【会社のあるある】返事だけの「ラジャー野郎」を上手に扱う方法

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仕事中、何かと「わかりました」「了解しました」という言葉を口にしていませんか? 無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者・弘中勝さんは、ろくに考えもしないで返事をする「ラジャー野郎」はビジネスの場においてトラブルメーカーでしかないとバッサリ。ドキッとしたあなた、今一度自分が適当な返事をして誰かに迷惑をかけていなかったか振り返ってみましょう。

ラジャーとウィルコ

ビジネスの現場でも、「はい分かりました」「了解しました」という言葉は、よく使います。指示に対しての確認の言葉ですが、これが「その場だけの返答にしかなっていない」というケースはとても多くあります。

「分かりました」と言ったのに、やっていない。「了解しました」と言ったのに、できてない。そういうことから、トラブルは起きます、トラブルが起きるのであれば、「分かりました」「了解しました」という言葉はむしろ言わないほうがよかったぐらいです。ただ口で言うだけの確認は全く意味がなく現場に混乱をもたらすだけです。「その時は理解したんですけど、忘れてました」という問題が、一番の時間の無駄です。

よく、特撮番組などで、隊長の無線による作戦指示などに対して隊員たちが「ラジャー!」と言っています。「ラジャー」(roger)というのは、確かに「了解」「分かりました」という意味です。でも、空軍や航空業界、宇宙業界などではよく、「ラジャー」という言葉の他に、「ウィルコ」という返事を使っています。

ウィルコ」(wilco)というのは「will comply」という言い回しの略語で、直訳すれば、「あなたに従います」という意味です。つまり、「こうしなさい」という指示に対して、「ラジャー」は「こうしなさい、っていう命令が聞き取れましたよ」という意味なのに対して、「ウィルコ」こそが「はい、じゃあ実行します」という意味の返事です。

「分かりました」と言ったのにやっていない、というトラブルの原因は、指示を出した側と受けた側のこの違いです。指示を出した側は「分かりました」というのは実行が伴うことを期待しており、「ウィルコ」の返事であると思っています。でも指示を受けた側が「分かりました」というのは、「はい、確かに聞き取れましたよ」という「ラジャー」の返事でしかないのです。

特撮番組の隊員たちは「ラジャー!」と言ってすぐボタンを押したりして実行するのでいいですが、実行しなくてもとりあえずは聞き取れました、というのが「ラジャー」であり、そういう返事しかできない人が、結構います。

一刻一秒を争う戦場や飛行中などの場面で、実行すべきことを実行していないのは大問題です。だから、パイロットや宇宙飛行士などは、「聞き取れましたよ」という「ラジャー」ではなく、「きちんとその指示通りに従って、実行しますよ」という「ウィルコ」で、実行の意図を示すのです。

ビジネスの場でも、「分かりました」「了解しました」といった返事は、どのような意味で使うのかということを、全員がきちんと共有できていなければなりません。共有できないから、責任の所在が曖昧になってトラブルになるのです。

返事だけは一人前で実行はほとんどしない、というラジャー野郎を野放しにしないためにも、一度社内や取引先と一緒に、きちんとその意味について確認をしてみてはいかがでしょう。

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
・「分かりました」「了解しました」という「OK」の意味で使う言葉は、どのような場合にどう使い分けるべきか。社内もしくは取引先とのルールを考えて自分なりの案をノートにまとめる。
・社内や取引先と、確認し合う。

image by:Shutterstock

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