沖縄が中国のミサイル射程圏内に。米シンクタンクの「中国脅威論」

 

急速に縮まる米中の軍事力の差

報告書は、台湾海峡紛争と南シナ海紛争の2つケースについて、それぞれ1996、2003、2010、2017の各年で米中の軍事力の優越がどう変化してきたか、またしようとしているかを、

・中国軍の対米空軍基地攻撃

・米中両軍の航空優勢

・米軍の航空進出

・米軍の対中国空軍基地攻撃

・中国軍の対地戦闘

・米軍の対地戦闘

・米軍の対宇宙戦

・中国の対宇宙戦

・米中両軍のサイバー戦争

・核の安定性(第2撃能力の確実性)

 ──の10分野に分けて評価し、それを一覧表にしている。

写真資料

それを見ると、台湾海峡危機の場合、例えば中国対米空軍基地の攻撃能力2010年にすでに拮抗しており、2017年には中国やや優勢となる。また中国対地戦闘能力も同様に、2017年にはやや優勢となる。

南シナ海紛争の場合、中国対基地攻撃対地戦闘の能力2017年には拮抗する。

このような解析結果を踏まえて、報告書は結論部分で、次のように言っている。

(1) 1996年以来、中国軍とてつもない進化を遂げ、米軍事力もその間に改善を進めてきたにも関わらず、能力の実質的な変化は中国に有利に傾きつつある。とりわけ中国軍弾道弾ミサイル戦闘機攻撃型潜水艦などの近代化は、過去のいかなる基準に照らしても桁外れの速さで進んできた。

(2) その傾向は作戦分野によって違いがあり、中国の達成すべての分野で一様ではない。いくつかの分野では、米側の改善によって米国が新たな作戦選択が出来るようになってきたし、少なくとも中国側の軍事近代化の速度が相対的なバランスに与える影響を和らげてもきた。

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