「水虫は一生治らない」は大ウソ。完治のための効果的な対処法

 

“一生物”の水虫にはどう立ち向かえばよいのか?

すでに一生物かな……と諦めている人の話について。もとい、そういった親御さん、おじいちゃん、おばあちゃんがいるという家庭も多いでしょう。

一家に一人罹患者がいると、遅かれ早かれ全員が感染者になります。そうしてその感染者は、公衆の場でさらに感染者を広げていく……のです。

慢性疾患の人がいたら、それは個人の問題ではなく家族の問題、社会の問題なのです。

水虫(白癬菌感染症)は小水泡(足の裏に小さく水疱状態にできる)、趾間型(指の間がじゅくじゅくと皮膚がむける)、角質増殖(角質の中にもぐりこんだ白癬菌の刺激で角質層が肥大化)、爪水虫(爪が産まれるエリアにまで進行し、爪の中にもぐりこみ、感染性の異常な爪が生える)といった感じで悪化していきます。薬剤を使わないと治りません。

現在は、テルビナフィン製剤であるラミシール錠(ノバルティス ファーマ)、ないしはイトラコナゾール製剤であるイトリゾール(ヤンセンファーマ)を使います。

これらの薬は、いわば飲む水虫薬。全身の皮膚の末端に巡り、水虫菌を殺します。しかし水虫菌(白癬菌)はカビの仲間で、非常に丈夫な生き物。殺すための薬剤はそれなりに毒性があります。

いずれも肝機能にダメージのある薬なので、使用前に血液検査をし、医師の判断で投薬をしていきます。効果はかなり高く、半年ほどで正常な爪が生えてくるのですが、ここで投薬を勝手にやめると元の木阿弥です。必ず言われたとおり飲み続けます。

また、再感染しないために、シーツ、マット類は捨てれる物は捨て、スリッパなども一新します。さらに床を徹底的に拭き掃除して清潔に保つことが大切です。

他にも、カビ止めの薬を使ったり、さらに無茶な治療法も無くは無いのですが、それはアリエナイ理科の話であって、メルマガでするような話ではありません(笑) あちらは強力ですが、無保証です。

ともあれ、家族一丸となって対策をすれば、1~2年で完全に水虫を根絶することができ、ついでに家も清潔になるので、これからの不衛生になりそうな季節、悪化するまえに水虫治療してみてはいかがでしょうか?

image by:Shutterstock

『アリエナイ科学メルマ』
著者/くられ
シリーズ15万部以上の不謹慎理系書「アリエナイ理科ノ教科書」著者。別名義で「本当にコワい? 食べものの正体」「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 」などを上梓。学術誌から成人誌面という極めて広い媒体で連載多数。
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