この日の午後5時からの文化放送『ニュースパレード』の中でも、官邸に詳しい元共同通信社の後藤謙次氏が電話出演し、次のように解説しました。
後藤謙次氏「(石川県知事選は)高市さんが衆院選で圧勝してからちょうど1カ月だったんですね。自民党推薦の馳さんの敗北は、高市さんの常勝イメージに傷がつくかもわかりません。しかも高市さんは、イスラエルとアメリカがイランへの攻撃を開始した直後に東京から空路で応援のために金沢に駆けつけているんですね。そういう曰く付きの選挙で負けたということが、恐いものなしの高市人気にも限界があるということを証明しました」
山本香記者「そもそも現職の総理が知事選の応援に行くというのは異例なんですよね?」
後藤氏「おっしゃる通りです。とりわけ今回の馳さんの選挙応援に関しては、総理が行っても負ける、傷が大きくなるからやめた方がいい、という声が自民党内からも出ていたんですね。にも関わらず、高市さんを止める側近がいなかった。これが今の政権の今後の課題ですね」
‥‥そんなわけで、今回の高市首相の暴走を見て、あたしは3年前の奈良県知事選を思い出しました。2022年9月25日、自民党奈良県連会長に選出された高市早苗氏は、翌2023年4月9日に行なわれる奈良県知事選に、自分が総務大臣だった時に秘書官を務めていた平木省氏を擁立すると発表したのです。
しかし、その時の現職の奈良県知事だった荒井正吾氏は、自民党の元参議院議員で、小泉政権下では外務大臣政務官を務め、奈良県知事を4選もしている大ベテランでした。当然、この年の知事選も5選を目指して出馬する予定でした。奈良県は常に自民党が勝つ保守王国なので、これまで通りに自民党の推薦で出馬すれば、荒井正吾氏の5選は確実でした。
それなのに、嗚呼それなのに、それなのに‥‥というわけで、自民党奈良県連会長の座に就いた高市氏は、自分の可愛がって来た元秘書を知事にするため、現職の荒井氏を切り捨てたのです。荒井氏にしてみれは青天の霹靂でした。高市氏のやり方に憤慨した荒井氏は、自民党本部に掛け合い、当時の森山裕選対委員長や二階俊博氏の協力も得た上で、知事選に出馬したのです。
その結果、今回の石川県知事選のように自民党同士の「保守分裂選挙」となったのですが、この選挙には大阪以外への勢力拡大を目論む日本維新の会からの刺客、山下真氏も出馬していたのです。そして、本来は自民党候補が一人勝ちするはずの得票が真っ二つに割れてしまい、維新の山下真氏が当選してしまったのです。
当時、前大阪市長の松井一郎氏は「自民党が割れた事による漁夫の利」とドヤ顔でツイートし、高市早苗氏は「県連会長でありながら保守分裂を招いて惨敗したA級戦犯」として自民党内で厳しく吊し上げられたのです。つまり、高市首相が自民党内の声を聞かず、自分のワガママだけで暴走して自分の掘った穴に落ちるというのは、今に始まったわけではないのです。
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