なんて残酷な進化論。鳥のうんちに擬態するイモムシ

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National Geographic newsが、鳥の糞になりすますイモムシに関する研究を報告しています。敵から身を守るための擬態とはいえ、長い年月を経てわざわざ「うんち」に近づくのも進化論といえるのでしょうか?人気メルマガ『週刊 サイエンスジャーナル』では、「進化論」と「創造論」の違いを踏まえながら、昆虫の擬態について解説しています。

今、進化論より創造論が面白い!うんちのふりをするイモムシ 効果のほどは?

アメリカ合衆国、特に南部では公立学校で進化論を教えるべきかどうかについて対立があることをご存知だろうか。ダーウィンの進化論に反対して、キリスト教の聖書には全生物は創造主が個別に創った、ノアの洪水は実際にあった、地球の年齢は一万年以下…という主張がある。

日本の社会において創造論にはふれることはほとんどない。一般的な日本人の感覚から見ると異様な感じがする。私もその一人であった。しかし、もし日本の社会を意図的に操作している組織があれば、それは可能だと思う。そう考えるに至ったのはやはり、宗教に出会ってからだった。

例えば、日本は今年戦後70年になるが、先の太平洋戦争における責任は、日本の軍の行った植民主義が100%悪だとされて、欧米の行った植民地政策や広島・長崎に落ちた原子爆弾、東京大空襲については、はほとんど批判されていない。それが、東京裁判の判決であり、その延長線上に日本の政府や社会が存在している。

自分の親兄弟が犯罪に巻き込まれて殺害されたら、到底犯人を許せない。それがふつうの感覚であり、国のレベルではわからないという、今の状態は異常だと思う。70年間の洗脳を受けるとそれが、当たり前の感覚になっているのだろうか? 未だに根拠のハッキリしない、南京大虐殺や従軍慰安婦について日本政府は謝り続けている。

イラク戦争を見てみよう。米国はイラクの所有している大量破壊兵器を理由に戦争を始めたことになっているが、結局、大量破壊兵器は発見されなかった。一時、これは話題になったが、今、このことを話題にすることはほとんどない。「歴史は勝者によって造られる」というが、まさに勝者によって社会はコントロールされているのがおわかり頂けたかと思う。

さて、創造論であるが、真実は何かという観点で見ると興味深い重要な考え方である。というのは人類自体がすでに生命を創造しているからである。

2010年3月末、人工的に合成された遺伝情報だけで生きている初の微生物がクレイグ・ベンター研究所(メリーランド州)の試験管内で増殖し始めた。ベンター(J. Craig Venter)らはマイコプラズマ・ミコイデス(Mycoplasma mycoides)という細菌のゲノムを人工的に合成した。この成果は人工生命創出への大きな一歩として大々的に報じられた。

昆虫の擬態なども、よく創造論の証拠としてあげられる。コノハチョウ、コノハムシなど、これは、とても昆虫自ら考えて造ったものとは思えない。ましてや偶然にできるわけがない。創造主がいたと考える方が理にかなっている。ただし、創造主といっても神ではない。人でさえ、創造主になれるのだ。何者かが夏休みの自由研究で造ったとしてもおかしくない。

しかし、今回、取り上げる擬態は少し趣味が悪い。何と「鳥の糞」に擬態した昆虫がいる。これは、自由研究でも造る気にはなれない。これは進化論の「適者生存」でよいのではないだろうか?

source: National Geographic news

『週刊 サイエンスジャーナル』

著者/なみ たかし
大学でライフサイエンスを学ぶ。現在/理科教員/サイエンスコミュニケーター/サイエンスライター。メルマガでは毎日の科学ニュースをもとに、最新科学やテクノロジー、環境問題や健康情報など、役に立つ科学情報をわかりやすく解説。
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理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ
進化論に関する対立の論争がまとめられています。

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