自民党を激しく動揺させた福井県知事選の「奇跡的」な結果
問題は昨年の参院選のような勢いが今も続いているかどうかだ。国家主義的な政治信条など共通項が多く、支持層も重なる高市氏が首相になったことで、岸田政権、石破政権を嫌って流出した支持者が自民党に戻り、参政党の伸びに強いブレーキがかかるかと思われた。事実、参政党の支持率は昨年夏をピークに下がり続けていた。
だが、25日投開票された福井県知事選の結果は、自民党を激しく動揺させた。自民党本部が支持した元越前市長の山田賢一氏に対し、保守系の福井市議らが推す35歳の元外務省職員、石田嵩人氏は圧倒的に不利と見られていた。ところが、選挙途中から参政党が支援に乗り出すと、たちまち様相は一変、政治経験のない石田氏が大逆転勝利をおさめた。
選挙終盤、参政党の神谷宗幣代表が石田氏との対談動画を配信したり、支援を街頭で呼びかけるなどしたことが、無名の若者に奇跡を呼び込んだと思われる。
「保守層奪還に期待が高まっていたが、冷や水を浴びせられた格好」と時事通信は自民党の落胆ぶりを報じた。まさにそういうことだろう。選挙で発揮される神谷氏のカリスマ性は健在とみえる。
もちろん、一つの県知事選だけで国政選挙の行方をうらなうことはできない。だが、3人だった参政党の衆院議席が、目標の30には届かないまでも、二桁に乗るのは確実だろう。また、参政党は勝算のない候補者でも小選挙区に多数を擁立しており、その分、自民党候補の票を食い荒らす構図にもなっている。
積極財政や外国人政策の規制強化などを訴える参政党は、政策の方向性も支持層も高市首相と重なる。選挙で自民党とどう向き合うかは、重要な課題だ。J-CASTニュース(1月26日配信)に、その難題にまつわる一つの記事が掲載された。
1月25日、福井テレビの討論番組に参政党の衆院選立候補者、藤本一希氏が出演したさいのことだ。「選挙戦で最も訴えたいこと」として、「高市氏を支持」とフリップを出し、こう語った。「今回は自民党対ほかの野党という戦いではなく、党の壁を超えて、高市氏が進めたい国づくりを支持するのか支持しないのか、そんな戦いだと思っております」。
高市首相を支持するために衆院選を戦う。それが参政党の目的なのか。当然、内部から批判の声が上がる。記事には、こう書かれている。
参政党員だというXユーザーが「ここは党の見解を今一度統一していただきたく思います」と厳しいポストを投稿すると、神谷代表がこれに反応。当該ポストを引用した上で、「厳重注意しました」と明かした。
藤本氏は「誠に申し訳ありませんでした」と謝罪。高市政権について神谷代表は「40%は支持できるが、60%は支持できない。40%の部分を本気でやってもらえるならそこは協力したい」と微妙な言い回しで釈明した。
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