残業ゼロ。日本一労働時間が短い会社が上げ続ける驚異の利益率

jog20170915
 

以前掲載の記事「残業減らせば残業代、子連れ出勤OK…「働き方改革」を始めた2社」でもご紹介したように、従来の「残業をしている社員の方が頑張っている」「長期休暇を取るのは怠けている」という古い考えを捨て、新しい働き方を受け入れたことで業績を伸ばしている企業が増えています。今回の無料メルマガ『Japan on the Globe-国際派日本人養成講座』で著者の伊勢雅臣さんが取り上げられた未来工業株式会社もそのひとつ。同社の社員たちは、どのような待遇を受けているのでしょうか。

未来工業~日本人の美質に立脚した経営

岐阜県に「日本一労働時間が短い会社」と呼ばれる企業がある。電気設備資材などの製造販売を行っている未来工業株式会社である。

休日の多さは日本一残業ゼロ給料は地域でトップレベル、それでいて利益率も驚異的だ。平成25年度は売上高314億円で営業利益38億円、営業利益率はなんと12%超。日本企業の平均的な利益率は3%程度というから、その4倍である。

同社が沖縄に営業所を開いたときのこと。

ところで、後日、正式の社員になったその女の子から、経理に「給料をもらったけれども、数字が間違っています」と電話がかかってきたという。よくよく聞いてみると、「今までの給料の倍はあります。ぜったい計算違いです」と怒っていたというのだ。

 

経理はびっくりして、「いや、これは未来工業の規定だから」と返事をしたらしいが、それだけではなかった。またまた騒動がもちあがった。

 

正月休みで休んでいたら、その子のおっかさんが、「あんたいつの間にクビになったの。なぜ正直に言わないの」と、さんざん怒ったというのだ。…沖縄の正月休みはふつう3日程度だ。それが、20日近くも休みなのだから、おっかさんにはとても信じられなかったのだろう。
(『日本でいちばん社員のやる気がある会社』山田昭男 著/中経出版)

「社員を低賃金で長時間こき使ったほうがトク」か?

休日が多いからと言って、1日の就業時間が長いわけではない。朝8時30分から夕方4時45分までで、5時には会社の中はガラーンとなる。なぜ、こんなに労働時間を短くするのか。創業者の山田昭男氏はこう語る。

そもそも、日本の中小企業をみると、「社員を低賃金で長時間こき使ったほうがトクだ」と考えている経営者が少なくない。だが、本当にそうだろうか。

 

中小企業には凡人が集まっている。ズバ抜けた能力を持っている者が多いわけでもない。その社員に不満をもたれたら、ただ給料をもらうために会社に来ているだけという状態になり、目も当てられない結果を招くことになってしまう。

 

せいぜい、社員に不満をもたれないようにして、それなりにがんばってもらうしかないのではないか。
(同上)

日本の会社員の代表的な不満の一つが、自分で使える時間の少なさだろう。山田氏はこう社員に語る。

ふつうの会社の場合、朝7時に家を出て、夜7時にはうちに帰る。つまり、通勤時間も含めて12時間を会社のために使っている。そうすると、残りは12時間や。そのなかで8時間は寝てる。すると、残りは4時間や。

 

その4時間ぐらいは自分の時間だろう。せっかく生まれてきてや、残りの4時間まで会社のために働いてどうするんじゃ。せめてその4時間の自分の時間くらい大事にして自分の好きなように使えや。それを残業で全部潰して、何がおまえ人生の価値があるんや。
(同上)

冒頭に登場した女性社員なども、今までの給料の2倍も貰い、そのうえ正月休みを19日も貰ったら、「自分なりに頑張らないと申し訳ない」と思うだろう。社員全員がそういう気持ちになれば、会社全体では「社員を低賃金で長時間こきつかう」会社よりも、何倍もの業績をあげる事ができる、ということを未来工業は実証している。

「16日間も休んでお客さんに迷惑がかかってもいいのか」

しかし、普通の企業で、こんなに長い休みをとったら、お客さんに迷惑がかかるのではないか、と心配になる。

未来工業でも平成2(1990)年に会社設立25周年を迎えた年末に、上海、台北、ソウル、サイパンなどへの3泊4日の社員旅行に招待する、という企画をたてた。前後の休みも入れると16日間の休みとなる。

お客さんからどんどん注文が入る年末のいちばん忙しい時期に、16日間も休んで、迷惑がかかるのでは、と心配する社員に、山田さんはこう答えた。

誰も迷惑をかけていいとは言うてない。ピタッと休んで、残りの日でお客さんに迷惑をかけずにすむ方法を考えろ。ただし、ローテーションを組んで、交代で休む、なんてことはやるな。そんな平凡なことはどこでもやってるぞ。
(同上)

社員の考え出した「方法」の一つは、お客さんに倉庫の鍵を預けることだった。もし急に商品が必要になったら、倉庫を開けて持って行ってください、というわけである。

そのほかにも社員はいろいろな工夫をして、その月に創業以来最高の売上げを達成したのには、さすがの山田さんも驚いたという。

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