舌を噛みそうな「ミュニシパリズム」なる言葉が意味するもの
岸本が同書の「はじめに」で述べているところは要旨次のようで、ここに同書の趣旨は凝縮されている(P.4~5)。
▼区長としてはまだよちよち歩きの段階ですが、私がこれから杉並区で取り組もうとしている変革が、世界規模の大きな潮流の中にあるものだということを、区民に限らず全国の皆さんに知っていただきたい。
▼ひとことでいえば、「公共」の役割と力を取り戻すこと、そして、地域の住民が主体となって、自分たちの税金の使いみちや公共の財産の役立て方を、民主的な方法で決めていくということです。
▼この数十年、世界中で、国や自治体が本来持っていた公共的な役割をどんどん縮小し、水道や電力など住民生活に不可欠なインフラ事業まで、民間企業に委託してしまう民営化の流れが続いてきました。
▼私が長く暮らしていたヨーロッパでは近年、こうした民営化の流れを止め、住民が地域の公共財産を自分たちで民主的に管理する仕組みを作り直そうとする動きが各地で生まれています。
▼こうした住民運動を母体として自治体ごとの市民政党がつくられ、首長や地方議会の選挙で勝利し、国の政府やEUといった大きな権力にも敢然と物申していく――このような現象は、「再公営化」「ミュニシパリズム(地域主権主義、自治体主義)」、そして「恐れぬ自治体(フィアレスシティ)」という言葉で捉えられています……。
ミュニシパリズム(Municipalism)は、地方自治体を意味するmunicipalityからの派生語だが、その語も日本では馴染みがないので、片仮名で表記しても通用しない。訳せば上述のように「地域主権主義、自治体主義」ということになる。しかし「地域主権」と訳してもまだ馴染みの薄い言葉であることに変わりはない。
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