ラーメン業界に古より伝わるという「1,000円の壁」。読んで字のごとく1杯1,000円は超えられないという意味合いの言葉ですが、人件費や食材、光熱費の高騰により苦戦を強いられているラーメン店も多いのが現状です。そんな中にあって、「1,000円の壁超え」にチャレンジする人気店を取り上げているのは、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さん。堀部さんは自身のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』で今回、年商10億円を超えるというラーメン店が取り組んだ3つのステップを紹介しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:ラーメン1,000円の壁を超えてどうなった?
ラーメン1,000円の壁を超えてどうなった?
飲食店の「壁」問題。本当にそんな壁があるのか?とも思いますが、
- ラーメン1,000円の壁
- 宴会5,000円の壁
とかはよく言われるやつですね。
特に目下影響が大きいのはラーメン1,000円の壁。国民食で日常食であるからこそ、価格によりシビアなのは事実。
今日はラーメンのご支援先の取り組みを基に、この辺りを考えてみようと思います。
■事業概要
ラーメンで10億円超のご支援先。各店舗人気でランチは全店舗必ず行列。人気店ですね。
価格的にはかなりお得。基本的には1,000円未満で組んでいました。
■原価の高騰
理論原価率は28%でしたが各種コストプッシュで理論的に33%までもの高騰。値上げは不可避という状況。
その為、段階を踏んで対策をしました。
■Step1)アイテムパワーを見て対策
ランチはお得なセットが「7アイテム」ありました。ランチ売上構成比率の大半がここなので、ここを対策できれば数字の回復は確実。
その為、7アイテムのうち「4アイテム」を1,000円超え、「3アイテム」を1,000円未満に変更しました。
1,000円未満が選べる楽しさのある「3アイテム」なら、影響がないだろうという仮説でした。
結果。
ここは完全に仮説通り。全く何の影響もなく客単価が上がったので売上アップ。もちろん原価率も改善し、33%→31%にまで改善。
ただコスパが良いポジションもあったので、即座に次の値上げをするのはストップ。
一旦半年間これで走り続ける事にし、今の価格の定着を狙いました。
■Step2)値上げの本丸対策
次が本丸です。7アイテムのうち入口商品を「1アイテム」だけ作り、それは1,000円未満の価格に設定。
他の「6アイテム」は1,000円超えです。これがどうなるか!?が勝負でした。
結果。
- 最初の2ヶ月 :影響なし
- 次の3~5ヶ月 :売上増ながら客数に影響あり
- 6ヶ月以降 :影響なし
このような感じでした。
値上げは告知する必要はなし。この前提なので、最初の2ヶ月は「知らなかった」事もあり全くもって影響はありませんでした。
しかし。
次の3~5ヶ月目辺りが悩んだ部分。単価が伸びているので売上自体は好調。
しかし、既存店客数が若干のマイナスでした。これだと次の値上げはできません。
ただ別に飛び道具はないので、徹底してQSCの改善に取り組む事に。
ただふわっとしたQSCではなく、定量的に捉えられるものを設定し、毎週その数字を追い続ける事に。
その結果、6ヶ月目以降に客数もプラスに!これは正直ほっとしました。
原価率も33%→31%→28%まで改善しました。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ









