【書評】なぜ福沢諭吉は中韓両国と交友を絶ちたいと考えたのか

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福沢諭吉が著したとされる『脱亜論』。その過激とも言える内容をご存じの方も多いかと思いますが、原文ではなかなか理解し難いという声も聞かれます。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者の北野幸伯さんが、そんな難解な『脱亜論』の現代語訳が収録された書籍を紹介しています。

「中韓に関わるな!」福沢諭吉の警告

今、とても興味深い本を読んでいます。

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決定版・脱亜論 今こそ明治維新のリアリズムに学べ
渡辺利夫/著 扶桑社

「正論大賞」を受賞された、拓殖大学前総長、渡辺利夫先生の最新刊です。

『脱亜論』というのは、福澤諭吉が書いた記事です。福澤諭吉といえば、慶応大学の創始者。一番有名な著書は、『学問のすゝめ』。もっとも知られた言葉は、「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」。

福澤諭吉は、政治や国際関係についてもたくさん言及しています。有名なのが『脱亜論(1885年)』。これ、原文で読んだら、わけわかりません。しかし、渡辺先生の最新刊には、「現代語訳」があるので、とてもよくわかりました。

福澤諭吉は、まず開国によって入ってきた「西洋文明を肯定します。

文明というものは利益と損害ともどもに伴う(「利害相伴う」)ものであり、むしろ利益の方が多いのだから、やみくもに文明の侵入を防ごうとするのではなく、むしろその蔓延するにまかせ、いちはやく国民に文明の気風を一身に浴びさせるよう努めることが智者のなすべき任務(「事」)である。

次に、「なぜアジアで日本のみが文明化に成功したのか?」を説明します。福澤によると、幕府の存在が文明化を妨げていた

西洋文明は日本の古くからのしきたり(「旧套」)とは両立しないものであり、旧套から脱するためには旧政府を廃絶(「廃滅」)するより他ない。

古くからのしきたりを捨て文明化を進めるためには、倒幕が必要だったと。

旧政府を倒し、天皇中心の新政府を樹立することができた。日本国中、朝廷といわず庶民といわず(「国中朝野の別なく」)すべての者がことごとく西洋の文明を採用し、アジアの中にあって日本のみが旧套を脱し、ひとり新機軸を打ち立てることに成功したのである。

要は、明治維新が成功したから文明化もできたのだ、と。

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