【シャープ】フレームレスデザイン、AQUOS CRYSTAL Xが北米でヒット

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「フレームレスでスマートフォンとして使える5.5インチを実現した」
シャープ「AQUOS CRYSTAL X」開発陣に聞く

『石川温の「スマホ業界新聞」』 Vol.112(2014年12月27日号)

シャープのソフトバンクモバイル向けモデル「AQUOS CRYSTAL X」が発売となった。夏に日米で発売された「AQUOS CRYSTAL」のハイエンドモデル。AQUOS CRYSTALにおいては「日本だけでなく北米も想定以上に売れている。フレームレスの感動体験が北米でも支持されているようだ」(シャープ・通信システム事業本部グローバル商品企画センター第三商品企画室、澤近京一郎室長)という。

今回、AQUOS CRYSTAL Xを出すにあたり、「ハイスペックを求めるユーザーが満足できるスペックを目指した。他社からも5.5インチは発売されているが、いずれもファブレットクラスのサイズ感となっている。AQUOS CRYSTAL Xはフレームレスでスマートフォンとして使える5.5インチを実現した」(楠田晃嗣主事)と胸を張る。

今回、ハイエンドモデルとして、AQUOS CRYSTALにはないこだわりが詰め込まれている。その一つが「デザイン」だ。

AQUOS CRYSTAL Xでは、画面占有率がAQUOS CRYSTALと比べても大きくなっており、84.4%となっている。「実は画面以外の部分が、CRYSTALより狭くなっている。画面が大きくなっただけでなく、フレームのない驚きをさらに増大させることができる」(楠田氏)という。

また、背面の塗装にはラバー塗装を行い、しっかりとした持ち感を実現している。よく見ると、FeliCaのマークが見えるのだが、これも「0.05mmだけ浮き出している。他の人に見えなくてもよく、手に持った範囲で認識できれば良いだけの浮き上がり具合を調整した。0.08mmとか0.1mmとか、本当に細かい範囲の違いで表情が変わる。視認性が悪いとフェリカネットワークスに怒られるので、ギリギリ許してくれる落としどころを探っていった」(通信デザインセンター、二神元デザイナー)という。

また、電源キー、カメラリング、イヤホンジャックには本物のアルミを使うことで、高級感を演出しているのだという。

現在、シャープとしては、スマホの状態や情報を話しかけてくれる「エモパー」を訴求しているが、ここにもこだわりが詰まっているという。

「他社でもキャラクターがしゃべりかけるというものがあるが、シャープとしては端末自身がキャラクターになる、端末がパートナーというのを実現したかった。そのため、エフェクトを入れているのだが、主張しすぎても、個性が強すぎてもいけない。エモパーらしさを表現するのに、いくつもバリエーションをつくって議論した」(ザインセンターUXデザイン室、中田裕士シニアデザイナー)という。

実際にエモパーがしゃべっているときには、波打った線が表示され、エモパーが会話している感が演出されているのだという(あまり自然すぎて、言われるまで気がつかなかった)。

実はエモパーは各キャリアで同じ仕様かと思いきや、キャリアによって情報提供元が異なるコンテンツがあるという。ソフトバンク向けであれば、ヤフー映画やヤフー急上昇ワードなど、ヤフーから情報を引っ張ってきているものがあるという。

また、AQUOS CRYSTAL Xでは、フレームレスを生かした細かな機能も盛り込まれている。

例えば、画面の上辺をなぞると画面キャプチャが撮れるようになっている。通常、画面キャプチャを撮ろうとするとホームボタンと音量キーを同時に押すと言った面倒で難しい操作が必要だが、AQUOS CRYSTAL Xでは一瞬でキャプチャが可能だ。しかも「カシャ」というシャッター音ではなく、CRYSTAL感のある音で、結構気持ちよかったりする。

今回、AQUOS CRYSTAL Xでは、上辺を左から右になぞるとキャプチャを撮り、逆に右から左になぞると撮影した画像を表示するという設定もできる。

「スクリーンショットを撮る機能は意外と使われており、操作方法について、サポートセンターに問い合わせもあるほど。2番目に多い問い合わせとして、その画面をすぐに呼び出せないというものがあるため、機能を搭載した」(楠田氏)

さらにフレームレスという構造を生かし、2台の端末を並べて画面をなぞるだけで、簡単にペアリングができ、写真を共有したり、1枚の写真を大きく表示する「Swipe Pair」という機能を搭載する。

「触って始めてわかる価値。理屈抜きで、見た目のインパクトが凄い」(楠田氏)。

実際に触ってみたが、確かに2台が一つになって、同じ1枚の画像を大きく表示でき、拡大や縮小もきっちりと動くのは楽しかったりする。

AQUOS CRYSTAL Xは技術的にも、また使い勝手的にも、かなり「ワクワク感」のある機種に仕上がっていると言えるだろう。

 

『石川温の「スマホ業界新聞」』 Vol.112(2014年12月27日号)

著者/石川 温(ケータイ/スマートフォンジャーナリスト)
1999年に日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社。日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、Googleやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。新聞、雑誌だけでなく、テレビやラジオでもコメント出演をこなす。
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