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「弱い2月」の株価大調整に警戒。米国バブル崩壊で日本に道連れリスク=藤井まり子

ビットコインほか、ちらほらと局地的なバブルの崩壊が始まりました。「ロビンフッダーたちの祭り」の終わりです。「弱い2月」に日本株も要注意です。(『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』藤井まり子)

【関連】2021年「日経平均4万円」に現実味。今が世界コロナバブルの初動だ=矢口新

※本記事は有料メルマガ『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2021年1月26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

アメリカで「ピンスポット・バブル」の崩壊が始まる

大統領就任式の翌日の1月21日(現地時間)から、いよいよビットコイン市場でのバブル崩壊が始まりました。

ビットコインは「リスク資産市場の『炭鉱のカナリヤ』」です。「炭鉱のカナリヤ」とは、「真っ先に危険を知らせる」資産クラスのことです。

思えば、昨年からビットコインの上昇は留まることを知りませんでした。1月8日には4万2,000ドルにタッチしそうな勢い。これが一転して、1月22日には3万ドルを下まわる水準にまで暴落します。およそ30%近い暴落です。

今は、3万2,000ドル水準でもみ合っています。が、一旦弾けてしまったビットコイン・バブルは、再び盛り返すことは不可能でしょう。おそらく、遅かれ早かれテスラ株などのバブルも崩壊し始めることでしょう。

今のアメリカ株式市場は、全体では、ユーフォリアに包まれて高値圏にまで買い上げられていますが、全体では、「バブルの領域」にまではまだ足を踏み入れていません。バブルとはもっともっと苛烈なものです。

しかしながら、テスラ株やビットコイン、IPO銘柄や(IPOの代替手段としての)SPAC銘柄などなどを中心に、一部の銘柄は「苛烈なバブルの領域」にすでに達しています。これら数々の「ピンスポット・バブル」は、近いうちに弾けるでしょう。もう弾け始めています。

FAGAMと知れられる「スーパーハイテク株」も、もしかしたらひょっとすると大幅調整が近いかもしれません。

「ロビンフッター達の祭り」の終わり

現在のアメリカ株式市場は、ど素人集団のロビンフッターたちに牽引されて、一部の銘柄は「苛烈なバブルの領域」に達しているものが多数存在しているのです。

ど素人が悪いというわけでは無いのです。超の付くウルトラ過剰流動性の時代、彼らロビンフッターたちの「リスクテイク」は、方向性としては正しい、間違ってはいません。

しかしながら、利益をほとんど出していないような企業にまでも手を伸ばして、ロビンフッター同士でSNSを使って相談して手当たり次第に買い上げてゆく様は、まさに「悪乗り」「みんなで渡れば怖くない」の「ピンスポット・バブル」です。

先週1月19日号のメルマガでもお伝えしましたように、「2月のアメリカ株式市場は弱含む」ことは、広く知られています。特に、新大統領が就任した年の2月の株価の調整は大きいことで知られています。

一部の聡明なロビンフッターたちは、静かにマーケットから降りてゆくことでしょう。一部のロビンフッターたちは大火傷を負うことでしょう。「数々のピンスポット・バブル」の崩壊が引き金になって、アメリカ株式市場「全体」の調整も近いと見ています。

アメリカの長期金利の「不気味な急低下」

1月25日のアメリカの金利市場では、ドル国債10年物の利回りが1.040%まで急低下しています。わずか1日で5%近い長期金利の急低下です。

これは、とても不気味です。「質への逃避」が早々と始まったのか?それとも、FAGAMで最後の一儲けを企む投機筋の仕掛け的な動きなのか?

Next: 2月は弱い? コロナ相場のメインシナリオとは



2月相場は弱い

繰り返しになりますが、「大統領選の翌年の2月は、アメリカの株式市場は弱含む」ことは、一部のロビンフッターの間でさえも広く知られています。

2月に入れば「バイデン・ヘリマネ法案第2弾」の詳細が発表されます。2月発表の「第2弾」には「富裕層や大企業への増税」案が含まれています。「増税」とは、この場合、「昨年から今年にかけてヘリマネをばらまき過ぎたので、富裕層と大企業はそのヘリマネの一部を返してください。」ということです。

この「増税」発表も調整の引き金となる可能性があります。

ユーフォリアに包まれている内外の株式市場も、これで一旦はクールダウン、「5~10%調整」くらいの調整は普通に起こる可能性があります。

コロナ相場「メインシナリオ」と「サブシナリオ」

「2月には、5~10%の普通の調整が起きる」というのが、今やアメリカ株市場の「マーケット・コンセンサス」「メインシナリオ」になっています。

この「5~10%の調整」という「メインスシナリオ」は、「人類が年後半までにコロナとの戦いに勝利して、年後半からはアメリカ経済はV字回復する」というシナリオに沿っています。

この「メインシナリオ」では、繰り返しになりますが、

・2021年末、S&P500は3,800ポイントから4,200ポイントの間
・2021年末、ダウは3万3,000ドルから3万4,500ドルへと上昇

といった「シナリオ」が予測されています。

「メインシナリオ」でS&P500の予測に幅があるのは、テスラ株のバブルが年内に弾けるか否かに依っています。一方、「メインシナリオ」では、長期金利の上昇が遅かれ早かれ起きるので、「グロース株からバリュー株へのダイナミックなローテーション」が巻き起こることが予想されます。

このシナリオだと、FAGAMなどの「スーパーハイテク株」は大幅調整を余儀なくされることでしょうが、ダウは「もっさりしたバリュー株」が大勢を占めているので、ダウは大幅上昇をすることでしょう。

一方、「サブシナリオ」「テールリスクシナリオ」として、起こる可能性は低いですが、20%近い調整が巻き起こる可能性があります。「テールリスク・シナリオ」としては、「長期金利の急上昇と急速なドル高が同時進行する」ケースがまずは挙げられますが、それ以外でも、「ワクチンがほとんど効かない新型コロナの変異種が登場したりして、人類とコロナとの戦いがドロドロのイタチごっこの長期戦になり、経済のV字回復が遅れる、インフレもなかなか巻き起きない」ケースも上げられます。

これら「テールリスク」」が顕在化して、株式市場で「20%近い大幅調整」が起きれば、パウエルFRBを初めとする各国中銀は年半ば(?)あたりには「現行の超の付くの金融緩和政策」をさらなる緩和方向へと大きく切り替えなければならなくなり、各国財務省も再び大型刺激策を発動することになるでしょう。

すると、「テールリスク」ケースでは、アメリカ株式市場を初めとする各国株式市場は、年半ば(?)以降には再び盛り返して、さらに上昇を加速することでしょう。

「テールリスク」シナリオでは、S&P500は、2021年末までに、「メインシナリオ予測の4,200ポイント」を飛び越えて、4,500ポイントへ達すると見込まれます。

かくして、コロナとの戦いは、人類が短期で勝利しようと、グズグズと長引いて長期戦になろうと、人類が強い意思でもって戦い続ける限りは、中長期では株価は上昇すると見ています。

Next: 日本市場は要警戒? 再び米国財務省に刷り負け始めた日本財務省



再びアメリカ財務省に刷り負け始めた日本財務省

日本株式市場もそろそろ用心しなければいけません。

トランプ前政権は年末に9,000億ドルのヘリマネを追加しています。これに、バイデン新政権の「ヘリマネ法案第一弾:1.9兆ドル規模」が加わる予定。「さらなる第2弾」も予定されていま
す。

日本財務省はまたもやアメリカ財務省に再び刷り負けてしまっているのです。

今後は、調整局面が訪れるたびに、再び「ドル安円高」が進行、日本経済は、「想定外の円高」に苦しむことになりかねません。

ですから、この日本でも、4月以降の「第4次補正予算(さらなるヘリマネ出動)」が熱望されているところ。菅新政権はこのあたりの危機意識は持っているので、おそらく4月には「第4次補正予算」を成立させることでしょう。

しかしながら、「4月成立」では、2月に起こるであろう「アメリカ株式市場の調整」には間に合いません。

かくして、アメリカ株式市場で「5~10%くらいの調整局面」が訪れたならば、日本株式市場も無縁ではいられないでしょう。アメリカ株式市場で20%近い大幅調整が巻き起きれば、1ドル100円を割り込むようなドル安円高が進行して、日本株式市場はアメリカ株式以上に荒れるかも知れません。

長い目でみれば、この日本でも4月あたりに第4次補正予算が組まれることでしょう、そうなれば、日経平均は3万円へ向かって再び力強く上昇してゆくことでしょう。

来年2021年中には、日経平均は余裕で3万円を試すことでしょう。

目先は調整も、日経平均は4万円を目指す

さて、日経平均はもっさり系の株式が多く、ダウの影響が強いです。超楽観論に基づけば、日本株は再び海外ヘッジファンドたちに買い上げられて、2021年末の日経平均:3万3,000円から3
万4,500円も決して夢ではありません。

「日経平均:3万円はただの通過点」で、長い目で見れば向こう数年で「日経平均:4万円」を達成することでしょう。

しかしながら、目先、アメリカ株式市場で調整局面が訪れたならば、この日本株式市場も当座の調整には無縁ではいられないのです。

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・「狂騒の1920年代」の再現か?それとも、「黄金の1950年代」の再現か?
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2021年1月配信分
  • アメリカで「数々のピンスポット・バブル」崩壊始まる!!!~「ロビンフッターたちの終わり」の始まり~(1/26)
  • 「炭鉱のカナリア」のビットコイン、とうとうバブル崩壊始まる!!!~株式市場の調整も近い!~(1/22)
  • 日本株式市場も調整にはご用心!!!(1/20)
  • 「危険水域」まで買い上げられたアメリカ株式市場:その2(1/19)
  • この日本でもいよいよ「ゲームチェンジ」!♪「大型バブル」が始まった!♪♪(1/15)
  • あまりに「危険水域」まで買い上げられてしまったアメリカ株式市場(1/12)
  • 「1人あたり2,000ドル」の「ヘリマネ法案第三弾」で内外の株式市場は沸騰、「死角」はあるのか?(1/8)
  • 2021年の予測~~1-3月期には、コロナ供給体制に「ほころび」?~(1/5)

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image by:vasilis asvestas / Shutterstock.com

藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』(2021年1月26日号)より一部抜粋、再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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