日本に大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルスですが、新築マンション市場も例に漏れず価格下落の兆候が出てきているそうです。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者でマンション管理士の廣田信子さんが、直近の市場動向について語っています。
新築マンション市場にも価格下落の兆候あり?
こんにちは!廣田信子です。
不動産経済研究所が、7月15日に、6月のマンション市場動向を発表しました。首都圏の6月の新築マンション発売戸数は1,543戸。前年同月比では31.7%減となりましたが、先月と比べると292.6%増となりました。緊急事態宣言が終わって、不動産市場が動きだしているのが分かりますが、まだ、前年と比べると3割減です。
1戸当り価格は平均6,389万円。前年同月比で戸当り425万円(7.1%)アップしています。平米単価は96.9万円。5.0万円(5.4%)アップしています。1年前に比べれば、まだ価格が反転していないようですが、先月は6,485万円、108.4万円だったので、前月比では総額で96万円(1.5%)のダウン、平米単価は11.5万円(10.6%)ダウンしています。
1か月で、平米単価が1割以上下がったということは大きな変化です。ずっとアップ基調だった新築マンションの高価格が、ダウンに転じたところに注目します。
同じく、不動産経済研究所が発表した首都圏の上半期(1~6月)の市場動向をみると、供給は44.2%減の7,497戸とコロナ禍で大幅減。上半期としては初めて1万戸を下回りました。
1戸当たりの平均価格は6,668万円、前年同期比で531万円(8.7%)のアップ、8年連続のアップで上半期の最高値を更新。1平米当たりの単価は103.1万円。平米単価で12.4 万円(13.7%)のアップとなっています。
地区別に見ると、上半期の平均価格、平米単価(各対前年同期比)は、
都区部 8,190万円、132.4万円(7.1%アップ、10.7%アップ)
都下 5,449万円、81.1万円(3.4%ダウン、0.7%アップ)
神奈川県 5,150万円、79.3万円(2.9%ダウン、2.5%アップ)
埼玉県 4,929万円、72.9万円(1.6%アップ、6.1%アップ)
千葉県 4,639万円、63.3万円(3.4%アップ、4.8%アップ)
上半期全体で見ると、都下、神奈川県に、価格ダウンの兆候がみられますが、コロナの影響がまだ価格にまで及んでいません。影響が現れるのはこれからでしょう。
新築マンションの価格がそろそろ頭打ちかと言われていた、まさにそのときに、コロナ禍が襲いました。東京オリンピックまでは何とか持つかと思われていた不動産ミニバブルが、コロナ禍の突然の到来で、半年早く崩壊した…ということなのでしょうか。
新築マンション、特に都心の物件は、大手ディベローパーが所有するため、売り急ぐことはなく、価格は維持されるだろう…と言われますが、それが、いつまでもつでしょうか。
コロナ禍で、都心居住が絶対的な価値でなくなった今後の新築マンションの市場の動向に注目です。
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