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個人事業主を殺す「インボイス制度」なぜ導入?税理士・神田知宜氏に聞く“増税”との戦い方=鈴木傾城

今年10月に迫る「インボイス制度」導入によって、個人事業主やフリーランスなどの免税事業者が大きな打撃を受けることが懸念されている。そのため、この制度に反対する人たちの声が日増しに大きくなってきている。この中で積極的に「インボイス制度・ボイコット大作戦」を広めている税理士がいる。それが神田知宜先生である。インボイス制度は何なのか。問題点はどこにあるのか。そして私たちはどう対抗したらいいのか。それを神田知宜先生に聞いてみた。(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。

個人事業主・フリーランスに大打撃「インボイス制度」

今年・2023年10月にインボイス制度の導入が迫っており、これによって個人事業主やフリーランスなどの免税事業者が大きな打撃を受けることが懸念されている。

インボイスというのは、「適格請求書」のことを指すのだが、今後企業はこのインボイス(適格請求書)がないと消費税の仕入税額控除ができなくなる。そのため、課税事業者は個人事業主やフリーランスなどに、インボイスの発行ができるように「インボイス発行事業者」になることを求めるようになる。

ここからが問題だ。インボイス発行事業者になるためには「免税業者」から「課税事業者」になる必要があるのだ。これによって規模が小さな事業でギリギリで生計を立てている個人事業主やフリーランスは一気に税負担が増える。赤字だろうが何だろうが税金の支払いが発生する。

これを避けてインボイス発行事業者にならないのであれば、発注元が取引を切るか、もしくは値引きを迫ってくる可能性がある。いずれにしても、インボイス制度が始まった瞬間にギリギリでやっている個人事業主やフリーランスが廃業を迫られることになってしまうのである。

俳優・声優・ライター・編集者・アーティスト・漫画家・イラストレーター・トレーナーなど日本の社会を多彩に彩っている分野から、個人タクシー・一人親方・配送業者・飲食店事業者などの社会になくてはならない分野まで、日本の文化・社会を支えている人たちがみんなまとめて苦境に落ちていく。

そのため、この制度に反対する人たちの声が日増しに大きくなってきている。この中で積極的に「ギリギリ登録」と「取り下げ」で構成された「インボイス制度・ボイコット大作戦」を広めている税理士がいる。それが神田知宜先生である。

インボイス制度は何なのか。問題点はどこにあるのか。そして私たちはどう対抗したらいいのか。それを神田知宜先生に聞いてみた。

それは免税事業者からも税金を吸い上げるための制度?

鈴木傾城(以下、鈴木):神田先生、今日はどうぞよろしくお願いいたします。まず最初に、先生はインボイス制度というのをどのように見ておりますか?

神田知宜(以下、神田):はい。ひとことで言うと、これは『10月1日からの消費税の増税』です。税率が上がらない増税です。税率は8%や10%のままなのですが、それでも増税になるという話なんです。

神田知宜(かんだ とものり):株式会社神田どんぶり勘定事務所 代表取締役・税理士。各地商工会議所などでセミナーを開催中。どんぶり勘定推奨コンサルタントとして、個別コンサルティング、企業内研修講師、執筆活動、YouTubeチャンネルを展開中。著書に『世界一シンプルでわかりやすい決算書と会社数字の読み方』(日本実業出版社)『お金が残るどんぶり勘定のススメ~会社のお金は通帳だけでやりくりしなさい』(あさ出版)など

鈴木:今まで免税だった分に支払いがかかるようになるので確かにそうですね。

神田:財務省の試算では、どのぐらいの税収アップになるかというと2,480億円と言われています。事業者のピラミッドがあるとするじゃないですか。所得の多い事業者がピラミッドの上で、所得の少ない事業者がピラミッドの下とします。インボイス制度というのは、要するにその2,480億円を一番下のところから吸い上げようとする増税なんです。

鈴木:1,000万円以下の売上の事業者は免税業者って言われていますね。そういう人たちは今まで税金は免除されていました。インボイス制度では、これからもう免除しないと。

神田:そう。免税事業者は課税事業者になって消費税を払いなさいよ、という制度ですよね。

鈴木:しかし、何でこんな景気が悪い中でやろうとしたんですかね。

神田:本当のところはわからないけれども、消費税導入の時点からインボイス制度も導入したかったようなのですが、反対にあって今まで導入してきませんでした。しかし、2019年に消費税が10%に上がった時に、税率が2種類になりました。標準税率が10%で、軽減税率が8%です。その時に、財務省側で「これはインボイス制度を導入するチャンスだ」と思ったんじゃないかな。そんなふうに言われています。

ひとつの税率だったら消費税の計算は簡単なのですが、2種類になったら計算が難しい。複雑になります。今までの帳簿方式ではミスが増えるし、うまく運用できないということが出てくると財務省は言っているようです。領収書や請求書のことを「インボイス」と言うのですが、インボイス方式はそこに書いてある数字を足して計算するので正確に計算できると。だから複数税率が引き金になって、今このタイミングで導入することになったようです。

よりによって、なぜ今?

鈴木:なるほど。ただタイミングが問題ですよね。日本経済もかなり落ち込んでるじゃないですか。ましてコロナ禍からまだ回復してない状況です。物価も上がっていますよね。

神田:そうなんです。私がとくに心配しているのがゼロゼロ融資の返済ですね。コロナ融資、最近はゼロゼロ融資と言っていますが、これはコロナの時に資金繰りが大変だということで、実質無利子・無担保の借り入れができました。

これには据え置き期間があったのですが、その据置期間が終わり返済が始まるピークが2023年の7月から来年の4月にかけてくるのです。7月から返済のピークが始まるのに、その3ヶ月後の10月からインボイス制度を導入しようとしてるわけです。

鈴木:日本経済を破壊しかねないタイミングですよね。

神田:そう思わざるを得ないですよね。とんでもないタイミングだと思うんですけどね。ちょっと考えられない。

Next: 110円のものを買ったら10円は消費税……じゃない?導入した政府の計略



110円のものを買ったら10円は消費税……じゃない?

鈴木:ところで、この免税事業者におけるインボイス制度の世間の捉え方の話になるのですが、「消費者は110円のものを買って10%の10円を消費税として払ったけれど、免税業者は預かっている消費税を自分のポケットに入れている。つまり消費者から預かった預かり金を納めてない」……。世間はそのように税金のことを考えていますよね。

神田:そうですね。「税金で得してるから益税」と言われています。「だからインボイス制度は益税問題が解消されるからいいじゃないか」と言うのがインボイス制度推進派の意見ですよね。

こないだ私の知り合いの社長が、ある会計ソフト会社主催のインボイスセミナーに参加したら、やっぱりそのことを強調していたらしいんですよ。「益税解消になるからこのインボイス制度が必要なのです」と。そして、「登録しないと取引先に迷惑がかかるから早く登録しなさいよ」と。この2点を強調していたらしいんですよ。

このことを説明するのは難しいのですが、「消費税の世界」があるとするじゃないですか。その中では登場人物は2種類です。「課税事業者」と「免税事業者」です。それ以外の登場人物はいません。つまり「消費者」は「消費税の世界」にいないということです。消費税法という法律にも「消費者」という言葉はひとことも出てきません。

鈴木:「消費税の世界」には消費者はいない?

神田:消費者が110円の商品を買ったら、「100円のものを買って10%分の10円を自分たちが払ってる」って思ってるけど、それは幻想なんです。消費者が払っているのは消費税ではなくて、ただの値段なんですよ。付けられた値段を払ってるだけの話です。

鈴木:「110円のコップを売った場合、そこに10円の消費税が入っているのではなく、さまざまな経費も利益も含まれて最終的に110円になっているわけで、値段の10%がバシッと消費税なわけではない」ということがよく説明されますね。でも、レシートとか請求書には値段が100円で10%が消費税で価格が110円と書いてあります。

神田:その10円の意味は、「値段110円の110分の10の金額が10円ですよ」と言う意味なんです。そういうふうにレシートに記載すれば意味が通ります。それなのに「消費税額10円」と書いてあるから、みんな「自分が消費税を払ってる」と思い込んでしまうんですよ。でもそうじゃない。

消費税は消費者に課税されているわけではなく、事業者に課税される税金なのです。消費税法という法律の条文をみても、消費者が消費税を払う、とはどこにも書いてありません。裁判でも10円は消費税額ではなく単なる値段の一部であるという判決が出ています。にもかかわらず、10円を消費税のように書けというルールになっているんですよ。

「消費者が払った」ということにした方が導入しやすかった

鈴木:あのレシートに書いている「10%が消費税」というのは、法律で「そういうふうに書け」と消費税法で命じているんですか?

神田:消費税法第63条には『消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない』、つまり「総額表示を税込で書け」というように規定されていて、「細かくこういう書き方にしろ」と言うのは、通達じゃなかったかな。国税庁が現場の税務署とかに「こうしなさい」という通達を出していて、そこで細かな記述の仕方とかはあったような気がしますね。

鈴木:そんな通達をするから、消費者はみんな自分が10%の消費税を払っているんだと思うわけですよね。でも、そうじゃない。だけど、そうじゃないというのを理解できないで誤解している人がいっぱいいるわけです。自分が10%払っているんだ、と。

神田:はい。消費税を導入するときに、やっぱり「消費者が払った」ということにした方が導入しやすかったからということのようです。だから、消費税は嘘から始まってるわけですよ。この嘘をつき通し続けるために、ずっとそうやってやってるんじゃないですかね。表示の仕方も、レシートも。

鈴木:今は国民もすっかり洗脳されて「消費税は消費者である自分が払っている。それを免税業者は預かり自分のポケットに入れている。免税業者は悪い奴だ」という印象になっていますね。

神田:洗脳されてるんですよね。だから洗脳されてる人に、正しいことを言ってもなかなか伝わりにくい。消費税に限らず。でも、中には正しい説明をすると、すぐに理解してくれる人もいるんですよね。かなり少数ですが。でも、少数だったんだけれども、理解してくれている人がけっこう増えてきているような気はします。

鈴木:それは「STOP!インボイス」などの運動の成果もありますか?

神田:そうですね。あと『三橋TV』とかも影響は大きかったかもしれません。このチャンネル登録者は40万人以上いるんですが、これ見て目が覚めたっていう人も多いです。

鈴木:安藤ひろし先生のチャンネルでもインボイス制度の正しい説明をされていますね。ところが、「インボイス制度は益税解消になるからいい」という説明をしているYouTuberもいます。

神田:某人気ユーチューバーがインボイス制度の解説動画を2本公開していたのですが、その動画は「益税を解消するためにインボイス制度があるのです」という内容だったので、その内容は明らかに間違いでした。

そこでコメント欄を見てみたら、「消費税は預かり金ではありませんよ。益税はありませんよ。間違っていますよ」というコメントがたくさんあったので「正しく理解している人がずいぶん増えてきている」と感じました。そしてなんと先日その2本の動画が非公開になりました。間違いに気付いたのかもしれませんね。いいことだと思います。正しい理解が広がっていくこの勢いはどんどん増していくと思います。

だから、預かり金だと思い込んでいる人も、いろんなきっかけで気付いていくのだと思います。

Next: 滞納者が激増?免税事業者だけではなく課税事業者もデメリットだらけ



免税事業者だけではなく課税事業者もデメリットだらけ

鈴木:インボイスは10月1日からの予定ですよね。あと半年ぐらいです。この期間に理解してくれる人が増えたら、インボイスの登録を見合わせる人も増えて、この制度が延期ないしは廃止される可能性もありますか?

神田:個人的な感覚でしかないんですけど……私は感覚の人間なんで(笑)、普通に考えたら、この制度は導入されないと思うんですよ。この調子でいったら延期になってもおかしくないんじゃないかな、とは思っています。

やっぱり登録してしまった事業者が何も分からずに登録してるというのがあるので、きちんとそのメリットとデメリットの内容を伝えていかないといけないと思うんですよ。ところが誰も伝えない。税務署も全然そういうところは周知しないし、テレビや新聞でも何も言わない。

鈴木:実質的に税金の負担が増えるので詳しく言えないですね。

神田:免税事業者だけではなく課税事業者もインボイス登録してもメリットはなくて、デメリットだらけになる。やっぱりそのデメリットをしっかり伝えた上で、登録する登録しないの判断を社長が下す必要があります。そこはきちんと情報提供しないといけませんよね。

鈴木:税務署から「やってください」と圧力がかかって、会計ソフトの会社にも「やりましょう」と話をされたら、日本人は同調圧力を感じてやってしまいます。

神田:やっちゃいますよね。事業者が本当に分かってやっていればまだいいけど、ほとんどの人が分からずにしてるから問題なんですよ。免税事業者は、登録したら申告義務も発生するし、納税義務も発生するし、インボイス(請求書や領収書)と帳簿の保存義務も発生するし、すごく大変になるんですよね。それを自分でできるかって言ったら、たぶんそういう事業者は自分で計算とか申告書作成とかもできないだろうし、それで税理士に頼もうかと言ったところで、頼めるほど金銭的な余裕もないだろうし……。行き詰まると思います。

鈴木:最悪ですね。

神田:仮にそれが何年か溜まっていったとするじゃないですか。それで税務署が来たら、もう払えないぐらいの金額まで税金が溜まっているかもしれない。そういうことが、やっぱり起きてくると思います。昨日も税理士の集会が国会であったのですが、このようなことを心配している税理士がいました。

鈴木:積もり積もって税務調査が来た時に「全部払え」って言われても払えません。そうすると、どうなるんですか?

神田:今度は滞納問題が発生するわけです。消費税はただでさえ滞納が多いんです。すべての税金のうち、滞納額の半分ぐらいが消費税なんですよ。

鈴木:そうなんですか!

神田:それだけ消費税は問題のある税制であるということです。消費税は赤字でも払わないといけないのです。売上より経費が多ければ赤字ですよね。それでも消費税は払えとなります。でも、赤字だから払いたくてもお金がないから払えない。払いたくない云々の前に、払えないんですよ。

鈴木:それはマズいですね。

インボイスが始まると大企業も自分たちの首が絞まる?

神田:消費税は制度設計上、無理があるんです。そのため、税金の仕組みからして間違っていると言われています。

鈴木:間違っているにもかかわらず、今度はインボイス制度で免税業者から根こそぎ持っていくわけですよね。

神田:そうですね。だから所得の低い層が軒並み廃業していくようなイメージしかないんですけどね。そうすると、結局その現場で仕事してる人がいなくなっちゃうわけですよ。仕事を発注する側も仕入れ先がなくなるから、事業がぎゅうって縮小してしまいます。

鈴木:要するにインボイスが始まると大企業も自分たちの首が絞まるんですよね。

神田:はい。現場がストップしたりする可能性が出てきますよね。昨日、配送業者が「インボイスが導入されたら物流も止まりますよ」言っていました。特に、Amazonの配達やウーバーイーツのような仕事をしている人もそうですね。インボイスに対応できないから。

鈴木:物流が止まってしまう……。

神田:物流は止まるし、大工さんも対応できなくなって家も建たなくなります。農家の廃業も増えるだろうからスーパーや直売所に野菜がなくなる、あるいはあったとしてもとても高価になっている可能性はあります。

鈴木:いま俳優さんとか声優さんがものすごく反対してますけど、あれもそういう層ですね、

神田:はい。アンケートを取ったら、4分の1くらいが「廃業する」というアンケート結果が出ています。そのアンケートは声優・アニメーター・演劇家・漫画家の4団体で取ったらしいのですが、4団体どこも同じような数字になったらしいんですね。だから、芸能・文化が廃れるのは明らかです。

鈴木:日本の大切な分野なのに潰されてしまうわけですか……。

神田:あと、作品のクオリティも絶対下がると言ってました。それこそ廃業する人が増えたら山の裾野がなくなるので、山が小さくなる。クリエイターの人たちは、すごく心配していました。直撃ですよね、文化芸能は……。

Next: 得するのは財務省とシステム会社だけ…私たちにできる対抗策は?



免税事業者にも税金の網をかぶせてから増税する方向に

鈴木:インボイスなんか進めるメリットなんかないですね。

神田:メリットはないですよ。我々はデメリットしかありません。メリットを受けるのは、財務省とシステム会社だけです。増税するとシステムも修正するじゃないですか。彼らにとってはビジネスチャンスですよ。でも、免税事業者は税金コストだけじゃなくて、そのシステムのコストも払わなければならない。誰かの黒字は誰かの赤字なので、システム会社が黒字になればその分、免税事業者は赤字になるんです。

鈴木:税理士はどうなんですか?

神田:税理士も赤字ですね。システムの使用料とかは絶対に上がるだろうし、手間も増えるし、でもそれに見合う分の値上げができるかって言ったら難しいと思います。

鈴木:ただ手間が増えるだけということですか。手間がかかる上に「税率が上がらない増税」になるんだからたまったものじゃないですね。

神田:はい。それにインボイス制度って、後の増税の下準備の制度だとも言われています。税理士の集会で、国会議員が挨拶で何人かいらしたのですが、そのようなことを言ってました。インボイスで裾野から全部税金を取れるようになったら、そこからの次の増税をしていくということです。

鈴木:なるほど。免税事業者にも税金の網をかぶせてから増税すると……。

神田:そうです。免税事業者がいない方が税率アップしやすいんですよ。事業者のすべてを課税事業者にして、そこから15%、20%、30%にしていく。そのための準備がインボイス制度ではないかと言われてます。

鈴木:日本は消費税が導入されてから本当全然成長してないですよね。10%の今でも瀕死の状態だけども、それが15%とか20%とか30%とかなったら、もう終わりですよ。

神田:終わりますよね。インボイス制度が導入されたら、早くそこまでいくと思います。加速して15%とか20%とか30%とかになっていく。逆にインボイス制度が導入されなかったら、消費税廃止の道筋が見えてくる。だからインボイス制度は消費税の増税か廃止かの別れ道の扉ですね。

鈴木:これ以上、税金が上がったらたまったものじゃないです。

神田:仮に消費税が上がっていくことになったら、やばいですよ。10%で値上げしきれてなくて「資金繰りきついわ」と言っている課税事業者は、15%、20%になったら軒並み倒産しますね。そこを私はとても心配しています。にもかかわらず、多くの課税事業者がそこをわからずに登録してしまっているので、早く目を覚ましてもらい、登録の「取り下げ」をしてほしいなと思っています。

「ギリギリ登録」と「取り下げ」の2つをしていく

鈴木:改めて聞きたいのですが、インボイス制度を申請してしまった人はどうすればいいのでしょう。「取り下げしてほしい」ということですが、そもそも「取り下げ」ってできるんですか?

神田:簡単に取り下げできます。

鈴木:簡単に?

神田:はい。インボイス制度は登録番号制になのですが登録は任意です。義務ではありません。登録してもいいし、しなくてもいい。それで私は「インボイス制度ボイコット大作戦」ということで、あちこちで話をしています。結局、登録者が少なければ、導入されることはありません。制度自体が成り立たちませんから。

登録申請期限は9月30日です。みんなが登録申請期限ギリギリまで登録しなかったり、登録してしまったのだけれども後悔してる人とか、迷ってる人は、いったん「取り下げ」をするといいです。課税事業者も免税事業者もみんなが「ギリギリ登録」と「取り下げ」の2つをしていけば、導入されることはない。まず延期になります。

「取り下げ」は簡単です。ただ国税庁からひな型が出ていません。インボイスコールセンターに電話すれば教えてくれます。その内容を私の方でまとめて、ワードにして、誰でも『どんぶり勘定事務所』のサイトから無料ダウンロードできるようにしています。『全商連(全国商工団体連合会)』というところも、ちょっと形は違うけど、同じようなものを出しています。

鈴木:実際、動きとしてはどうですか?

神田:はい。取り下げ件数は増えていて、2月末時点で3,200件超えています。普段「取り下げ」の手続は、税理士の実務上、ほとんど出てきません。超レアケースで、そのような「取り下げ」の手続きがあることを知らない税理士も多いと思います。ですがインボイス制度にいたっては数ヶ月の調査で3,200件を超えているという調査結果が出ています。これは異常値だと思いますね。

今後も増えていくと思いますので、この取り下げ件数はインボイス制度が延期になるかならないかの鍵を握ると見ています。

鈴木:取り下げは、財務省とか国税庁や税務署のプレッシャーになっている?

神田:取り下げられるのは、かなり嫌だと思いますよ。インボイス以外の届け出書とか申請書の取り下げなんて、実務上ほとんどありませんからね。それが今ドーンと来てるわけですよ。「なんじゃこりゃ!」と絶対思っているはずです。ボクシングで言うと、ボディーブローが効いているような気がしますね。

Next: 「ボイコット大作戦」が有効?廃止に持ち込める可能性も



ボイコット大作戦とは具体的にどうするのか?

神田:ここで、ボイコット大作戦の具体的な話をしますね。やり方は法人と個人で少し違います。法人はインボイスの登録番号は決まっています。法人はすでにある13桁の法人番号の頭に「T」をつけるだけなので、それが消費税のインボイス登録番号になるんです。だから、法人は登録申請しなくても番号が分かります。もし、取引先から「番号を教えてくれ」と通知がきたら、13桁の法人番号の頭に「T」を付けたものを教えればいい。そして登録申請は9月ギリギリにすればいいのです。

個人事業主は、法人番号がないのでインボイスの番号が分からないんですね。ここからは、ちょっとした裏技になります。個人事業主は早めに登録申請してしまうのです。そうすると後日、通知書が届きます。そこには付与された番号が書いてある。そしたら取引先にその番号を教えればいい。そして、すぐ取り下げる。取り下げたらまた9月末に再申請する準備をしておく。

鈴木:なるほど。しかし、それは犯罪みたいにならないんですか?

神田:犯罪とかは全然ないです。合法です。何回でも再申請できます。最初に付与された番号は再申請しても変わらずに同じ番号になりますので安心して再申請できます。

鈴木:手間はかかりますがインボイスに納得できないという表明ですよね。それをやる人が増えているということなんですね?

神田:はい。私自身もやっているし、税理士事務所のクライアントさんもやってるし、どんぶり勘定事務所の方のクライアントさんもやってるし、かなり増えてると思います。私も今、YouTubeやTwitterでこのやり方を情報発信していて、いま増えてるような感覚ありますね。「取り下げしました」というコメントがとても増えてきています。

鈴木:これで延期になればすごいことですね。

神田:実は制度が延期になったひとつの前例があります。電子帳簿保存法、略して電帳法というのがあるのです。これは去年の1月1日の導入予定だったのですが、その内容を誰も知らないし、誰も準備してなかったので、直前12月の上旬ぐらいに「2年間延期します」という発表が国税庁からありました。「誰もやってないじゃん。誰も知らないじゃん。無理だろう」ということだと思いますね。

鈴木:なるほど。要するにインボイス制度もギリギリまで登録を延ばしていたら延期になる可能性があるということですね。

神田:そうそう、十分にあると思いますよ。ある意味インボイス制度はチキンレースです。ギリギリまでの我慢比べ。こちらも取引先から「番号を教えろ」とか圧力かけられてビビるのですが、実際、取引先は事務的に通知を送ってるだけで別に驚かす気はないと思います。

だから、ギリギリまで登録しないで大丈夫です。早く登録しなくちゃとビビる必要はありません。財務省の方も見切り発車をするのは怖いハズです。ビビっていると思います。

登録者数が少ないのに見切り発車してしまうと、事業者のピラミッドの上にいる所得の高い事業者たちが、自分はインボイスにはまったく関係ないと思っていたのに、消費税の負担が信じられないくらい増えてしまいます。登録者が少ないということは、多くの領収書、請求書を経費に落とせなくなるということですからね。

そこまでいくと、さすがに自民党政権もヤバくなるのではないかと。そうなると自民党も財務省もビビりますよね。登録者が少ないから今の導入はやめておこうということになります。

インボイス制度に反対したければギリギリの我慢比べをしよう

鈴木:延期の発表がなければどうするんですか?

神田:10月1日になっても延期の発表がなければ始まってしまいますが、それでも登録をしないという手もあります。だって任意ですからね。登録は強制ではありませんから。10月1日を過ぎたら、登録申請書に希望日を書いて申請書を出せば、その希望日に登録事業者になれるんですよ。

「10月1日過ぎたら、もう登録できないんでしょうか?」という質問を受けるのですが、10月1日を過ぎても希望日を書いて申請すれば登録事業者になれます。例えば10月20日だとか好きな時に登録事業者になれるわけです。

「10月1日にならないと仕事を切られるんじゃないか」とか、みんな思っているのですが、別に10月20日でも25日でも11月とかでもなれるんですよ。仮に数日とか1ヶ月や2ヶ月遅れたぐらいで、いままで続いてきた仕事関係を条件反射的に10月1日でスパッと切られてしまうのでしょうか? そのようなことは考えにくいと思いますけどね。相手によりますが。

鈴木:とりあえず登録は延ばすだけ延ばす。そういうことですね。

神田:そうなんです。だからチキンレースなんですよね。ギリギリの我慢比べです。

Next: 反対運動は効果てきめん?インボイス制度の賛成派はわずか4.4%



神田:そう言えば、こないだ税理士会で、200人ぐらいの税理士の前で税務署の職員はこう言っていました。

「登録意思のある顧問先に、早期登録のご協力をお願いします」

これ、登録意思のある人は早めにしていいんだけども、登録意思のない人はギリギリでいいですよ、と言うことなんです。あえて「登録意思のある」と付けたんじゃないかなと思うんですけどね。任意だから。

鈴木:「皆さん」じゃなくて「登録意思のある人」と言ったと。「皆さん」って言ってしまうと強制みたいになってしまうから、「登録意思のある人」だけちょっと早めにお願いしますということですね。じゃ、我々は「意志はない」からしない、と。

神田:以前アンケートを見たら、インボイス制度に賛成している人は4.4%だった。まぁ5%ですよ。反対が50%ぐらいで、よく分からないが40%ぐらい。だから、登録意思のない95%の人が「ギリギリ登録」と「取り下げ」の「ボイコット大作戦!」をやれば、絶対導入されないんですよ。やればの話ですけど。

鈴木:中小・零細・個人事業をいじめて国が成長するわけがないですよ。「ギリギリ登録」と「取り下げ」の「ボイコット大作戦!」が広がればいいですね。

神田:相手に一番ダメージを与える方法はこうです。「登録意志のない」事業者みんなで登録して、みんなで一斉に取り下げるんですよ。それをやれば、たぶん相手は腰砕けになって立ち上がれないと思います。極論はそういうことです。

鈴木:面白いですね。果たしてどうなることやら……。私も「ギリギリ登録」と「取り下げ」の「ボイコット大作戦!」をやりたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

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  • 日本は何らかの奇跡でも起こらない限り破綻まっしぐらなので、それを前提に生きる(10/2)

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2022年9月配信分
  • クライマックスはこれからやってくる。不測の事態に立ち向かう最も効果的な方法(9/25)
  • 政治が期待できないなら資産として円を持ち続けることに不安や恐怖を感じるべき(9/18)
  • 周期的に経済ショックと株式市場の暴落がくるが、最終的にはどうしたらいい?(9/11)
  • チャンスをつかむために「これ」を自分の生活から排除する練習を今からしておけ(9/4)

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2022年8月配信分
  • 2022年は生活をダウングレードし、安いジャンクフードでも食って寝ていればいい(8/28)
  • もう日本は駄目かもしれないと心の中で不安がよぎるなら、やっておくべきこと(8/21)
  • 株式市場では、本当においしい局面だけに顔を出して弱っている相手と戦えばいい(8/14)
  • 日本という国はもう時間切れ。期待しても無駄なので自分の力だけで何とか生き残れ(8/7)

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2022年7月配信分
  • 社会情勢は十分に悪化しつつある。あなたは波乱の空気を感じ取れているだろうか?(7/31)
  • 日本政府が信用できないと思う人は、そろそろ日本政府を見捨てる準備をしておけ(7/24)
  • 国民は「経済的な衰退を止められない自民党」を大勝させたが、これからどうする?(7/17)
  • 安倍晋三という巨大な存在が消えて、これから日本経済がどうなるのかを考えよ(7/10)
  • 阿鼻叫喚の中で正しい行動をするというのは意外に難しいことを、あなたは知る(7/3)

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2022年6月配信分
  • 暴落の足音。そろそろ次の暴落のことや、その時の戦略のことを考える時期に来た(6/26)
  • 株式大暴落の予兆。リセッションという言葉が頻出するようになったら気をつけよ(6/19)
  • 私たちはこれからも税金を取られまくり、衰退する国の中で生きなければならない(6/12)
  • 株式市場が死屍累々となったら、私は墓場から抜け出して株式を買いまくりたい(6/5)

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2022年5月配信分
  • ヤバい時代がやってくる。ひとりひとりの人格を尊重する社会は地獄を生み出す(5/29)
  • 「物価高・経済縮小・増税」の三重苦。この時代で最も効率的なサバイバルは?(5/22)
  • 吹き飛ぶレバナス、一夜で価値がゼロになる仮想通貨。愚かな人間と自爆するな(5/15)
  • 「資産所得倍増プラン」みたいな話が続くようであれば、何をする必要があるのか?(5/8)
  • 国民からカネを吸い上げる搾取マシーンと化した日本政府には何も期待するな(5/1)

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2022年4月配信分
  • 株式の暴落の合図は点灯したので、心して次のショックを迎える心の準備が必要だ(4/24)
  • 資本主義の社会でしたたかに生き延びたかったら、視点をこのように切り替える(4/17)
  • 逆イールドが発生すると株式市場で起こることを理解して、パニックにはなるな(4/10)
  • 最終的には、国家の衰退は円安を進行させる。だから、今こそすべきことがある(4/3)

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2022年3月配信分
  • 円安によってどんどん物価上昇が鮮明になっていくが、円安で狂喜乱舞する人とは?(3/27)
  • 【号外】新著『亡国トラップ ─多文化共生─』発売中! 多文化共生は亡国に至る罠(トラップ)ではないのか?(3/21)
  • 世の中の混乱が深まっている中、「自分の身は自分で守る」ための30項目を改めて振り返る(3/20)
  • 起業にも投資にもまったく興味がなく、ほどほどの収入の人はどう生きるべきか?(3/13)
  • 金融経済も実体経済も悪化して波乱の真っ只中。しかし勘違いしてはいけないこと(3/6)

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2022年2月配信分
  • 不況の時代は不況に合わせた生き方に転換せよ。それが合理的なライフスタイルだ(2/27)
  • 今は何もしないで、もがいていた連中が討ち死にするのをのんびり見ながら過ごせ(2/20)
  • 「インフレ=経済成長」と勘違いするな。日本社会がそうならないのは理由がある(2/13)
  • 経済状況が悪化したら真っ先に首が絞まるのは誰か? 生き残る戦略とは何か?(2/6)

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2022年1月配信分
  • 能力のない人間は死ねと言っているような社会で実体経済も金融経済も悪化している(1/30)
  • 今後の数ヶ月、株式市場も実体経済もどんどん悪化するのに何をするというのか?(1/23)
  • 覚悟しろ。コロナ・インフレ・利上げ・株式市場悪化、そして新たな悪材料の登場(1/16)
  • 今年は自爆が多発する年になる? しかし、本当に怖い自爆は日本の社会が生み出す(1/9)
  • 2022年始動。瀬戸際に立つ日本の「危険極まりない情勢」をディープに取り上げたい(1/2)

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2021年12月配信分
  • 2021年最後のメルマガです。私たちの「次の敵」は日本政府なのかもしれません(12/26)
  • パチンコ依存者の話を聞いてノイローゼになりかけた私が株式投資について思うこと(12/19)
  • 悪化する日本の情勢を憂いながら、じっと38,915円87銭という数字を見ている(12/12)
  • 2022年はあまり面白くない年。長期投資に挫折して売り飛ばす人も出てくる年に(12/5)

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2021年11月配信分
  • 這い上がれない若者が自暴自棄となり、使い捨てされた外国人がギャング化する!(11/28)
  • 学歴も職歴も何もない若者の中から金融取引で莫大な富を得る人間が出てくる理由(11/21)
  • どこの馬の骨とも分からない、そこらの野良犬みたいな人間でさえ天才に勝てる(11/14)
  • 10万円を支給してもらっても助かるわけではない。日本に残された時間はわずか(11/7)

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2021年10月配信分
  • 選挙に行っても社会は変わらないので、邪悪な世界が私たちを襲うと思っておけ(10/31)
  • 2020年代は、企業も政府も邪悪な存在となって私たちの前に立ちふさがる時代に(10/24)
  • 世界最悪の高齢化。日本という国家がもはや生き残ることができない10の理由(10/17)
  • 頭が良い人間「だけ」が超絶的に得する今の資本主義社会で生き延びる方法(2)(10/10)
  • もし短期売買に対して夢のようなものを持っているのであれば、どうすべきか?(10/3)

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2021年9月配信分
  • 頭が良い人間「だけ」が超絶的に得する今の資本主義社会で生き延びる方法(1)(9/26)
  • 監視資本主義。今後は悪夢の社会になっていくが、悪夢に投資せざるを得ない現状(9/19)
  • なぜ野良犬の鈴木傾城は、ぶらぶらしながら経済的に困窮しなかったのか(2)(9/12)
  • なぜ野良犬の鈴木傾城は、ぶらぶらしながら経済的に困窮しなかったのか(1)(9/5)

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2021年8月配信分
  • 弱肉強食の資本主義で生き残るために、凄まじく重要なことは実はただ1つだけ(8/29)
  • 「YouTubeに動画もないような人は信用できない」という時代が来たらどうする?(8/22)
  • 生活保護受給者やホームレスになったら夢は追えない。夢ではなく「これ」を追え(8/15)
  • 大量の株式資産を持つ者は、コロナ禍でも自粛でもダメージを受けずに遊んでいる(8/8)
  • 24時間365日ぶっ通しで金融市場を分析しているプロに勝つ理由を知っておけ(8/1)

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2021年7月配信分
  • 私と共に【VTI】を買い続けた人はみんな勝ち組だが、これからはどうなのか?(7/25)
  • この世は資本主義なのに、あなたは「資本主義者」として生きていない衝撃を知れ(7/18)
  • 日本政府は問題解決能力を喪失しているので、いずれ「円」の信頼も消えるのだ(7/11)
  • ジム・ロジャーズが許せない理由。この男が何か言うたびにアメリカに賭けよ(7/4)

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2021年6月配信分
  • 性格占いなんかするな。それより、自分の真の姿をリアルに知る方法がある(6/27)
  • イケダハヤトが「1年で元本が900倍」と大絶賛した翌日、資産価値ゼロに突入(6/20)
  • コロナ禍の後は米中対立が本格化する。どちらに付くのか腹をくくって投資せよ(6/13)
  • あなたは、意味なく資格なんか取っても何の役にも立たないことを早く知るべき(6/6)

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2021年5月配信分
  • 20年間せっせと定期定額積立投資できるなら、バクチしなくても資産は増える(5/30)
  • 「これ」の対応に失敗すると、日本は先進国から脱落し個人は社会的弱者になる(5/23)
  • 3250万円で自分の分身1個が買えるという事実は資本主義の基礎知識である(5/16)
  • 投資は資産を増やすのが目的なのだが、金に飢えた瞬間に成功は遠のいていく(5/9)
  • 結局、3つの僕《しもべ》に命令して資産を増やしている人が勝ち組になっていく(5/2)

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2021年4月配信分
  • M1チップを見よ! Appleはユーザーだけでなく長期投資家にも注目に値する企業(4/25)
  • ハイリスク・ハイリータン。そこに長くいればいるほどハイリスクの毒が回る(4/18)
  • 銀行に100万円定期預金して金利は20円。それでも国民の半分は何とも思っていない(4/11)
  • 誰もが軽視するが大事なこと。「感情のコントロールは利益を生む」という事実(4/4)

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2021年3月配信分
  • 中国なんかどうでもいい。新興国も気にしなくてもいい。アメリカに賭けよ(3/28)
  • 自分に賭けるよりもビッグブラザーに賭ける方が勝てるなら、私は自分に賭けない(3/21)
  • 一生懸命に働いたら報われるという認識は嘘八百だ。それを信じると人生が詰む(3/14)
  • ちっぽけな起業家から、大企業に働いてもらう側に立場をスルリと入れ替える(3/7)

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2021年2月配信分
  • 株式崩壊は、浜矩子みたいな人間が警告しようがしまいが何らかの形で必ず来る(2/28)
  • 株式市場が過去最高の高値圏にまで上昇している。「そろそろか」と思う局面(2/21)
  • 株式を保有している人は、こんな時期に「資産が増えた」など大声で言わない(2/14)
  • 時代は変わっても自分の性格は変わらない。ここを間違えたら一生苦しむ(2/7)

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2021年1月配信分
  • 生き方を変えるなら今しかない。2020年代は「個」で待遇も賃金も変わっていく(1/31)
  • バイデン政権で最も注視すべきなのは国防長官ロイド・オースティンである理由(1/24)
  • 阪神・淡路大震災の教訓。100%来る「次の巨大地震」で投資家がすべきこと(1/17)
  • プラットフォームを掌握する巨大メガテックが自国の大統領をも粉砕する時代(1/10)
  • 働くことは生き甲斐につながるが、必ずしも豊かさにつながるわけではない(1/3)

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2020年12月配信分
  • 2021年は前半は慎重に動いて、後半からどんどん追い込んでいくのが良い理由(12/27)
  • 「弱者の不幸は蜜の味」。災厄はなぜ強者にとってはおいしい局面になるのか(12/20)
  • 今年の冬を経済的に乗り切れない人がどうなるのか、よく見つめておくべきだ(12/13)
  • 「金に興味がない」から、労力を使わないで金を増やす方法を採用している(12/6)

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2020年11月配信分
  • 私たちも、竹中平蔵のように甘い汁を吸わなければ生きていけない世の中なのだ(11/29)
  • 現代社会は「資本主義」ではないということを認識すれば容易に生き残れる(11/22)
  • バイデン政権が甘ければ、中国企業がグローバル化を乗っ取ることもあり得る(11/15)
  • トランプ大統領は終わって、バイデン大統領の時代になる。相場もまた変わる(11/8)
  • 大混乱の中、いよいよ11月がやってきた。今こそ社会の動きに瞠目し決断せよ(11/1)

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2020年10月配信分
  • 起業家にならなくても、孫正義や三木谷浩史や柳井正を利用する生き方もある(10/25)
  • 稼ぐために悪人にならなくてもいい。合法的に金が転がり込んでくる場所がある(10/18)
  • 狂った猿の作り方。徹底的に人間を依存症に追い込むのがパチンコという世界(10/11)
  • もう一度よく考えてみよう。コロナで世の中はまったく違ったものになるのか?(10/4)

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2020年9月配信分
  • 国民に都合の良い政策など実現しない。悪い政策の方が実現する。それが現実(9/27)
  • 起業しないで起業家と同じようなスリルと大きな利益を手に入れる方法がある(9/20)
  • 波乱の相場。これから3ヶ月、何が起こるのか誰にも分からない中で生き残る(9/13)
  • ポートフォリオが自分のリスク許容度に見合っているか点検するのは悪くない(9/9)
  • 「自分はどこまでリスクが取れるか?」で何も持たない人間の運命が変わる(9/6)

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2020年8月配信分
  • 安倍政権を「賞味期限切れ」にしてしまった要因と、アメリカ大統領選挙の行方(8/30)
  • ジョー・バイデンが大統領になる前提で、投資家はすでに新たな動きを起こしている(8/23)
  • コロナによって、超巨大ハイテク企業はより独占的・支配的・持続的になった(8/16)
  • MMT(現代貨幣理論)やベーシックインカムが声高になれば、ここに投資しろ!(8/9)
  • コロナ時代には、政府がばらまく金を投資で自分に引っ張り込むことが重要に(8/2)

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2020年7月配信分
  • 難しい時代は何もしない。バクチ銘柄を扱わない長期投資家は高みの見物でいい(7/26)
  • ジャック・マーも保有株を売り、バフェットも買わず、ゴールドは上がる時代(7/19)
  • 「コロナだろうが何だろうが、しっかり会社を経営しろ」と叫んだら起こる地獄(7/12)
  • コロナによる世界的な混乱で一筋縄ではいかない状況。正解はまだ分からない(7/5)

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2020年6月配信分
  • うまく生きたければ、早く仕事もライフスタイルも投資も非接触系に転換しろ(6/28)
  • 今後、社会・企業・ライフスタイルを「これ」で区分けすべきだと気づいた(6/21)
  • 2020年がバラ色の年であるとは思っていないのに米国株に投資をする3つの理由(6/14)
  • どこの国でも「株式を保有していた人間」が先に助かり、恩恵も大きかった(6/7)

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2020年5月配信分
  • コロナ禍が、また違う「禍(わざわい)」を招き寄せるという現象に注目せよ(5/31)
  • アメリカでは失業者「2500万人」を超える状況になっているのに株価は戻した(5/24)
  • 40年で約3倍の結果として違ってくるというのに、誰も何もしないのが現実の姿(5/17)
  • コロナウイルスによる大恐慌なみの経済ショックで誰がどのように得するのか?(5/10)
  • 今は「生き残る」ことをテーマにしてライフスタイルや投資を組み立てておく(5/3)

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2020年4月配信分
  • 別に世の中を読まないが、それでいて時代が必要とする重要企業も逃さない方法(4/26)
  • 「自分の人生の中で最も最悪な年になる」と自覚してコロナショックを生き残れ(4/19)
  • 歴史的な暴落波乱相場で容易に生き残る方法(2)危機が去れば焼け太りする(4/12)
  • 今の相場環境は嫌いではない。低迷が長引くほど保有株を大量に増やせるから(4/5)

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2020年3月配信分
  • 歴史的な暴落波乱相場で容易に生き残る方法(1)頭を使わないで平均点を取れ(3/29)
  • コロナショックはいずれは落ち着いて、どんな形にしろ日常は必ず戻ってくる(3/22)
  • 私のやっている投資がコロナショックでの相場大激変でも何の問題もない理由(3/15)
  • ついにやってきた株式市場の暴落と乱高下。この社会情勢で私はどう動くか?(3/8)
  • 新型コロナウイルスで市場が変わった(2)12%の暴落をどのように考えるか?(3/1)

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2020年2月配信分
  • 新型コロナウイルスで市場が変わった(1)日本はもしかしたら見捨てられる?(2/23)
  • 「中国を潰してやる」というのは、アメリカの一貫した方策であることを認識せよ(2/16)
  • 新型コロナウイルスが浮き彫りにしたのは、中国に投資すべきではないということ(2/9)
  • 中国の新型肺炎で、1月24日に「オーメン」を嗅ぎ取って動いていた人たち(2)(2/2)

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2020年1月配信分
  • 中国の新型肺炎で、1月24日に「オーメン」を嗅ぎ取って動いていた人たち(1)(1/26)
  • 国民年金だけでは65歳以後は乗り切れないということを早く自覚して行動すべきだ(1/19)
  • 私がやりたいのは「株式市場での火事場泥棒」。社会が混乱している時に盗む(1/12)
  • イランの反米司令官が爆殺されて肉片となったので米国株式を増やすことに決めた(1/5)
  • 【新年特別号】令和すなわち地獄。終わりの始まりを迎えた日本で経済的にサヴァイヴする方法(1/1)

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2019年12月配信分
  • 私が「2020年代が自分の人生で最もキツい年代になる」と覚悟している理由とは?(12/29)
  • 「捨て石」の概念を見直せ。これが前もって成功に辿り着く確率を上げる方法(12/22)
  • 読者のみなさまへ、バックナンバーのご案内(12/17)
  • 2019年の総括と、2020年のこと。相場の動きは読まない。何か起きたら対応する(12/15)
  • 社会が重要な岐路にあるとき、次の方向性を知るためには何を見ればいいのか?(12/12)
  • 日本人は全員で消費税を引き上げた政治家・官僚・財界の馬鹿どもに復讐せよ(12/8)
  • 【まぐまぐ】年賀状キャンペーン期間延長のお知らせ(12/1)
  • 株式の割高・割安を見る3つの指標と、これから起きそうな予兆についての考察(12/1)

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2019年11月配信分
  • 社会は大きな「ゆがみ」を生み出すのだが、それを見つけて埋めるとカネが入る(11/24)
  • 「楽して手っ取り早くカネを増やしたい。思惑が外れたらサヨウナラ」の気持ち(11/17)
  • 鈴木傾城が今の投資について思っていること(2)世界を買うか、米国を買うか?(11/10)
  • 鈴木傾城が今の投資について思っていること(1)相場は上がっているが……(11/3)

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2019年10月配信分
  • 次のリーマンショック級の経済ショックが起きたら、ソフトバンクは死ぬ(10/27)
  • 人生も壮大な賭け。投資から人生まで「賭け方」で知っておくべき4つのタイプ(10/20)
  • 投資の前に貯金や収入を何とかしなければならないのであれば、どうすべきか?(10/13)
  • 「一生現役」は、政府が日本国民を死ぬまで働かせるためのキーワードである(10/6)

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2019年9月配信分
  • 圧倒的な弱者であっても、絶滅するどころかしたたかに生き残っている事実(9/29)
  • 資本主義では資本が生み出す不労所得を手に入れることが最も大きな「旨み」だ(9/22)
  • 今までの資本主義は「株式保有」が生き残るための武器だったが次はなにか?(9/15)
  • 重い借金を抱えて地獄を見て生きている人は、借金のない人が幸せに見える(9/8)
  • 消費税10%を乗り切れ。ダメージを受ける人は、その分をサイドジョブで吸収せよ(9/1)

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2019年8月配信分
  • 下らないマウントが横行するネットの世界で自分のスタイルを守るには?(8/25)
  • 最先端のバイオ・ゲノム企業に投資するのが難しい理由と乗り越える方法(8/18)
  • 中国発の株式市場への巨大な悪影響は、いつか必ず私たちに襲いかかってくる(8/11)
  • 8月1日に巨大損失を被ったのであれば、それは健全な投資をしていない証拠(8/4)

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2019年7月配信分
  • アメリカに投資していないのであれば、本当の意味の恩恵を受けていない(7/28)
  • カネのあるところから無理やり自分にトリクルダウンさせる仕組みがある?(7/21)
  • アメリカの株式市場が史上最高値更新。しかし、有頂天になる局面なのか?(7/14)
  • アーリーリタイアは「夢のまた夢」なのか「何とかできる」ものなのか?(7/7)

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2019年6月配信分
  • 定期定額積立投資しながら暴落待ち。私が次の暴落に投資したいのはこれだ(6/30)
  • 率直に言うと、日本の株式市場に長期投資するというのは人生最悪の選択(6/23)
  • 米中新冷戦は長引くが、これによってアメリカに賭ける戦略は終わるのか?(6/16)
  • 第一線を離れてからも要領良く資産を増や続けるビル・ゲイツを観察せよ(6/9)
  • 起業して10年後に生き残れるのは6%。起業に人生を賭けない生き方も悪くない(6/2)

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2023年4月18日)※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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