スマートグラスの普及によって、「撮影する」という行為そのものが、これまで以上に見えにくくなっています。今回のメルマガ『探偵の視点』では、著者で現役探偵の後藤啓佑さんが、スマートグラスなどの普及によって変わりつつある「撮る技術」と「見抜く技術」の関係から、これからの探偵業界に求められる役割について考えます。
“撮る技術”から“見つける技術”へ
Ray-Ban Metaなどのスマートグラスが発するBluetoothの識別情報をスマートフォンで拾い、近くにカメラ機能を備えた眼鏡型端末が存在する可能性を知らせるものです。
スマートグラスは、見た目だけでは普通の眼鏡との区別がつきにくくなっています。
本人が自然に視線を向けているだけに見えて、実際には撮影されている。
そんな状況が、決して特別なものではなくなりつつあります。
10年ぐらい前は、探偵の専売特許的な感じでしたが(笑)
探偵の仕事では、これまで「どのように証拠を撮るか」という技術が重視されてきました。
しかし今後、必要になるのはそれだけではありません。
「自分たちが撮られていないか」
「その空間に記録端末が存在していないか」
「相手がどのような方法で情報を集めているか」
こうした「観察される側」からの視点も必要になるのではないでしょうか。
たとえば、企業の重要な商談や会議、採用面接、工場見学などで、相手がカメラ付きの眼鏡をかけていたとしても、その場で気づくことは難しいでしょう。
しかも今後、カメラや録音機器は眼鏡だけでなく、イヤホンやアクセサリー、衣服などにも、さらに自然な形で溶け込んでいくはずです。
(現に、もう市場に出ています)
技術が人の目から見えなくなるほど、それを可視化するための別の技術が必要になります。
AirTagのような位置情報端末が広がったことで、それを発見する機能や対策商品が生まれたように、スマートグラスの普及によって「検知する技術」の市場も成長していくのではないでしょうか。
それに伴い、探偵業界の役割も、尾行や撮影によって情報を集めることだけではなくなっていき、盗撮や盗聴、情報漏洩といった目に見えないリスクを発見し、人や企業を守る。
そういった役割を、探偵が担うようになっていく必要がある。
「撮る技術」と、「撮られていることを見抜く技術」。
これからの調査会社には、その両方が求められる日が来るのかもしれません。
そしてその先には、「見抜いた後になにをするべきか」という問題の本質的な解決のディレクションをする必要もでてきます。
そこには、浮気調査の案件と同じく、「人間」を見ながら状況を進めていく技術が必要になってくるでしょう。
この記事の著者・後藤啓佑さんのメルマガ
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