「次は尖閣の実効支配だ」明らかにされた中国軍関係者の極秘メモ

 

尖閣諸島に押し寄せた中国船団が大きなニュースになりましたが、実はこの「尖閣問題」の歴史は古く、田中角栄氏の時代に話し合いが持たれた際も「棚上げ」されていました。なぜ中国は態度を一変させ、尖閣諸島を我が物にしたがるように豹変したのでしょうか。無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』で著者の嶌さんが、その背景を読み解きます。

歴史の遡りと現代事情から鑑みる尖閣

8月に入り戦後71年とさまざまな行事が行われているが、日中日韓の関係がどうしても強く意識される時期となった。敗戦の時期になると必ず「靖国問題」等が問題となってくるが、最近「尖閣問題」が中国との間で非常に厳しくなっている。

中国の領海侵犯が活発化

特に8月に入ってから中国当局の動きが活発化している。5日から中国当局の船が中国の漁船を引きつれ400隻ほどが接続水域に侵入を続けている。領海は海の領土で日本の主権が及ぶ範囲であり、海洋法上は無害の通航は認められている。今回の中国の通行においては威嚇行為があり、無害通航とは言い難いということでもめている。日本からすると主権の侵害ということで、岸田外務大臣は連日抗議をしている。

そして、11日には中国の漁船がギリシャの船と衝突事故を起こした。乗組員14人が海に投げ出されたが、日本の海上保安庁の巡視船が救った。これは皮肉な結果ではあるが、中国国内では「人道主義の精神に謝意を示すべきだ」といったネットでの書き込みが随分あったようだ。中国政府も「人道主義の精神に謝意」を表した。これでトーンが下がったといわれるが、依然日本の領海内への侵入は続いている

国内外に問題を抱える中国

これらの動きは国際的な状況と国内的な状況がある。まず国際的な状況としては、南シナ海でのフィリピンの申し立てによる仲裁裁判がある。仲裁裁判所は中国の全面敗訴を言い渡し、これによって習近平政権への風当たりが強くなった

他方、国内事情としては、例年恒例の河北省の避暑地・北戴河で非公式の人事を決める会議を行なっている。会議には現役指導者や長老が集う。習近平胡錦濤江沢民たちによる派閥争いの場ともなっており、当然習近平は自分の力を誇示したい。

南シナ海の問題を追及される可能性もあり、そうすると尖閣は譲れないという主張を表わしている。さらに、中国国内で人権派が相当数拘束されている。そして、軍の改革も非常に進んでいる。そういう意味で国内の問題が非常に大きいように思う。よって、これらの国際、国内問題から尖閣問題が急浮上してきたのだろうと考えてよい。

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