国際世論の反発を受けながらも、台湾を統合したい意志を頑なに持ち続ける中国。そんな考えを一般の中国人はどう考えているのでしょうか。中国出身で日本在住の作家として活動する黄文葦さんは今回、自身のメルマガ『黄文葦の日中楽話』の中で、いわゆる普通の中国人たちの「台湾について」の考えを紹介しています。
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台湾について、一般の中国人はどのように考えている?
Question
なぜ中国はあれだけ広大な国土を持ちながら、国際世論の反発を受けても台湾を併合したいのかわかりません。一般の人々はどのように考えているのでしょう?
黄文葦さんからの回答
中国人の意識は、台湾を併合することではなく、台湾を「統一」、「解放」することです。つまり離れ離れになってしまった大陸と台湾をもう一度一つになってほしいという願望です。勿論、これはもともと中国政府の意思です。
昔から、中国の学校教育の中で、台湾は中国の一つの「省」だと宣伝しています。なので、普通の中国人たちには台湾は自分の国の一部だと思われます。8月にアメリカの政治家が台湾訪問したことで、中国のナショナリズムがさらに高揚してきます。国際世論が見えないから自己中心になってしまいました。
たとえ台湾問題について、どなたか政府と異なる意見を持っていても、それを公表できないと思います。ましてや台湾独立を支持する言論は犯罪扱いされるはずです。従って、台湾問題について、中国人の声は一つだけになってしまいます。
ほとんどの中国人は自国の広さを誇っています。政府のプロパガンダでは、かつてはもっと大きな国で、その多くの領土はロシアに占領されたといい、外蒙古も元は中国の一部だったと知らされています。
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