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AIで世界制覇を狙う中国が弱点をさらした“中国語”という盲点。ChatGPTの爆発で中国はAI戦争に敗北するのか?=牧野武文

ChatGPTは毎日のように話題に上がり、AIの代名詞ともなっています。中国では中国語という言葉の壁もあり、画像を中心にAI研究を進み、言語分野のAIについてはノーマークでした。遅れを取った中国はいかに巻き返しを図るのか?現在の中国の生成AIの最新事情をレポートし、その未来を予想していきます。(『 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード 』牧野武文)

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※本記事は有料メルマガ『知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード』2023年4月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:牧野武文(まきの たけふみ)
ITジャーナリスト、フリーライター。著書に『Googleの正体』『論語なう』『任天堂ノスタルジー横井軍平とその時代』など。中国のIT事情を解説するブログ「中華IT最新事情」の発行人を務める。

中国はChatGptに負けるのか?

みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。

今回は、中国の生成AIの現状をご紹介します。

ChatGPTの話題が連日、メディアを賑わしていることは説明するまでもありません。これまで米国と中国が競い合ってきたAI開発競争は、米国が一歩リードしたかのように見えてきます。

しかも、明らかに慌てて3月16日に「文心一言」を発表した百度は、当日、デモのようなものを行わず、ロビン・リーCEOも消極的な発言をしたことから、OpenAIにかなりの水を開けられてしまったのではないかと感じた人が多かったようです。百度の株価も一時的に下落したことが大きく報道されました。

しかし、その下落はほんとうに一時的で、日足ベースで見ると、むしろ上昇基調で、ここ1年以内の最高値である160ドル近辺に達するほど上昇しました。百度が自動運転領域や顔認証、画像解析のAI開発が進んでいることは広く知られていますが、投資家は、大規模言語モデルである文心一言にも期待を持ったようです。

では、ChatGPTと比較して、中国のLLM=大規模言語モデルはどのくらいの実力なのでしょうか。厳密な比較は不可能にしても、できる限り、比較をしてみたいと思います。

中国のAI最新事情はどうなっている?

今回は、中国のAIGCの現状についてご紹介します。

AIGCとはAI Generated Contentsの略で、AIが生成するコンテンツのことです。また、このようなAIはGenerative AI(生成AI)と呼ばれます。今、大きな話題になっているChatGPT(テキストを生成)やMidJourney(画像を生成)などが代表的なものです。

日本でもChatGPTのことは毎日のようにニュースになっていますが、中国でもまったく同じで、連日AIGC関連のニュースが飛び交い、投資家たちは中国の生成AI企業を探しまくっています。ある投資家は、「今、生成AIに投資をしない投資家は投資家とは言えない」とまで言っているほどです。

今、中国のAIGCがどのような状況になっているか、みなさんも知りたいことでしょうし、私も知りたいところです。

いつも励ましのメールとともにご質問をいただいている読者の方から、次のようなご質問をいただきました。いつもいつもありがとうございます。

Chat-GPT4が話題ですが、百度でも文心一言を発表し、今後もAI関連の開発は激化しそうな様相です。一部の中国人から「文心一言」は、他AIサービスを流用してるとの批判もあるようですが(以下リンクは一例です)、米中それぞれのAIの実力および開発状況について、概況を解説していただけますでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

我找到了文心一言使用英文模型絵画的所証為据!

今回は、趣向を変えて、このご質問に答えながら、中国の生成AIの現状についてご紹介していきたいと思います。

ただ、次のことにご注意ください。ChatGPTもそうですが、中国の生成AIも目まぐるしく状況が変わっていっている最中です。そのため、なかなか体系的に俯瞰をするようなことができません。また、今回書いたことが明日には誤りになってしまう可能性もあります。

例えば、ご質問に関連することなのですが、「文心一言」に付属している画像生成機能には大きな問題があり、ここしばらくはネット民のおもちゃになっていました。「こんなアホな画像が生成された」という楽しみ方をされています。しかし、この画像生成の欠点が、実は文心一言のモデルを推測する大きな手掛かりになってるため、後ほどご紹介します。

しかし、このメルマガを書き始めてからなのですが、ある人が「画像生成機能が格段によくなった」ということを教えてくれました。実際、MidJounery並みとまではいきませんが、十分に実用に耐えるレベルになりました。大幅なアップデートがあったようです。

このように刻々と状況は変わっていきます。

また、後ほど今わかっている状況の整理はしますが、それも刻々と状況が変わっていきます。あくまでも現時点での状況という前提でお読みください。

Next: 有名人の声で応えるアリババのスマートスピーカー



有名人の声で応えるアリババのスマートスピーカー

まず、アリババのスマートスピーカー「天猫精霊」(ティエンマオジンリン)のニュースからご紹介をします。

天猫精霊は、アマゾンエコーと同じようなスマートスピーカーで、音声で家電の制御を命令したり、簡単な質問に音声で答えてくれるというものです。この天猫精霊に新しい機能が載せられることが発表されました。それは実際の人間の分身を中に入れてしまうというものです。今回協力をしたのは、スタンドアップコメディアンとして若者に人気のある「鳥鳥」(ニャオニャオ)さんで、その分身データである「鳥鳥分鳥」をインストールすると、天猫精霊の応答の声と喋り方が鳥鳥そのままになり、それだけでなく、質問に対する答え、ものの見方なども鳥鳥そのものになるというものです。

#鳥鳥有个AI嘴替 #鳥鳥分鳥有一个嘴替就好了!

▲鳥鳥分鳥を紹介した抖音のショートムービー。音声や話し方だけでなく、話す内容も鳥鳥そっくりのものになる。

この背後にあるのはアリババが2021年3月に発表した大規模言語モデル(LLM)「通義」(トンイー)です。テキストはこの通義が生成し、鳥鳥らしい文章に修正され、それを鳥鳥の音声と話し方で返すというものです。

この鳥鳥という人は、社恐(社交恐怖症)を芸風としていて、ボソボソと後ろ向きの発言をすることが受けている人です。現在のデモ映像を見る限り、まさにこの鳥鳥の話し方と内容になっています。

この鳥鳥分鳥の注目点は、この鳥鳥分鳥を制作するのに、鳥鳥さんは約1時間ほどスマートフォンを使って音声の録音をし、LLMの学習は1週間ほどの時間で完成したということです。つまり、他の人のAIモデルも容易に制作をすることができ、ネットではアイドルや人気俳優のAIモデルを販売してほしいとか、数時間の音声録音から亡くなった人の人格を天猫精霊で再現するなどが可能になると話題になっています。

また、LLMの性能にもよりますが、対話型であるため電話の受け答えなども可能であり、コールセンターや受付カウンターなどへの応用も話題になっています。

4月11日にアリクラウドサミットが開催されるため、ここで正式にLLMの発表が行われ、この鳥鳥分鳥についてもデモが行われるのではないかと期待されています。

中国の盲点だったChatGPT

中国の主要テック企業は、当然ながら以前からLLMの開発は行なっていて、百度の「文心」も、2019年には最初のバージョンが公開されています。公開といっても、私たちが自由に使える状態ではなく、あくまでも企業としての発表と論文発表です。

中国のテック企業にとってChatGPTの手法はまったく盲点になっていたのではないかと思います。それまでの中国の発想は、アリババの天猫精霊のように、応用先がしっかりとイメージできていて、それを裏から支えるLLMという考え方でした。そのため、開発は進めていますが、あくまでも裏方、プラットフォームであり、それが前面に出て商品になるとは考えていなかったと思います。

OpenAIは、ChatGPTそのものに商品価値があると考え、無料で多くの人に体験させ、最新のGPT-4を使うには有料、さらにAPIを商用利用するには契約が必要というやり方をしました。

アリババは、LLMの開発も消費者向け製品の開発もすべてできてしまうために、自然に消費者との接点は天猫精霊のような製品であり、LLMは裏方という発想でした。百度も小度(シャオドゥ)というスマートスピーカー製品があり、カーナビアプリ「百度地図」があり、検索ポータルがあります。消費者との接点はこのようなアプリやプロダクトであり、文心を前面に出す考えはなかったと思います。

そのため、ChatGPTが大きな話題になり、3月16日に、LLM「文心」にチャットインタフェースを持たせた「文心一言」を発表した時に、李彦宏(リ・イエンホン、ロビン・リー)CEOが「本来はこういう形で発表するつもりはなかった」と消極的な発言をし、株価を下げたのはこのような背景があるからです。OpenAIは、LLMの開発のみで応用面に関しては他の企業と提携するしかありません。そのため、プロダクトを広く知ってもらう必要があるため、無償での公開を行いました。これがうまく功を奏したことになります。

Next: 中国版ChatGPT“文心一言”のできばえは?



中国版ChatGPT“文心一言”のできばえは?

では、文心一言のできばえ、成熟度はどの程度なのでしょうか。多くの人が気になるようで、中国でも専門家、評論家が文心一言とChatGPTの比較をたくさん行なっています。その中から出てきたのが、冒頭のご質問者が指摘する問題です。

今回は、このご質問にお答えをし、文心一言がどのようなLLMであるのかをご紹介し、そして中国企業の生成AIの現状をまとめます。

まず、ご質問者がつけてくださったリンクの先のビリビリ動画について解説をしておきます。

この動画は、文心一言の画像作成機能を使ったら、おかしなことが起きたというものです。「起重機の絵を描いて」と命令したら、鶴の画像が出てきた。「バス接続のマウスの絵を描いて」と命令したら、自動車のバスとネズミの絵が出てきたというものです。

これは、起重機→クレーン→crane(クレーン、鶴)という変換、バス接続マウス→バスとネズミ→bus and mouseという変換が行われたのではないか。つまり、画像生成AIは英語ベースになっており、米国が開発したものを使っているのではないかというものです。

ひょっとして動画の投稿者の方は、百度がズルをしたとおっしゃりたいのかもしれませんが、これは別に不自然なことではありません。

1)画像生成部分は、文心一言から見るとおまけ機能にすぎない

画像生成機能は、LLMである文心の本質(自然言語理解)ではなく、おまけ機能としてつけられているにすぎません。おそらく、GPT-4ベースのChatGPTでは画像生成機能、画像解析機能がつくという情報があったために、百度としては対抗をして画像生成機能をつけたのだと思われます。

2)画像生成AIは、オープンソース化されているものが無数にある

画像生成AIにはオープンソース化されているものがたくさんあります。実際、有名なStabel Diffisionもオープンソースになっていますし、MidJourneyも同等の性能をオープンソースで実現するOpenJourneyプロジェクトがあります。このようなオープンソースを使ったサービスやアプリもすでにたくさんあります。例えば、DiffusionBee( https://diffusionbee.com/)は、手軽に無料でStabel Diffsionを試せるアプリになっています。

ある意味、おまけ機能である画像生成部分に、このようなオープンソースを使うことは何も悪いことではありません。実際、アップルのOSはオープンソースであるUNIX系のDarwinがベースになっています。Androidはそもそもがオープンソースです。このようなオープンソースを使って、プロダクトを開発し、それを販売することは何も問題がなく、すでに多くのテック企業で当たり前のように行われています。ChatGPTですら、ベースになっているのはグーグルが開発したAIモデルTransformerであるのに、グーグル検索のライバルであるマイクロソフトと手を組んでいるほどです。

Next: 中国版ChatGPTは中国語が理解できない?



3)百度独自開発であっても英語ベースになる

ただし、オープンソースを使った場合、そのことを公表するのが当たり前で、ましてや「ウチがつくりました」と言ってしまったら、大問題になります。百度は、画像生成AI部分にオープンソースを使ったとは発表していないので、独自開発なのだと思います。しかし、それでも英語ベースになるのは不思議なことではありません。

AIモデルを開発するには、学習素材=大量の教師データが必要になります。例えば画像であれば、大量の画像だけでなく、その画像に何が描かれているかタグがつけられていると、学習しやすくなります。このようなタグづけまで含めた画像データを自前で用意するというのは膨大な手作業が必要になり、開発上の大きなハードルとなります。しかし、英語圏では、このような教師データのセットが豊富に存在しています。このような教師データを利用しない手はありません。

また、どの教師データセットから学習していくかという順序も、学習効果に大きな影響を与えます。この辺りは理論化されてなく、研究者間の経験、ノウハウのようなものになっています。英語圏のデータであれば、このようなノウハウも利用しやすくなります。

そのため、英語ベースでAIモデルを構築し、そこに中国の場合であれば中国語と英語の翻訳AIをかませるというのは不思議ではないというよりも、ごく自然な発想です。

中国版ChatGPTは中国語が理解できない?

一方で、自然言語を扱うLLMの場合は、英語ベースというわけにはいかず、中国語を学習しなければなりません。本質のLLM部分は中国語の教師データを自力で収集して中国語ベースで開発し、画像生成部分は既存の英語教師データを利用させてもらって英語ベースで開発するというのは、少しもおかしなことではありません。日本で同様のAIモデルを開発する場合でも、わざわざ画像生成AIを日本語ベースで開発しようという選択は特殊な事情がない限りしないと思います。

この画像生成に関連して、中国のネットでは「文心一言は中国語の理解が苦手」ということが言われていますが、これも勘違いされている部分があります。例えば、中国語に「胸有成竹」という成語があります。胸の中に成熟した竹を持つという言葉で、しっかりした考えを持っている、大きな計画を持っているなどを意味する比喩表現です。文心一言の画像生成は、このような比喩表現が苦手です。「胸有成竹な人の絵を描いて」と命令すると、胸から竹が生えた男性の画像が出力されてきます。。

これはおそらく、「胸有成竹的男人」→「a man who has bamboo in his breast」と翻訳して、そのまま画像生成AIに渡しているのだと思われます。

本来は、LLM部分が、入力された言葉に対して、関連度の高い「大志、未来、起業家」などの言葉を補って、それから画像生成AIにわたすべきなのです。それをせずに、ただ渡していることで起きる現象です。

また、人間側が当たり前の前提にしている言葉もLLMが補う必要があります。例えば、「古い建築物、雪の情景」と中国語で入力したら、古いお寺に雪が降った風景の画像が生成されると思いますが、これをそのまま英語に直して「old architecture in snow」としたら、雪のギリシャ神殿の画像が生成されかもしれません。利用者が指定をしなくても前提になっているような「中国伝統文化」のようなキーワードを補う必要があります。

しかし、知人が教えてくれた最新状況によると、このようなおかしな画像が生成されることは減ってきているということなので、LLMが解釈をしてから画像生成をするようなアップデートが行われたのではないかと想像しています。

勘違いしてはならないのは、文心一言のLLMの中国語解釈能力が低いのではないということです。あくまでも画像生成AIへの渡し方が雑なのです。おそらく、急いで発表をするために、いろいろと間に合わなかった部分がたくさんあるのだと思います。

Next: ChatGPTでも“文心一言”でも起きる事実誤認



ChatGPTでも“文心一言”でも起きる事実誤認

また、文心一言は、事実を正しく認識できていないという指摘もあります。例えば次のような問答です。

問:父親と母親は結婚できますか?

答:できません。なぜなら父親と母親は親族関係にあり、親族間での婚姻は禁止されているからです。このような行為は近親婚と呼ばれ、法律で禁止されているだけでなく、道徳や倫理上でも受け入れることができないものです。

問:父親と母親は子どもをつくることはできますか?

答:できません。なぜなら父親と母親は親族関係にあり、遺伝的な欠陥を引き起こし、遺伝病のリスクを増加させるからです。このような行為は近親出産と呼ばれ、法律で禁止されているだけでなく、道徳や倫理上でも受け入れることができないものです。

しかし、このような事実を正確に把握できていないのは、ChatGPTでも同じです。以下は、ChatGPTに同じ質問をしたものです。

問:父親と母親は結婚できますか?

答:一般的に、父親と母親は結婚できません。なぜなら、父親と母親は既に親子の関係にあるため、法的には近親相姦と見なされ、違法で犯罪行為となります。また、遺伝的なリスクが高まり、身体的・精神的な問題を引き起こす可能性もあります。したがって、法的・倫理的な観点から見て、父親と母親の結婚は許容されることではありません。

問:父親と母親は子どもをつくることはできますか?

答:はい、理論的には、父親と母親は生物学的に子どもをつくることができます。ただし、先にも述べたように、法的・倫理的には近親相姦と見なされ、違法で犯罪行為となるため、社会的に許容されることではありません。

また、近親相姦によって生まれた子どもは、遺伝的な問題を引き起こす可能性が高くなります。例えば、遺伝子異常や先天的疾患などのリスクがあります。したがって、医学的・遺伝学的な観点からも、近親相姦による子どもの誕生は避けるべきであり、健康な子どもを育てるためにも遺伝カウンセリングなどの支援が必要とされています。

どうも、ChatGPTは、「父親と母親」という言葉を、「質問者の父親または質問者の母親」と解釈をして、質問者と父親が結婚する、質問者と母親が結婚すると解釈しているようです。LLMはこのような事実関係の把握が苦手なようです。そのころを理解して、人間側もLLMが理解しやすい形の質問をする必要があります。
次のように質問を変えると正しい答えを出力してくれました。

問:離婚をしていた私の父親と私の母親は結婚することはできますか?

答:一般的に、法的な制約がなければ、離婚した元配偶者が再婚することは可能です。ただし、法律は地域によって異なるため、具体的な情報については、あなたが住んでいる地域の法律を確認する必要があります。

また、あなたの両親の関係や離婚の理由、再婚についての彼らの意向など、複雑な問題がある場合があります。それぞれの事情をよく考え、家族や専門家のサポートを受けることをお勧めします。

さらに、ほとんどお遊びですが、ChatGPTにこんな質問をしてみました。

問:川崎密室放屁事件とはなんですか?

答:川崎密室放屁事件とは、2019年11月に日本の川崎市内のワンルームマンションで発生した、男性が密室で放屁をしたことが原因で、女性が窒息死した事件のことを指します。

当時、男性は女性と同居しており、女性が男性の放屁の臭いに耐えかねて口を押さえられ、窒息してしまいました。事件後、男性は業務上過失致死罪で逮捕され、2021年に横浜地方裁判所で有罪判決が言い渡されました。

この事件は、密室での空気の循環が悪くなることで発生した事故であり、社会的な議論を呼び起こしました。また、放屁によって窒息死が起こるという極めて稀なケースであるため、一部で驚きとともに注目された事件となりました。

もちろん、こんな事件など実際には存在しません。しかも、罪名が業務上過失致死というのは明らかに変です。なんの業務をしていたのでしょうか?このことから、「ChatGPTは平気で堂々と嘘をつく」とも言われ、中には「実用性に乏しい」「ChatGPTの出力をうかつに信じると大きな間違いをすることになる」と言う人もいて、実際に最近の日本のビジネス系番組では、複数の経済評論家の方々が、

Next: 生成AIで最終的に勝つのは中国か?



Google検索からChatGPTへ移行するのは時間の問題

「ChatGPTでシンギュラリティなど起こらない。なぜなら、AIは言葉の意味を理解できないから、人間を超えることはできない」「ChatGPTのブームももうすぐ沈静化します」

とおっしゃっています。一応、番組名や評論家名は伏せますが、大きな勘違いをされていると思います(多分、評論家というのは他の人と違った意見を言わないと仕事にならないということが大きいのだと思います)。

LLMの基本的な仕組みは、GPTでも文心でもその他のものでもほぼ同じです。ある単語が与えられたら、次にくる単語を予測すると言う仕組みです。例えば、「明日の天気は」ときたら、次にくる単語は「晴れ」「曇り」「雨」の確率が高く、「美味しい」「楽しい」と言う単語がくる確率はきわめて低いはずです。

このようなシンプルな仕組みであるため、でたらめなことを聞いても、もっともらしい回答をしてしまいます、学習に使った教師データが誤っていれば誤った情報を出力してしまいます。

しかし、今ではChatGPTだけでなく、多くのLLMが強化学習を取り入れるのがトレンドになっています。ChatGPTと会話をしていて、「それ間違っているよ」と利用者から教えられると、ChatGPTは素直に「大変申し訳ありませんでした。間違った情報をお伝えしてしまいました」と謝罪をしてきて、パラメーターを修正していきます。どんどん正しいと思われる回答に近寄っていく仕組みになっています。

ですので、時間はかかるかもしれませんし、再びこの課題に対してイノベーションが起きて、一気に修正されるかもしれませんが、少なくとも今より正確さはあがっていく一方です。

しかも、私たちが知りたいことは、川崎密室放屁事件などという架空のことではなく、「連休中でも混雑しないリゾート」であったり「安くて美味しいイタリア料理屋」など現実のことがほとんどです。もっともらしいことさえ回答してくれれば、それを踏み台にして自分で調べていくことができます。

すでに私自身、何かを調べるとき、以前は「ググって片っ端から読んでいく」という野蛮なやり方をしていましたが、現在ではChatGPTに聞いて、そこから深掘りをしていくというやり方に変わってしまいました。特に、自分がまったく知識を持っていない分野のことを調べる時にChatGPTを使うと、全体の骨格が先に見えている分、効率よく調べることができるのです。

【中略】

生成AIで最終的に勝つのは中国か?

いくつの生成AIを開発したかのランキングをを見ると、やっぱり圧倒的なのはGoogleです。OpenAIとマイクロソフトがタッグを組んだOffice365のCopilotなどは非常にうまく、しかもホワイトカラーの働き方を大きく変えそうなプロダクトですが、このようなサービスを次々と開発できる力を持っているのはやはりGoogleということになりそうです。

中国の状況は面白く、北京知源人工知能研究院(BAAI)と清華大学という研究機関系がリードをしているというのが特徴です。BAAIは主要大学、主要テック企業が共同で設立した戦略的研究開発機関です。その下に、百度とアリババというテック企業がいるという状況になっています。サービスに結びつける力を持っているのは、研究機関ではなく、このようなテック企業であるため、中国の場合は、研究機関とテック企業がどれだけ協働できるかどうかが鍵になります。

中国では、すでに各分野での生成AIは無数に開発されています。

Leonis Capitalがまとめた中国生成AIの産業地図によると、中国はLLMでは米国に遅れをとったが、各生成AIのビジネス化、サービス化では進んでいる。このような生成AIがLLMを中心に統合をすることで中国は米国に対抗することができます。

このような各AIモデルを統合し、人間とのインタフェースになるのがLLMの役目になります。このような生成AI同士の協働は、米国よりも中国の方が早く進む可能性もあります。ただし、中国語ベースになるため、中国の中だけで普及をし、海外に影響を与えることはほとんどないと思われます。ここでも米中のデカップリングが進むことになり──

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2022年5月配信分
  • vol.126:SoCとは何か。中国と台湾の半導体産業。メディアテックとTSMCを追いかける中国(5/30)
  • vol.125:5分でバッテリー交換。急速充電の次の方式として注目をされ始めたバッテリー交換方式EV(付録)(5/23)
  • vol.125:5分でバッテリー交換。急速充電の次の方式として注目をされ始めたバッテリー交換方式EV(5/23)
  • vol.124:追い詰められるアリババ。ピンドードー、小紅書、抖音、快手がつくるアリババ包囲網(5/16)
  • vol.123:利用者層を一般化して拡大を目指すビリビリと小紅書。個性を捨ててでも収益化を図る理由(5/9)
  • vol.122:ハーモニーOSで巻き返しを図るファーウェイ。ファーウェイのスマホは復活できるのか(5/2)

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2022年4月配信分
  • vol.121:ライブコマース時代の商品品質とは。配送・サポートはもはや重要な品質の要素(4/25)
  • vol.120:ディープフェイク技術の産業応用が始まっている。GANの活用で成長したバイトダンス(4/18)
  • vol.119:付録部分(4/11)
  • vol.119:主要テック企業はリストラの冬。安定成長へのシフトと香港上場問題(4/11)
  • vol.118:北京冬季五輪で使われたテクノロジー。デジタル人民元から駐車違反まで(4/4)

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2022年3月配信分
  • vol.117:アリババに起きた変化。プラットフォーマーから自営へ。大きな変化の始まりとなるのか(3/28)
  • vol.106:盲盒のヒットで生まれた大人玩具市場。香港上場を果たしたポップマートと追いかける52TOYS(3/21)
  • vol.115:ネット広告大手の広告収入が軒並み失速。ネット広告不要論まで。広がるDIY広告(号外)(3/14)
  • vol.115:ネット広告大手の広告収入が軒並み失速。ネット広告不要論まで。広がるDIY広告(3/14)
  • vol.114:スターバックス中心のカフェ業界に激震。テーマは下沈市場。郵便局や蜜雪氷城も参戦(3/7)

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2022年2月配信分
  • vol.113:中国ビジネスに不可欠のWeChat。なぜWeChatは消費者ビジネスに使われるのか(2/28)
  • vol.112:アリババ新小売へのスーパーの逆襲が始まった。YHDOSと大潤発2.0(2/21)
  • vol.111:夜間経済とほろ酔い文化。「酒+X」店舗体験で変貌するバー業界(2/14)
  • vol.110:二軸マトリクスで整理をするECの進化。小売業のポジション取りの考え方(2/7)

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2022年1月配信分
  • vol.109:中国メディアによる2022年10大予測。暗い1年に次の飛躍の種を見つけることができるか(1/31)
  • vol.108:主要バーチャルキャラクター大集合。実用用途に使われ始めたバーチャルキャラクター(1/24)
  • vol.107:(付録)トラブル事例から見た中国ECの消費者保護。クーリングオフと覇王条款(1/17)
  • vol.107:トラブル事例から見た中国ECの消費者保護。クーリングオフと覇王条款(1/17)
  • vol.106:電動自転車がいちばん便利な乗り物。コンパクト化が進む中国の都市(1/10)
  • vol.105:店舗の未来は「体験」をつくること。これからの主力商品は「店舗体験」(1/3)

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2021年12月配信分
  • vol.104:2021年中国テック業界10大ニュース。1位はやはりテック企業への規制強化(12/27)
  • vol.103:商品はショートムービーで紹介するのが主流。タオバオを起点にショートムービーで展開する興味ECの仕組み(12/20)
  • vol.102:TikTokに使われるAIテクノロジー。最先端テックを惜しげもなく注ぎ込むバイトダンスの戦略(12/13)
  • vol.101:交通渋滞を交通信号を制御することで解消。都市の頭脳となる城市大脳が進めるスマートシティー構想(12/6)

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2021年11月配信分
  • vol.100:コロナ後に急増したネット詐欺。ねらわれる若い世代。被害者の6割以上が20代(11/29)
  • vol.099:アフターコロナ後の消費者心理はどう変化したか。「健康」「環境」「デジタル」「新消費スタイル」の4つ(11/22)
  • vol.098:なぜ中国政府はテック企業の締め付けを強化するのか。公正な競争とVIEスキーム(11/15)
  • vol.097:始まった中国の本格EVシフト。キーワードは「小型」「地方」「女性」(11/8)
  • vol.096:国潮と新国貨と国風元素。中国の若い世代はなぜ国産品を好むようになったのか?(11/1)

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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード 』(2023年4月10日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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