沖縄の酷すぎる偏向報道。地元大手2紙と中国の「ただならぬ関係」

 

沖縄メディアの「脚本・演出」を実現する「主演俳優」

平成26(2014)年11月、3選をかけた仲井真氏を打ち破って、県知事となったのが翁長雄志(おなが・たけし)氏だった。翁長氏はかつては自民党県連の要職を歴任し普天間基地辺野古移設の旗振り役だった人物である。それが一転して、辺野古移設反対を前面に掲げて勝ったのである。

翁長氏が県内移設反対に「転向」したのは、那覇市長時代だった。米軍の新型輸送機オスプレイの沖縄配備反対で先頭に立ち、「保守系でありながら、反基地を訴える闘士」「良識派」として両紙はさかんに持ち上げた。

沖縄県知事選では、それまで保守系候補が4連勝していた。焦りを深めていた反基地派は「革新系候補では勝てない」として、辺野古移設反対の一点に絞って、保守系の翁長氏を担ぎ出した

翁長氏は「自分は選挙の勝ち方を知っている」「勝つためには何でもする」と公言していた人物である。県外移設を打ち出すことで、沖縄を独占する両紙に絶賛され、革新系の票もとれて、知事の座が確実になると踏んだのだろう。

石垣市の中山市長は平成26(2014)年12月に開かれた市議会で、知事選について、こう語った。

私の率直な感想では、メディアが仲井真知事に対するネガティブキャンペーンを張った。沖縄の民意というが、どれほどの住民が正確な情報を得て投票したのか危惧している。八重山、宮古では県紙より地元紙の購読部数が多いことで仲井真氏が勝った。
(同上)

 

言ってみれば、翁長氏は沖縄メディアの「脚本・演出」を忠実に実現する、偉大な「主演俳優」なのだ。
(同上)

と仲新城氏は言う。翁長氏が国連演説で使った「新基地建設」「自己決定権」も両紙が頻繁に使う偏向報道用語である。

舞台に立つためには何でもする、という俳優と、反基地を唱えるなら誰でも良い、という脚本・演出家の野合コンビが16年ぶりの革新派勝利をもたらしたのである。

沖縄の偏向報道空間を打破するには

一方の仲井真氏の方は、県内移設を容認する根拠として「普天間飛行場の危険性除去を」と繰り返すだけだった。危険性除去というなら、県外移設の方がましなので、これでは説得力がない

県内移設を説くならば、仲井眞氏はこう主張すべきだったと、仲新城氏は言う。

尖閣を守るためには、現時点では米軍の抑止力が必要だ。尖閣に近い沖縄本島に米軍がいることが、最大の抑止力になる。
(同上)

しかし、仲井真氏は尖閣問題については「平和的に解決すべきだ」としか語らなかった。これが仲井真氏の敗因だったと仲新城氏は指摘する。

仲井真氏も「尖閣と口にするだけでも右翼呼ばわりする両紙を恐れたのだろう。「沖縄の政治家の多くは保守系と呼ばれる人も含め、県紙に批判されることを恐れ、発言や行動を萎縮させている」という(同上)。

中国公船の尖閣諸島海域での侵略を語らず、米軍基地を沖縄から追い出そうとする2紙の姿勢は、中国の戦略と完全に一致している。その2紙が沖縄の言論空間を独占し、歪めている。そして、その戦略は、日本全体においても左傾マスコミによって広められているのである。

ただし、まだ手はある。八重山日報をインターネットで見た那覇市の住民が、尖閣の実態を知って驚いたという事例が良いヒントである。新聞の独占はインターネットで打ち破れる。自由な言論空間さえ実現すれば、中国のお先棒担ぎをする両紙のいかがわしさは、白日の下に曝される。

本誌の読者も、メールやフェイスブック、ツイッター、ブログなど、様々な手段を使って、自由な言論空間作りに協力されたい。それが日本の自由民主主義を守る国民の責務である。

文責:伊勢雅臣

 

 

Japan on the Globe-国際派日本人養成講座
著者/伊勢雅臣
購読者数4万3,000人、創刊18年のメールマガジン『Japan On the Globe 国際派日本人養成講座』発行者。国際社会で日本を背負って活躍できる人材の育成を目指す。
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