移民反対の自称保守こそ「自虐史観」だ。小林よしのり氏が暴く「日本人単一民族論」の大ウソ

 

日本の「公共性」は揺るがない

自称保守の連中は、移民を入れてしまったらアメリカやヨーロッパのような大混乱が起きるものと無条件に思い込んでいる。

しかし、日本は欧米とは全く違う。わしは、日本では移民を入れても全く大丈夫だと思っている。どこの国から来ても、日本で生活し続ける者は日本に染まる。国籍は関係なく、日本人になるのだ。

それほどまでに、わしは日本の「公共性」の強固さに自信を持っている。

そもそも自称保守の連中は、「日本人とは何か」ということを全く理解していない。

日本人かどうかというのは、肌の色などの人種的特徴とは全く関係がない。では何が日本人かというと、日本の「公共性」を身につけているのが日本人なのだ。そしてその公共性は、欧米には全く存在しないものなのである。

最近では、外見的には完全に黒人とかアラブ人の容貌をしているけれども、日本生まれ日本育ちで、日本語しか話せないというタレントもいるが、そのふるまいを見ると、もう日本人としか思えない。

同じように、生まれ育ちが別の国でも日本に入って長く暮らしていれば、日本の公共性や秩序感覚、文化に染まっていくものなのだ。

近年ではアニメやゲーム、漫画などの文化にあこがれて日本に定住する外国人も数多い。先日テレビで見たが、盆栽も今では海外で大人気で、有名な盆栽職人の名人の弟子は半数以上が外国人で、中にはいくつも会社を起業して成功を収めていたのに、盆栽に魅了されて会社を全部売却して来日し、弟子入りした人までいるらしい。そういう人は、そこらの日本人より日本のことをよく知っていて、日本を愛している。

そんな人たちが日本に帰化しやすくなるように制度を見直すことこそが、政府が今すぐ取り組まなければならないことなのに、それに逆行することをやってどうしようというのか?

「日本人単一民族論」という幻想

ネトウヨ・自称保守が外国人排斥・移民反対を訴える感情の根本に、「日本人単一民族論」があるのは間違いない。

だが、日本人が「単一民族」だなんて説は、学術的にはとっくに否定されている。

日本列島には1万数千年前から定住していた「縄文人」がいて、紀元前後に大陸から渡来した「弥生人」と混血して、現代日本人の基層が形成されたと考えられている。

わしがいまライフワークとして取り組んでいる「神功皇后」だって、母方の祖先には朝鮮から渡来した王子がいる。

そして近年のDNA研究では、これにさらに3~6世紀の古墳時代、大陸からの新たな移住者が加わり、遺伝的にも現代日本人に影響していることがわかっている。

つまり、日本は太古の昔から「移民の島」であり、在来の民と移民が融合を繰り返して今に至っているのである。

日本に一神教がないのもその影響だろうし、日本はそうして外来者がいくら入っても揺るがない、強固な基盤を先史時代から形成していた。

しかも日本ではその後も、大陸国家のように無理やり引いた国境線の取り合いをして、周辺の国や民族と常に緊張関係にあるというような歴史を歩むこともなく、この島国の中だけで何となくの一体感を形成してきたのだ。これからどこから移民が入ってこようと、全て融合してしまえるし、そうしてさらに新たな日本文化を生み出して行けるとわしは確信している。

それは、たかだか250年の歴史しかない移民国家のアメリカや、他民族との融合を拒絶して侵略と虐殺の歴史を繰り返してきた西欧とは、根本的に違うのである。

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