政府が隠蔽したPFAS汚染
沖縄県内の米軍嘉手納基地と普天間飛行場の周辺で、発がん性が指摘される有機フッ素化合物、総称「PFAS(ピーファス)」が高濃度で検出されている問題で、在日米軍は2023年12月に「米軍基地が発生源である可能性が高い」と認めていたのです。米軍の報告によると、どちらの基地にも「消火訓練施設」があり、そこでPFASを含む泡消火剤を使って来たそうです。
しかし、問題はここからなのです。米軍は2023年12月にこの情報を日本政府に伝えた際、「公表しても構わない」と言ったそうです。しかし、当時の岸田政権は、政治判断で公表を控えたと言うのです。米軍基地が発がん性物質を垂れ流していたなどと公表すれば、自民党政権が目の敵にして来た沖縄の基地反対派に新たな燃料を与えることになってしまうからです。
もしも日本が独立国家だと言うのなら、何よりも優先すべきは日本国民の生命や健康なのですから、これは政府の立場うんぬんに関わらず早急に公表すべき極めて重要な事案でした。しかし自民党政権は、沖縄県民の健康など二の次、三の次で、とにかく米軍との間に波風を立てないことを最優先したのです。これじゃあ日本政府は、まるで「アメリカ政府の日本支部」じゃないですか?
マヨネーズ地盤と「兵糧攻め」
さて、そんな自民党政権が、世界一危険と言われて来た普天間飛行場の返還のために、その代替案として進めて来たのが、名護市辺野古の新基地建設という実現が疑問視されているファンタジーな計画です。これまで自民党の歴代首相は、辺野古の新基地建設を「普天間飛行場という危険を取り除くための唯一の解決策」だとバカのひとつ覚えのように繰り返して来ました。
しかし、2006年に現行計画が決定してから12年後の2018年、工事海域の海底に90メートルの軟弱地盤、通称「マヨネーズ地盤」が広がっていたことが分かったのです。ここはV字型滑走路の建設予定地なので、通常の建物以上の強固な土台がなければ大事故に繋がってしまいます。でも、今さら計画を中止にして、ここまで進んで来た話を振り出しに戻すわけにも行かず、政府は現行計画のままで工事内容を変更しました。
それが、海底の軟弱地盤に7万本の砂杭を打ち込み、その上に滑走路を建設するというもの。しかし、このような工事を行なった前例がないため、実際の強度は完成してみるまで分からないのです。そのため、当時の玉城デニー知事は2020年、防衛省沖縄防衛局からの設計変更の申請を認めませんでした。すると政府は、国交相による裁決という卑劣な手段を使って、沖縄県の判断を強引に取り消したのです。
さらに自民党政権は、それまでずっと沖縄県の求めに応じて約3000億円を分配し続けて来た振興予算を2022年度、突然、2684億円と大幅に減額したのです。これは10年ぶりの3000億円割れでした。折りしも当時はコロナ禍で、観光収入が大きな比率を占める沖縄が景気悪化に苦しんでいた時期です。もはや「兵糧攻め」とも言える自民党政権による「沖縄差別」もここに極まれりでした。
この振興予算の減額という「沖縄差別」は、翌年も翌年も翌年も、基地反対派の玉城デニー氏が知事である限り、昨年度まで続いたのです。ここ数年の物価高騰が始まる前から、沖縄県は最低賃金が全国最下位で、子どもの貧困率もワースト1位でした。それなのに、政府は手を差し伸べるどころか、逆に予算の削減という「沖縄差別」を続けて来たのです。
そして、こうした自民党政権による長年の「沖縄差別」の結果、基地反対派の県民の中にも「基地問題より日々の生活」という人たちが増え始めたのです。どんなに反対しても、何度民意を示しても、この国の政府は基地建設を強引に進める。それなら、たとえ基地容認派でも沖縄の経済を良くしてくれる候補者、少しでも多くの予算を国から持って来てくれる候補者、自民党政権と結びついた候補者に投票しよう。そう考える人が増えて行ったのです。
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