まとめて「国難突破解散」などと抜かしたのです。つまり、これで選挙に勝てば、これらの問題がすべてチャラでリセットされるという都合の良い解散です。

まるで今の高市早苗首相の姿が透けて見えるような解散劇ですが、野党も同じようなもので、この突然の解散宣言を受けて民進党は希望の党との合流へと進んだのです。しかし、この時は、今回の立憲民主党と公明党のようにすんなりとは行きませんでした。何故なら、希望の党の女帝、小池百合子代表が民進党の議員に対して「保守以外は排除する」と言ったからです。そして、このドナルド・トランプ大統領のような発言に激怒した枝野幸男氏らが、立憲民主党を立ち上げたのです。

この全貌を見れば分かるように、安倍首相が高らかにノタマッた「国難突破解散」などと言う大義は完全に後付けの理由だったのです。そもそもは民進党がスキャンダルで弱体化したから「解散総選挙のチャンス」というだけの流れだったのです。そして、それを利用して「森友学園問題」や「加計学園問題」を「終わったこと」にしてやろうと目論んだのが安倍首相だったわけです。

こんなことで国民の税金が700億円も使われるなんてシャレになりませんが、結局、この時も不意打ちの解散だったため、野党は十分な準備が間に合わず、自民党は改選前の284議席を守り抜き、またまた4年間のフリーハンドを手に入れたのです。一方、野党は立憲民主党が15議席から55議席へと躍進したものの、そもそもが希望の党と袂を分けての設立なので、野党全体として見れば「自民党安泰」という土壌が形成されてしまったのです。

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