日本の性的同意年齢は13歳と定められている。13歳の子どもでも同意さえあれば、性行為が違法でないということになる。しかし、13歳の少年少女たちは大人の悪知恵に対抗する術を持っていない。今すぐにでも性的同意年齢を上げ、ロリコン犯罪の温床をつぶすべきだ。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。
13歳の少女に突きつけられた「奴隷契約書」
2021年6月23日、大丸侃広(だいまる・ただひろ)という29歳の男が逮捕されている。この男は13歳の少女に「奴隷契約書」と称する書類にサインをさせ、5万円を渡してわいせつな行為をしていたのだった。
大丸侃広は埼玉県草加市谷塚町に住む男なのだが、この13歳の少女とはTwitterで知り合って、わざわざ名古屋にまで出向いて犯罪行為を行っていた。
それにしても、13歳の少女に「奴隷契約書」とは穏やかではない。
この「奴隷契約書」は数十項目に上る細かい要件が書き込まれており、その中には「永久の忠誠と服従を誓約」だとか「専属奴隷として奉仕し尽くすこと」みたいな内容が4ページも書かれてあったという。
もちろん、こんな馬鹿げた公序良俗に反する契約書など何の効力もないし、そもそも契約締結能力のない未成年との契約自体が無効である。だから、大丸侃広のやったことは、何の意味もない馬鹿げたものであったのは間違いない。
しかし、13歳の少女にそうした判断ができるわけもなく、少女は言われるがままサインして大丸侃広のわいせつ行為の被害に遭った。
大丸侃広はそのわいせつ行為をスマートフォンで記録し、少女の首を絞めるようなことさえもしたという。大人からこのような「契約書」を出されて陵辱された少女にとっては、それは恐ろしい時間だったはずだ。
実は、この事件はこの大丸侃広が別件のわいせつ事件を調べている過程で発覚したもので、今後も余罪がいくつも出てくる可能性が高い。ロリコン犯罪者が未成年を狙って、社会の裏側でうごめいていることが垣間見える不気味な事件ではあった。
Next: 13歳未満の性被害者は統計よりも遥かに多い
統計よりも遥かに多い13歳未満の子どもの被害者数
警察庁の平成30年の統計によると、13歳未満の子どもが被害にあった強制性交等、公然わいせつ・強制わいせつ等の認知件数は年間995件も発生していた。
しかし、これは「認知」された件数であり、実態はもっと多いというのは誰もが指摘することである。
少年・少女はわいせつな被害に遭ったことを恥じて親にも言わない。まして加害者から「誰にも言うな」と恫喝されていたり、それこそ大丸侃広のように「奴隷契約書」みたいなものを出されて我慢しなければならないと思わされたりすると、被害は決して表に出てこない。
大丸侃広の被害に遭った13歳の少女も、自ら親や警察に被害を届けたのではなく、警察が余罪を追及する中で「偶然」発覚したものである。13歳未満の子どもが性被害に遭う件数は凄まじい数字になっているはずだ。しかも、未成年に対する性犯罪の認知件数は増え続けている。
未成年の性犯罪が増える中で見直されている性的同意年齢
こうした中で、注目されているのが「性的同意年齢」である。法務省は性犯罪の処罰の在り方を議論していたのだが、この中で大きなテーマとして浮上していたのが性的同意年齢の引き上げだった。
性的同意年齢というのは、自分の判断の上で性行為を行える年齢を指しているのだが、現行ではこれが13歳となっている。しかし、法務省は性犯罪を少しでも減らすためにこれを「16歳以上に引き上げた方がいいのではないか」という検討が為されていた。
大丸侃広の被害に遭った少女も13歳だったが、13歳だと自ら判断するというよりも、大人に騙されたり、脅されたりしてわいせつ行為される可能性の方が高いのは明白なのである。
ところが、そう思わない議員もいた。立憲民主党の本多平直(ほんだ・ひらなお)衆院議員である。立憲民主党内の「性犯罪刑法改正のワーキングチーム」の議論の中で、本多平直は性的同意年齢の引き上げに強硬に反対していたのだった。
Next: 未成年を狙ったロリコン犯罪者の事件が多発している
立憲民主党・本多平直氏のあきれた主張
「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」。
立憲民主党の本多平直はそのように主張した。それだけではなく、「12歳と20歳代でも真剣な恋愛がある」とか「日本の『性交同意年齢』は他国と比べて低くない」と発言していた。また「歳の離れた成人と中学生の子どもにも真剣な恋愛関係はありうる」とも主張していた。
この本多平直はこの発言によって「いったい何を考えているのか?」と袋叩きに遭っているのだが、この発言は間違いなく「不見識の極み」であるのは、実際に未成年の子どもたちが男女問わずロリコン犯罪者の被害者になっているのを見ても分かるはずだ。
大丸侃広が起こした事件だけでなく、未成年を狙ったロリコン犯罪者の事件が多発している。
未成年を狙ったロリコン犯罪者の事件が多発している
2020年9月に静岡県沼津市立井崎中学校の教頭だった山本英仁(やまもと・ひでひと)という52歳の男は、12歳の少女を待ち伏せして拉致監禁して強制的にわいせつ行為を行ってそれを動画に残していた。さらに余罪もあったが、こちらは13歳の少女が被害者だった。
栃木県でも46歳になる県職員が10代の少女をホテルに連れ込んでわいせつ行為を行っていたし、神奈川県でも港北区役所税務課の43歳の男がSNSで知り合った埼玉県に住む女子中学生にわいせつ行為を行って逮捕されている。
神奈川ではその1ヶ月前に、保護された少女の生活指導をしていた児童相談所の職員2人が、次々と10代の少女をホテルに連れ込んでわいせつ行為をしていたという事件があったばかりだった。
本多平直は、少女たちが「考えている以上に危険な事態」になっているということを分かっていないのかもしれない。実は今、少女たちは過去のどの時代よりも危険な状況に陥っている。
Next: SNSが性犯罪の温床に。ロリコン犯罪者は少年・少女たちを物色している
SNSが性犯罪の温床に。今後は凄まじいロリコン犯罪が多発する
最近、『SNS 少女たちの10日間』という映画が話題になった。すでに世の中は子どもたちもスマートフォンを普通に持って使うようになっており、少女たちもSNSを通して「見知らぬ人」といつでも簡単にコンタクトが取れる世の中になっている。
これはどういうことかというと、ロリコン犯罪者は過去のどの時代よりも少女を物色しやすくなり、さらにコンタクトを取りやすくなっているということである。
これが世界規模で起きており、実際に性被害に遭う少女、誘拐される少女が多発している。多くの国では、もうとっくの昔から少女たちが「ひとりで学校に行く」ことさえもできなくなっている。
日本も今後は凄まじいロリコン犯罪が多発すると私は思っているのは、事件が起こる要因がどんどん日本の中で整いつつあるからだ。
原因のひとつに「日本人の貧困化」
東南アジアには、もう数十年も前から多くのロリコン犯罪者が入り込んで次々と少女を性的虐待しているのだが、これは東南アジアに「貧困層が非常に多い」ことに起因している。
貧困に暮らす子どもたちは、親が生活に必死なので子どもの面倒をきめ細かく見ることができない。子どもがどこで何をやっているのか目を配る余裕がなく、何か問題があっても親身にケアすることもできない。
こうした子どもたちは犯罪に巻き込まれやすく、ロリコン犯罪者もまたこうした子どもたちをターゲットにする。
日本を見て欲しい。日本もまた1990年以後はバブル崩壊と政府の経済政策の失策によって超就職氷河期、さらに非正規雇用の拡大によって貧困層がどんどん増える世の中になった。
すでに日本では年収186万円以下のアンダークラス(低所得層)が930万人も存在し、不安定な収入でアパートを借りることができないままネットカフェ暮らしする若い女性も爆発的に増えている。
2020年、2021年のコロナ禍でどん底(ボトム)の様相はさらに悪化してしまっており、すでに低所得層は1,000万人を超えているはずだ。貧困が日本の社会を覆い尽くす時代となったのである。
Next: ロリコン犯罪者を育てる3要素がすべて揃った日本社会
「性交同意年齢13歳」「SNSの時代」「日本人の貧困化」
シングルマザーは半数が相対性貧困であり、7人に1人の子どもが貧困や空腹に苦しんでいる。母親は仕事を掛け持ちしたりして子どもに目が行き届かなくなっている。
母親は生活を成り立たせるために仕事を掛け持ちし、子どもに目が行き届かなくなっている。そうした中で子どもたちはインターネットにアクセスしてSNSやゲームで孤独を癒やしているのだが、そこにロリコン犯罪者たちがそっと忍び寄っている。
こうしたロリコン犯罪者たちは子どもたちの心理をよく研究しており、人心操縦に長けている。彼らは13歳の少女の心を支配しながら、巧みに「洗脳」することが可能なのである。
「歳の離れた成人と中学生の子どもにも真剣な恋愛関係はありうる」と立憲民主党の本多平直は言ったが、ロリコン犯罪者たちは少女たちの心を操って「恋させる」ことさえも可能なのである。
あるいは、大丸侃広は少女に「奴隷契約書」を突き出してサインさせたが、効力がないとしても少女には効力があると錯覚させ、社会的な拘束力で縛りつけるような心理的操縦をすることも可能である。
「性的同意年齢13歳」はさっさと引き上げるべき
さらに「多文化共生」がここに重なると、日本の常識では考えられないような残虐かつ非道なロリコン犯罪者も続々と日本にやってくるだろう。
たとえば、福岡県福岡市で英会話教室を経営していたランプ・アラン・ニールという男は2010年に逮捕されていたが、この男は40人以上の日本人の少年少女をレイプし、600本以上のビデオを残していた。40人の少年少女はほとんど誰も親にそれを言わないで隠し続けていた。
こういう種類の見境のないロリコン犯罪者も「多文化共生」で大量に日本にやってくるということだ。
「性交同意年齢13歳」なのだから「日本では13歳なら何をしてもOKだ」と解釈されても不思議ではない。「SNSの時代」なのだから、いくらでも子どもたちとコンタクトができる。「日本人の貧困化」でターゲットにする子どもも増えていく。
社会の裏側がこうした状況になっているというのが分かると、「性交同意年齢13歳」というのがいかに危険な状態であるのか誰でも理解できるはずだ。ロリコン犯罪者が狙っているのは少女だけではない。少年も同じだ。
「性的同意年齢13歳」はさっさと引き上げる必要がある。日本人は子どもたちを守るためにできることは何でもすべきなのである。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2021年7月7日)。
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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