なぜ、現在の韓国経済はこんなにも恐怖と不安に満ちているのか?

Graph Falling Down in Front Of South Korea Flag. Crisis ConceptGraph Falling Down in Front Of South Korea Flag. Crisis Concept
 

 円安により日本も物価の高騰などが続いていますが、お隣の韓国経済もかなり冷たくなってきているようです。そんな不安感の高まる経済事情を韓国在住歴30年を超える日本人著者が発行するメルマガ『 キムチパワー 』で詳しく解説しています。

韓国経済、ポンドと人民元による「ダッフルパンチ」

9月28日、ドルに対するウォン相場が取引中1,440ウォン台までウォン高ドル安が進んだのは、中国の景気減速への恐怖で人民元の急落に影響を受けたためだ。中国に対する依存度の高い韓国経済の特性上、ウォン安が人民元の価値と連動する現象が現れる。ウォン・ドル為替レートは26日、ポンド貨暴落ショックで1,430ウォン台を突破したのに続き、2日ぶりに人民元下落パンチをもう一度くらい1,440ウォンの壁も破ったわけだ。韓国経済が対外変数によって動揺し、薄氷の上を歩く不安感が高まっている。

同日、人民元は取引中、1ドル=7.24人民元前後で取引された。人民元の為替レートが1ドル=7.2人民元を超えたのは2008年2月以降14年7か月ぶりのことだ。2010年に開設された香港域外為替市場でも、1ドル=7.23人民元程度で取引され、史上最高値を記録した。今年に入って、人民元の価値は14.6%下落した。

人民元価値のマジノ線と呼ばれる「1ドル=7元」が崩れるほど人民元の価格が急落したのはドル高の中で中国経済が苦戦を強いられているという懸念が広がったためだ。特にこの日アップルが新製品iPhone14の中国内販売量が不振だという理由で今年iPhone生産を最大600万台増やそうとした計画を撤回したというニュースが衝撃的に報道され人民元の価値を引き下げた。中国の内需展望がそれほどに悪いというシグナルだからだ。

すでに26日、世界銀行は中国の今年の経済成長率展望値を従来の5%から2.8%に大幅に下方修正し、中国政府の展望値(5.5%)の半分水準に下方修正した。世界銀行は中国を除いたアジア発展途上22か国の成長率平均値を5.3%と予想したが、これに伴い中国の成長率が1990年以後32年ぶりにアジア発展途上国平均値より低く出る可能性が高くなった。

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