安倍総理がトランプ会談で言ってはいけないこと

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トランプ大統領就任後、初めての日米首脳会談が2月10日に行われます。日本との貿易不均衡について眉をひそめているトランプ大統領ですが、果たして両首脳はどんな意見をぶつけ合うのでしょうか。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で世界情勢に詳しい北野幸伯さんは、日本の国益のために安倍総理がトランプ大統領に伝えるべき言葉はたったひとつであるとし、その内容と理由を記しています。

安倍総理は、トランプとゴルフをしながら、何を話すべきか?

安倍総理、間もなくトランプさんに会うのですね。別荘で、ゴルフをするとか。それで批判する人がいますが、わけわかりません。

オバマさん、初めて安倍総理に会ったとき、1時間だけしか時間をとらなかった。とてもビジネスライクで態度も冷たかったといいます。一方、オバマさんは、初めて習近平と会った時、計8時間も会談した。2013年当時、オバマが安倍さんを冷遇し、習近平を重視していたことは明らかです。

トランプさんは、「別荘でゴルフをしよう」という。これは、日本と安倍総理を重視しているからに決まっています。今回は、トランプと会う際の注意点を考えてみましょう。

安倍総理がいうべき、たった一つの言葉

まず、「安倍総理訪米の目的」を考えてみましょう。

国益には、主に「経済」(金儲け)と「安全保障」の二つがある。

経済に関して、日本は、アメリカに何も望んでいません。逆に、アメリカが日本に望むことがある。2016年の日米貿易、アメリカ商務省によると、日本の黒字は689億ドル(約7兆7,000億円)だったそうです。トランプさんは、この「貿易不均衡が気に食わない

一方、「安保」では、日本の国益が大いにあります。中国は、「日本には、尖閣だけでなく沖縄の領有権もない!」と宣言している(必読完全証拠はこちら→「反日統一共同戦線を呼びかける中国」)。

日米同盟が弱体化すれば、中国は即座に尖閣を奪うことでしょう。だから、日本は、アメリカの大統領がどんな人であれ、「日米同盟を強化していかなければならない。要するに、安倍総理訪米唯一の目的はこれなのです。

「日米同盟は強固なので、尖閣を奪うのは難しいな」と習近平に「思わせる」こと。幸いマティス国防長官も、ティラーソン国務長官も「尖閣は日米安保の適用範囲である」と断言しています。それで、中国政府は激怒している。

日本は、油断することなく、さらに日米同盟を強化していかなければならない。どうやって? 安倍さんが、トランプの望みを支持しサポートする意志があることを伝えることで。

総理は、いうべきです。「私は、『アメリカを再び偉大な国にする!』というあなたの方針を絶対的に支持します。日本は、アメリカが世界のリーダーでいつづけることを心から願っています」。

すると、トランプは、「なぜだい?」と聞くかもしれませんし、聞かないかもしれません。しかし、「お世辞ではないことを証明する、論理が必要になります。

「もし、アメリカが世界のリーダーでなくなれば、明らかに中国が覇権国家になるでしょう。日本は、尖閣だけでなく沖縄も奪われる。私の老後も、悲惨なものになるでしょう…」。

これでトランプは、「そうか。中国の天下になったらシンゾーの老後は真っ暗だよな」と思うことでしょう。つまり、「ただのお世辞じゃないな」と。

その上で、「私は、アメリカが世界のリーダーでいつづけるために、できるかぎりサポートするつもりです。できることもできないこともありますが、私と日本が『いつもあなたとアメリカの味方』であることを、忘れないでください」。

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