日本で学ぶという不幸。シンガポールの教育水準がもう追いつけないレベル

 

学校で輝かない子供を見てホームスクールを決意

欧州でやった勉強会仲間で、アリババのナンバー3の地位を捨てて、住む場所も変えて、起業した友人がいる。その理由が今回欧州で初めて聞けた。それは子供の教育のため。ある日授業参観に行った時に学校で浮かない表情の子供を発見。そこで深く子供と対話し、教育の大量生産ともいえる学校がいかにわが子に合っていないか実感。

そこから夫婦で1年間話し合い情報を集め、ホームスクールを決意。しかし、彼がその時生活していた国ではホームスクールは禁止されていた。親戚や友人から後ろ指をさされ、ホームパーティーもやりにくくなったという。

家族でホームスクールが盛んなアメリカに渡り、ホームスクールのカリキュラムを作るプロとして有名な2人の教員に師事してカリキュラム造りを学ぶ。その後、カリキュラムのチェックのために、その2人を説得して、給料を払い、住居も用意して、彼らの近くに一年間住んでもらい、カリキュラムを実施ながら改良し、カリキュラム造りを夫婦と子供で学んだ。

そして4人の子供全員をホームスクールで育て上げ、皆世界の名門校に。ホームスクールはテイラーメイドの教育なので素晴らしい側面、友達他の触れ合いが少なくなるので社会性に問題があるといわれる。しかし、実際4人をホームスクールで育て上げた彼によると、「そんなことはないよ。親という大人と深く接するから、社会性も心配ないよ。ある意味成熟した人間と深く付き合うことは同世代以上に学びがある。それと歳の近い兄弟もいるし。休みにはサマーキャンプ等につれていって集団生活も経験させられる」と。

「4人ともすごく特徴があり、それを理解して伸ばしてやりたかった。学校とも相談したけど、それを求めるのは可能ではなかった。学校での彼らの浮かない顔が忘れられなかった。だから私も仕事も変えたし、ハーバードロースクールまで行っていた家内は仕事もやめて全力でホームスクールに没頭してくれた。これは私たちには大きな学びであった」と。

私は彼に本を書いてほしいくらいだ。ここには書ききれないが彼らがいかに子供のために働き方や住まいも変えてきてか。そしてそれが正解であって、4人ともその特徴を生かして大きく羽ばたきつつある。そして学校教育の限界とあらたな教育スタイルの提言にもなっている。

経済的にも、ビジネスの才能にも長けた夫婦だからできたともいえるが、そういう立場にあっても誰もがここまでやっているわけではない。彼らの子供に対する愛といったら陳腐な表現になってしまうが、こんなやり方もあるんだなあと思わされた。

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