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米国金利の下落はいつから始まる?米国株カリスマ投資家・まーしーの超先読み経済指標解説

6月の米国経済指標が発表され、インフレ、リッセションへの不安が各紙で語られています。インフレを抑えるべくFRBは利上げを続けると宣言していますが、この状態はいつまで続くのでしょうか?米国株集中投資で“億り人“となった投資家・まーしさんが詳細に解説します。(『まーしーによる米国株投資で億のほそ道』)

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※本記事は有料メルマガ『『まーしーによる米国株投資で億のほそ道』2022年7月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:まーしー@米国株投資家
大人気Twitter「まーしー@米国株投資家」の発信者。Twitterフォロワー数は53,000人。著書である「33歳で年収300万円台でも 米国株投資で爆速1億円 」で米国株投資人気に火をつける。有料メルマガ『まーしーによる米国株投資で億のほそ道』では、個別株投資家向けの爆益狙いの投資情報を現在進行系で配信中。

消費者信頼感指数は急落

6月28日発表があった、6月の米消費者信頼感指数は98.7と、市場予想の100.4を下回りました。前月比では4.5ポイントの低下です。これは2021年2月以来の低い数値です。

個人的に注目している、期待指数は66.4と、前月の73.7から低下しました。こちらも9年ぶりの低い数値となりました。同じく注目している向こう1年間の期待インフレ率は8.0%と、前月の7.5%から上昇しました。

これが意味することは、消費者は経済の先行きに不安を感じています。加えて、インフレ率は高止まりすることを予想しています。株式投資家としては、最も避けたい暗い未来を今回の結果は示唆しています。

指数を発表しているコンファレンス・ボード(CB)のリン・フランコ氏は「期待指数が80を大きく下回っていることは、経済成長が下半期に鈍化し、年末までに景気後退(リセッション)入りするリスクが増大していることを示している」と述べました。

利上げ断行。リセッションは回避?

FRB当局者は6月28日、高インフレ抑制に向け一段と急速な利上げが実施されると断言しました。しかしながら、利上げによって景気後退を引き起こすことはないだろうと、引き続き想定しているようです。

当局者のなかでもハト派として有名なサンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は「インフレが抑制されないまま放置されれば、米経済と持続的な拡大にとって大きな制約と脅威になると懸念している」とし、そのためFRBは需要抑制に向けて利上げすることで「ブレーキを踏んでいる」と述べています。

同じくハト派のニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁もインフレ抑制に向け断固たる措置を講じる必要があると考えています。

両氏は、景気後退を避けられる根拠として失業率が現在の3.6%から幾分上昇するとは想定していますが、労働市場は堅調で、経済には十分な勢いがあることを挙げています。

一方で、タカ派として有名なセントルイス地区連銀のブラード総裁は論文で、金融引き締め局面でもリセッションを誘発しなかった、1983年と94年の例にならうことを目指すべきと指摘しています。「今後数カ月で追加利上げの可能性が高いというFRBのフォワードガイダンスは、米連邦公開市場委員会がインフレ率をFRB目標の2%に回帰させるために必要な政策をより迅速に実行できるようにするための意図的な措置だ」としています。

早期から利上げを提案していたブラード氏はともかく、ハト派まで幅広く総意が形成されている状況を鑑みると、7月以降も大幅な利上げが実施されると考えておいた方がいいかと思います。

パウエル議長は29日、行き過ぎた利上げがリセッションを招く可能性よりも、高インフレの抑制に失敗するリスクへの懸念のほうが大きいとの考えを示しています。

景気後退のリスクを高める結果になったとしてもFRBは利上げを急ぐ必要があるとし、インフレ高進が定着することのほうがより大きな危険になるとの見方を示しており、私も同意見です。

まずはインフレ退治!

Next: 経済悪化が顕著になれば利下げもありえる


経済悪化が顕著になれば利下げもありえる

先のニュースに対し、利上げに限界があると感じている投資家もいるようです。それは、下記の著名投資家のツイートが発端になりました。

6月27日の米金融市場では、小売セクターで発生している過剰在庫の問題がFRBの利上げや量的引き締めの転換につながる可能性がある、との内容でした。

それを裏付けるように、先の議会証言でパウエル議長は、利上げなどを進める過程で米景気はリセッションに陥る可能性があると述べています。

28日に発表された6月の米消費者信頼感指数の急低下は、実際に景気後退を招くことに警戒感を与えるには十分な結果でした。

経済が悪化しているデータが揃えば、利下げへと急遽、転換することもありえます。過去に引き締めから緩和に転じた期間はどれくらいだったのか振り返ってみると、インターネットバブル崩壊は、約7カ月半で緊急利下げを決定しています。

また、住宅バブルが崩壊した際には、約13カ月半という期間で利下げに転じました。他にも、1994年2月から95年2月まで続いた利上げ局面では、約5カ月と短いものもあります。

これらの事例を平均すると、最後の利上げから最初の利下げまでは、およそ8カ月半と、1年未満程度で利下げに転じたというデータがあります。

今回の利上げ局面では、今年3月17日に0.25%ポイントの利上げを行った後、5月5日には0.5%ポイント幅で追加利上げが行われました。

従いまして、今後景気後退を示唆する統計やインフレの低下などが見えてくれば、FRBの利上げは早ければ年内、遅くとも23年前半には停止するかもしれません。そして、過去のデータを考慮すれば23年後半にはFRBは再び金融緩和政策に舵を切る可能性があります。

半導体不足解消への第一歩

ロイターによると、自動車からスマートフォンに至るまで、あらゆるメーカーを悩ませている根強い半導体不足が緩み始めているとのことです。その理由として、ブルウィップ効果(むち効果)を挙げています。

これは、需給バランスにおける供給過剰が、消費に近いところから遡って、製造元にいくにつれ大きくなる現象のことを言います。

例えば、メーカーは在庫切れで顧客を失望させたくないので、製造に必要な半導体を追加で発注するとします。注文を受けた半導体製造会社も同様の理由で製造のために必要な商品の追加注文を出します。

その過程で、もしメーカーが供給過剰に気づいて注文をキャンセルすれば、先のブルウィップ効果が発動し、需要減の動きが製造元に行くほど増幅し、その動きはコロナ禍のように供給不足が生じたときと同様に速いはずです。

この動きは今に始まったことではなく、半導体業界には過去何十年もサイクルのように訪れています。歴史は再び繰り返され、半導体不足は近く供給過剰に転換するかもしれませんが、高インフレに苦しむ現在の相場では、喜ばしい一面もあります。

Next: FRBが重視するインフレ指数は鈍化の傾向を示している



FRB重視のインフレ指数は鈍化

米商務省が30日公表した5月の個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.6%、前年同月比では6.3%上昇となりました。同指数は、FRBがインフレの指標として最も重視しています。
食品・エネルギーを除くコア指数は前月比0.3%、前年比4.7%上昇しました。

いずれの指数もエコノミスト予想を下回っていることから、依然としてインフレは高いものの、鈍化の兆しが見え始めたと考えることが出来ます。

先程紹介した半導体需給減でも見られたように、コロナ禍において集中していたモノへの需要は減退し、サプライチェーンの制約が緩和されつつあります。よって、これまでインフレ要因となっていた項目の一部は解消しはじめています。

例えば30日公表のPCE(個人消費支出)指数では、家具や家電を含む項目の価格が、前月比で下落しました。コロナ禍では、積み上がった貯金や在宅勤務のおかけで、これら商品への需要はかつてない程高まっていました。しかし、今後さらなる値下がりが予想されるとのことです。以前紹介したように、ターゲットやウォルマートといった小売り大手では、既に在庫が積み上がっており、在庫処分の大型セールが相次ぐと予想されます。

一方で、直近のインフレ鈍化を叶えるために食品・エネルギー価格の動向が注目されます。

食品・エネ価格は世界的に決まる面が大きく、足元ではロシアのウクライナ侵攻が波乱要因になっているからです。明るいニュースとして、原油や農産物の価格直近1カ月に下落していることです。

とはいえ、すぐにでも金利上昇が止まることを期待すべきではありません。インフレが鈍化しているといっても、極めて高い水準を維持していることは、消費者の長期インフレ期待の定着に繋がりかねません。長期インフレ期待は自己実現的に高インフレを呼び込む性質があると考えられているため、FRBはそれを避けようとするはずです。

インフレが「確実に」低下するのを確認するため、上の項目でも述べたように、23~24年までは現金融政策が続くと私は想定しています。

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まーしーによる米国株投資で億のほそ道』(2022年7月5日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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