感動食堂、絆のバトンリレー
どんな子もお腹いっぱい。会話も弾む自分の居場所。それが近藤の作ったこども食堂だ。
高校1年の眞鍋太隆君は常連客の一人。両親は共働き。一人の時の居場所を求めて近藤のこども食堂に来るようになった。通い始めて4年、今ではボランティアの一人として店を手伝いに来ている。将来は福祉の仕事に就きたいと言う。
この日、眞鍋君は友達を呼んでいた。高校に馴染めず、去年の夏に退学したA子さん。励ましてあげようと声をかけたのだ。「3カ月ぶりに来て、やっぱりここはいい場所だなと思いました。楽しいのでつらいことも全部忘れられる」と、彼女は言う。
瀬戸大橋を臨む香川県高松市に近藤が来ていた。ここでこども食堂を始めた人たちから招かれたのだ。
「かねとう子ども食堂」は去年スタート。週に1回、食事を提供している。どうすれば子供たちに届くか。アドバイスを求める人たちから近藤は引っ張りだこだ。代表の金藤友香理さんは「近藤さんが『子ども食堂』と名づけてくれたおかげで、問い合わせもすごかったんです」と言う。
近藤の思いは暖簾とともに全国に広がっている。
スタジオで小池栄子に「食事の提供日を増やしていく考えは?」と問われた近藤は、次のように答えている。
「可能であれば増やしてみたいけれど、こども食堂がいらない、そういう場所がなくても子供たちがどこかでご飯を食べていける。そんな社会になってほしいというのが最終的な私の気持ちです」