大地震に見舞われたベネズエラの悲劇と希望。野球で結ばれている「日本との縁」

La,Guaira,,Venezuela,-,June,29,,2026:,A,Rescue,Team
 

南米ベネズエラで発生した大規模地震は、多くの命と暮らしを奪い、深刻な人道危機をもたらしました。経済的な困難を抱える同国にとって、その被害はより深刻なものとなっています。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では健康社会学者の河合薫さんが、大地震の被害と現地の現状に触れながら、日本との意外な関わりや、私たちにできる支援について考えます。

遠くて近い国、ベネズエラ

南米ベネズエラで6月24日に発生したマグニチュード7級の連続地震の死者数が4561人に達したことがわかりました。

負傷者は1万6740人、家を失った人は1万7907人に上ります。

数万人が消息不明のまま、2万人近くが避難先での生活を強いられ、素手で瓦礫をかき分け家族を探す様子には、胸が締め付けられる思いです。

そもそもベネズエラは経済破綻状態にあり、人々は貧困に苦しんでいた中での大地震ですから、その苦しみは想像を絶するものがあります。

私たち日本人にとって「ベネズエラ」といえば、今年3月に行われたWBCで侍ジャパンが準々決勝で対戦した強豪国。その象徴の1人がドジャースで活躍するミゲル・ロハス選手です。

ロハス選手のWBCへの出場は叶わなかったものの、ワールドシリーズ第7戦で3-4とリードされた9回表、土壇場で放った起死回生の同点ホームランは記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。

ベネズエラに代表される中南米の国々は、いわば「MLB人材の供給国」です。

子どもたちは幼少期からスカウトの目にさらされ、16歳でプロ契約という厳しい世界に飛び込みます。

彼らにとってベースボールは単なるスポーツではなく、人生を変えるための手段であり、家族を支えるための仕事そのもの。「生きるための選択」とも言えるのです。

奇しくも先日、ドジャースでプロ10年目にして悲願のメジャーデビューを果たしたエリエセル・アルフォンゾ捕手は、過酷な現実に直面していました。

なんとデビューの前日、故郷ベネズエラで起こった大地震によって、妹と義母が犠牲になっていたのです。

悲しみに打ちひしがれる中、ベネズエラにいる元メジャーリーガーの父親から「その瞬間を楽しみなさい。今を大切にしてほしい」と励まされたといいます。

あまりにも残酷な運命の中で、それでも打席に立つ──。

彼が前を向いたのも、そして父親がその背中を押したのも、彼自身がベネズエラの子どもたちにとって「夢を乗せた最大の希望の光」だからにほかなりません。

日本のプロ野球でも素晴らしいベネズエラ人選手がプレーしてきました。

「ラミちゃん」の愛称で親しまれるアレックス・ラミレスです。また、多くのベネズエラ人選手が、日本の一軍を目指し、二軍のチームなどで努力を重ねているなど、遠くて近い国がベネズエラなのです。

すでに日本の医療チームが現地で活動を始め、日本政府も世界食糧計画(WFPなどの国際機関と日本のNGOを通じて計約450万ドル(約7億3000万円)の緊急人道支援を実施すると発表しています。

個人の寄付を受け付けている機関もあります。

できる人ができることを。

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