沈みゆく韓国経済、そして日本への「手のひら返し」外交が始まる

 

企業30年寿命説というものがあります。台湾も年10%以上のGDP成長を30年近く続け、経済史史上未曾有の奇跡と言われながら、90年代に入って中国への投資によって資本・技術の移転から産業空洞化が起こり、経済低迷期へと移行しました。

ちなみに、台湾で韓進海運と類似する運輸企業はエバーグリーンです。エバーグリーンははじめ海運からスタートして、高尾と神戸港とを結び我が世の春を謳歌しました。以後は、航空業界に進出、現在では中華航空(CI)の最大のライバルとなっています。

韓進海運の船舶が世界中で立ち往生していることで、韓国企業にも大きな影響が出始めています。韓国のGDPの2割を占めるサムスン電子でも、2隻の韓進海運の船舶に積まれた3,800万ドル相当の貨物へアクセスしようと裁判に訴えています。少なくとも16機のチャーター機が必要で、費用は最低でも880万ドルかかるといいます。

韓国の海運最大手破たんで何が起きているか

そのサムスンは、世界中でギャラクシーノート7の充電池が爆発する事件が相次いでいることで、世界10カ国で250万台を回収する事態となり、同社の株価が急落するなど、踏んだり蹴ったりです。

スマホ爆発問題でサムスン株急落、2兆円が露と消える―中国メディア

韓国経済の混乱に輪をかけているのは、言うまでもなく中国経済への傾斜です。その中国では鉄道運送も海運も閑古鳥が鳴いており、今年2月には中国遠洋運輸集団と中国海運集団が合併し、世界第4位の中国遠洋海運集団が誕生しました。余剰運輸能力を海外に振り向けようとしていますが、これで韓国のニーズがますます減少してしまいました。

print
いま読まれてます

  • この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け