玉城デニー氏はなぜ大敗したのか?デマと誹謗中傷の陰に隠れた、自民党政権による「沖縄いじめ」の全貌を人気ブロガーが暴く

 

「カネで票を買う」高市政権

その結果、基地容認を掲げつつ経済を前面に押し出した自民党推薦の候補者である古謝玄太氏が、過去最多得票で当選したのです。そして、それを受けて高市政権は「待ってました!」とばかりに、それまで2897億円を概算要求していた2027年度の沖縄振興予算を一気に「3000億円超」へと引き上げる調整に入ったのです。これほど分かりやすい構図は他にありません。

高市首相の大好きなドナルド・トランプ大統領は、11月の中間選挙で共和党が勝てば、アメリカの成人以上の国民全員に5000ドル(約77万円)ずつ支給すると宣言しましたが、「カネで票を買う」という意味では、高市首相もやってることは同じです。しかし、約3000億円という沖縄振興予算は、本来は分配されて当然の予算で、昨年までの自民党政権による「沖縄差別」が異常だったのです。

辺野古が完成しても普天間は返還されない

さらに言えば、たとえ基地容認派の知事が誕生したところで、90メートルのマヨネーズ地盤が急に固くなるわけもなく、極めて難しい前例のない工事は、基礎だけで十数年の年月と数兆円規模の予算が必要と試算されています。つまり、古謝玄太氏が2選、3選と知事を続けて行ったとしても、辺野古にV字型滑走路が完成するのは遥かに先の話なのです。

だからこそ古謝氏は当選会見で、政府に対して「普天間飛行場の返還期日の明確化」を要求したわけですし、下地幹郎氏も知事選への出馬を取りやめる条件として、自民党と「辺野古移設工事を工程通り進めて2036年に終了させ、その後速やかに普天間基地を返還する」という政策協定を結んだのです。辺野古のマヨネーズ地盤の問題を良く知っている両氏は、2人とも「あと10年で辺野古の新基地が完成するわけがない」と知っているからです。

まあ、はっきり言っちゃえば、計画自体に無理があり過ぎる上、米軍の上層部までもが完成を懐疑的に見ているのが現在の辺野古の新基地計画なのです。その上、もしも辺野古の新基地が計画通りに完成したとしても、米軍は「それでは滑走路が短すぎるから普天間の代替施設にはならない。辺野古が完成しても普天間も使い続ける」と言って、すでに普天間飛行場の中の複数の施設の補修工事を進めているのです。

つまり、基地反対派が知事になろうが基地容認派が知事になろうが、今のままじゃ辺野古の新基地が完成する可能性は極めて低いのです。そして、もしも奇跡が起こって辺野古の新基地が完成したとしても、その代わりに普天間飛行場が返還されることはないのです。自民党政権が本当に「普天間飛行場の危険を1日も早く取り除きたい」と思っているのなら、新基地建設の計画自体を見直すしかないのです。

「基地容認」の看板を逆手に取れ

つまり、初当選した古謝玄太氏の「基地容認派」という看板は、実現性など皆無に等しい「絵に描いた餅」なのです。ですから、古謝氏はこの看板を最大限に利用して、自民党政権からどんどん予算をぶん取り、沖縄の経済を活性化させれば良いのです。これまで沖縄を利用するだけ利用して来た「アメリカ政府の日本支部」こと自民党政権を、今度は「基地容認派」という看板で沖縄側が利用してやるのです。

沖縄はどこよりも多く米軍基地や米軍施設を押し付けられているのですから、もっと多額の振興予算を要求する権利があります。何しろ今度の知事は「基地容認派」なのですから、自民党政権は振興予算を減額する理由が何もありません。古謝玄太氏は振興予算の要求額を3500億円、4000億円と釣り上げて行き、沖縄の人たちの生活が少しでも良くなるように、全国ワースト1位の「子どもの貧困率」が少しでも改善されるように、ぜひ沖縄のためにがんばってほしいと思います。

そして、最後に玉城デニーさん、これまでの2期、本当にご苦労様でした。あなたは翁長さんの意志を継ぎ、沖縄を守るためにできる限りのことをしてくださいました。あなたこそが本物の政治家だと思います。多くの支援者の皆さんとともに、心より感謝を申し上げます。どうもありがとうございました。

(『きっこのメルマガ』2026年9月16日号より一部抜粋・文中敬称略)

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