睡眠0〜3時間を自慢する宰相・高市早苗の末路。支持率の急落が示す「人間嫌い」の代償

 

世間の空気がますます見えなくなる

国会や官邸の用事が終われば一刻も早く公邸に帰って炊事、洗濯、介護、そして勉強というのでは、世間の空気、世論の動向にますます疎くなるのも仕方がない。その結果、物事の優先順位が分からなくなり、例えば麻生太郎副総裁を敵に回さないために皇室典範の拙速・粗暴な改訂を強行して「愛子天皇」容認論が圧倒的多数を占める世論を敵に回すとか、維新の吉村洋文代表を連立内に引き留めておくために国民の誰も関心がないばかりか大阪人も過去に2回否決している「大阪都」構想に手を貸すとか、理解不能な行動に出てしまう。

政府提出の64法案の中の「国家情報会議」設立、あるいは国旗損壊罪や副首都構想も、彼女の支持基盤の右翼や維新を引き止めておくための手段であって国民の求めるところではない。円安インフレに直撃されている国民にとって最大の直接関心事は飲食料品の消費税ゼロ化の公約の行方だろうが、これはそもそも国会の議論の外に専門家を交えた超党派の「社会保障国民会議」なるものを設けて「6月中旬までに中間報告を示す」としていたものの、まず0%か1%かで迷走している間に、これが本当に経済政策として妥当なのかの本質的な議論もなく、また妥当であったとしてその財源はどうするのかの議論もなく、結局、合意断念に追い込まれそうな気配である。

こうして、会期末の演出としてはほとんど支離滅裂で、これでは人心が離れていくばかり。国会は終わっても高市にとっては夏休みのない状態が続くのではないか。

まずは、秋の臨時国会前までには行うことになっている党・内閣人事が悩ましい。愛子天皇阻止にひとまず成功した麻生は、次の総選挙で引退しても引き続き影響力を維持できるよう、ここで子分格の茂木敏充外相を幹事長に据えた上で、できるだけ早く高市を引き下ろして茂木政権を作ることに全力を注ぐだろう。他方、その麻生の動きを乱すかもしれないのはここまで大人しくしてきた林芳正総務相で、おそらく閣外に出て本格的にポスト高市への動きを始めるだろう。彼に限らず野心ある者はすべからく高市の先行きに見切りをつけ、彼女との距離を置きながら準備を進めることに心を砕くことになるので、ますます彼女は一人になっていく。

他方、野党側では、中道と参院の立憲・公明との「合流」問題が夏の間に決着されなければならないが、私の予想ではこれは調整困難で、中道を含め一旦ご破算の仕切り直しに向かわざるを得ないのではないか。野党第一党がそのようであれば、自民党はゆとりを持ってポスト高市政権への道を模索することができるだろう。

(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2026年7月27号より一部抜粋・文中敬称略。ご興味をお持ちの方はご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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