自民党が考えた古謝玄太氏を勝たせる極めて有効な作戦
さらには、古謝玄太氏が埋め立てた41ヘクタールの土地にヘリパッドを先行して造ってオスプレイ20機を移転させるという主張についても「政府案に相反するもので矛盾してる」って批判してたじゃん!
分かりやすく言えば、辺野古の新基地建設に全面的に反対して来たのが現職の玉城デニー氏で、部分的に反対して来たのが下地幹郎氏でした。ちなみに下地氏は、辺野古の新基地だけでなく、那覇軍港の浦添移設や敵基地攻撃用ミサイルの配備などにも反対して来ました。つまり、基地問題に関しては、多くの部分で自民党政権とは真逆だったのです。
そんな下地氏が、いったい何があったのか知りませんが、突然、手のひらを返して「辺野古移設工事を工程通り進め」と言い出したどころか、それを条件に知事選への出馬を取りやめ、さらには自分の支援者に「古謝玄太氏への支持」を呼び掛けると言うのです。あたしが思わず「はぁ?」を連発しちゃったのも分かるでしょ?
…そんなわけで、これまでの「沖縄県知事選挙」は、辺野古の新基地建設をメインにした「沖縄の基地問題」が最大の争点でした。玉城デニー氏が初当選した2018年の選挙では、基地反対派の玉城氏が約39万6,000票、自民、公明、維新などが支持した基地容認派の対立候補が約31万6,000票と、その差は約8万票でした。
そして、玉城氏が2選を果たした2022年の選挙では、玉木氏が約34万票だったのに対して、基地容認派の対立候補は約27万5,000票と、その差は約6万5,000票でした。
しかし、これらの結果は、基地反対派が県民の7割を占めていた時代のデータなのです。皆さんご存知のように、沖縄の民意が明確に「辺野古の新基地反対」を示しても、自民党政権は沖縄の民意を完全に無視して新基地計画を進めて来ました。そして、現在はとうとう、現行の工事技術では建設など不可能と言われているマヨネーズ地盤の上に、巨大な滑走路を建設する無理筋な計画を強行しているのです。
つまり、自民党政権がバカのひとつ覚えのように繰り返して来た「辺野古に新基地を造り世界一危険と言われている普天間基地を返還してもらう」というお題目は「絵に描いた餅」であり、実際は複数のゼネコンという自民党のスポンサー企業を潤すため、そして既成事実作りのために「100年経っても完成しない意味のない工事」を続けているだけなのです。
そして、そんな流れの中、何度民意を示しても止まらない工事に、沖縄の人たちは疲れて来たのです。この国の政府は何を言っても聞いてくれない。そう思った人たちが、少しずつ反対運動から離脱して行ったのです。そして、いつの間にか、基地反対派と基地容認派の割合が拮抗するようになってしまったのです。
さらに言えば、もはや「基地問題」は沖縄の選挙での最大の争点ではなくなってしまったのです。沖縄の人たちも他の地域で暮らす人たちと同じで、まずは日々の生活です。これほど物価高や光熱費の高騰が続いているのに、いつまでも「基地問題」ばかりに目を向けてはいられません。どんなに反対しても新基地建設が止まらないのなら、たとえ「基地容認派」の候補者でも沖縄の経済を良くしてくれる人のほうがいい。そう思う人がジワジワと増え始めたのです。
そして、基地反対派と基地容認派の割合が拮抗した今、自民党は考えたのです。過去の選挙を見る限り、下地幹郎氏を支持している固定票は「5万~7万票」なので、下地氏が出馬を取りやめてくれて、その票が古謝玄太氏に回ってくれば、玉城デニー氏に勝てるかもしれない。過去2回の玉木氏と次点の票数差は「6万5,000~8万票」なので、これは極めて有効な作戦だ!すぐに下地君に電話したまえ!…なんて流れだったのかもしれません。
この記事の著者・きっこさんのメルマガ









