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「日本は確実に貧しい国になる」天才投資家ジム・ロジャーズが生存戦略を緊急提言=花輪陽子

世界三大投資家のひとりのジム・ロジャーズ氏にインタビューを行い、『ジム・ロジャーズ 大予測:激変する世界の見方』(著:ジム・ロジャーズ/翻訳:花輪陽子, アレックス・南レッドヘッド/刊:東洋経済新報社)を出版しました。コロナ危機により変わり果てた世界経済を天才投資家はどのように見ているのか。ロジャーズ氏は「残念ながら、これから日本は確実に貧しくなっていく」と言います。(『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』花輪陽子)

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プロフィール:花輪陽子(はなわ ようこ)
外資系投資銀行を経てFPに。2015年からシンガポールに移住。ジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』(講談社+α新書)をインタビュー監修。『シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」「有吉ゼミ」などテレビ出演や講演経験も多数。

確実に貧しい国になっていく日本では、海外投資は不可欠

天才投資家ジム・ロジャーズ氏は、新型コロナ感染拡大後の日本経済について、こう発言しています。

「残念ながら、これから日本は確実に貧しくなっていく。財政赤字が膨らんでいく一方で、日銀が金融緩和でお金を刷り続けている以上、将来、円の価値は確実に下がるからだ。円がいまの価値を保っているうちに、早急に海外に資産を移すことを勧めたい」

image by:原隆夫

新型コロナの影響でフィッチが邦銀を格下げし、みずほFGとその子会社の存続性格付けは「BBB +」へ引き下げられました。これに対してシンガポールの3大銀行の同格付けは「AA-」とメガバンクよりも高格付けです。

日本人は銀行の預金保護の範囲を気にする人が多いですが、他の国の人からは聞いたことがないです。それよりも銀行の格付けや財務基盤を見てお金を預けるか判断をするようです。

「現在、多くの資産を持っている高齢者たちは、基本的には円高の時代を生きてきた人たちだ。円で資産を持っていれば、その価値は相対的に上がっていった。現金で貯金を増やしていくという行動は、大きく間違ってはいなかった。しかし、これからは円の価値が下がることを考えて行動しなければならない。

インフレにも警戒が必要だ。日本の財政は危機的な状況にあるが、そもそも財政赤字の返済などできるはずがない。歴史上、財政赤字で窮地に陥った例はたくさんあるが、いずれもきちんと返済できた例はない。中略。みな猛烈なインフレに襲われ、国民の資産価値は大きく失われることとなった」

ロジャーズ氏はさらに続けます。

年金がたとえ額面通りもらえても、円安とインフレで価値が目減りする

「日本円で保有する資産と年金をあてにしている人が多いだろうが、そういう人ほど痛手が大きくなる。額面通りの金額を受給できたとしても、円安とインフレで実質的な価値は大きく目減りしてしまうからだ。財政破綻した旧ソ連の年金が、猛烈なインフレでその価値をほとんど失ったことを知るべきだ」

現在、会社員と専業主婦の夫婦2人の標準的な年金額は月22万円程度です。仮に30年後も同程度の金額がもらえたとしても、その時のインフレ率や円の価値によっては現在と同じ生活を送れないということです。

日本人がインフレのことを考えないのは、失われた30年でデフレに慣れ過ぎているからです。しかし、戦後のインフレなど日本でもインフレが酷かった時代も多くあり、デフレが永遠に続くとは言い切れません。しかし、海外投資をすることによって成長をしている地域から配当を得ることができます。

「80年代、90年代には、普通の国民が海外に投資するのは、ややハードルが高かったかもしれない。しかし、いまでは普通に海外の口座がつくれるし、面倒くさいことが嫌いな人は、海外の株や債券のETFに投資すればよい」

実際に楽天証券などネット証券でアジア株などの取引ができ、税金の申告は必要ですが、海外のオンライン証券や銀行口座なども開けることができます。

Next: 日本脱出のためには英語などの語学ができる方が有利です。日本でも子供の――



外国語を話せることはグローバル社会で大きな武器になる

日本脱出のためには英語などの語学ができる方が有利です。日本でも子供の英語教育がちょっとしたバブルとなっています。

「私がアメリカを離れてシンガポールに移住を決めた理由の1つは、2人の娘たちに英語とあわせて中国語を習得してほしいと思ったからだ。いま世界の共通語は英語だが、私は20年以上も前から、将来的には間違いなく中国語の影響力が大きくなることを確信していた」

シンガポールのローカル校では英語と中国語のバイリンガル教育が行われます。また、シンガポールにある2つのアメリカンスクールでも授業の半分以上を中国語で行う特別クラスが複数用意されており、欧米人に人気が高いです。英語が母国語の子供達でも幼稚園など低年齢から中国語やスペイン語などの外国語を習います。

シンガポール人の銀行員も英語と中国語ができ、かつ日本語も話せるという人もいます。英語と中国語ができるのは当然でその他にもうひとつ言語ができると優位性があるようです。母国語しか話せないという人は世界では絶滅危惧種なのかもしれません。

子供には稼げる外国語を身につけさせる

「長女が14歳の頃、私は彼女に「外に出て仕事を見つけてきなさい」と言った。それまでは家の手伝いをすると小遣いをあげていたが、そろそろ外で働く経験をしてもらいたかったからだ。私は、マクドナルドで時給8ドルのパートタイムの仕事を探してくるだろうと思っていたが、彼女はなんと中国語を教える時給25ドルの仕事を見つけてきたのだ」

ロジャーズ氏の長女はローカルの有名校を経て、英国のボーディングスクールで学んでいますが、インスタグラムでも中国語のオンラインレッスンを行うなど精力的に活動をしているようです。インタビューの際に次女もやってきて英語、シングリッシュ、マンダリンなどを話してくれました。

「当初はアメリカにいて、娘たちに中国語を学ばせようと考えていたが、それでは私が思うようなレベルには上達しないとわかった。だから、家族でシンガポールへの移住を決めた。中国をネイティブランゲージとする環境に身をおいたほうがよいと思ったのだ。

シンガポールに移住して10年以上になるが、いまでは娘たちは中国語を流ちょうに操るようになっている。同じように中国語圏に移住をするならば、カナダのバンクーバーや台湾も良い場所だと思う」

ネイティブスピーカーが少ない日本で英語を学ぶのは困難です。ロジャーズ氏の娘もシンガポール訛りのシングリッシュを話すようになったので、旅行で香港に連れて行き、発音が通じるかどうか試させたそうです。今ではアメリカ英語、シングリッシュの両方と、中国語も流暢に話しますが、当時は訛りがあって海外で英語が伝わらなかったようです。

Next: ロジャーズ氏のメインインタビュアーを務めたモンラッシェ・キャピタル社――



プライベートバンカーやファミリーオフィスでも学校選びのお手伝いをする

ロジャーズ氏のメインインタビュアーを務めたモンラッシェ・キャピタル社はシンガポールで、「ファミリーオフィス」サービスを行っていますが、住宅のwifiのセットアップから子息の学校選びや願書の提出のサポートまでやっていると言います。

シンガポールの銀行は自動車の売買仲介、新電力の契約斡旋、不動産の売買仲介なども行っているところもありますが、ヨーロッパ系のプライベートバンクなどでも子供の願書のお手伝いなどのファミリーサービスも行っているところもあります。

今後、収益構造を改善するために邦銀もファミリーサービスなどに乗り出す流れになるかもしれません。ロジャーズ氏も地方銀行がデイサービスをやるなど生き残りにかけて工夫が必要だと主張します。

教育も金融サービスも小さな島国の中でいては自国のサービスしか分かりませんが、世界は広く、選択肢はたくさんあります。気づき始めた日本人の間では日本脱出が流行り始めています。

本メルマガでは資産防衛術やアジアを中心とした海外投資や海外移住の方法をお伝えします。今、海外に目を向けている人が多い中、ぜひ一緒に学んでいきましょう。

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新刊情報:ジム・ロジャーズ著『大予測:激変する世界の見方』

この記事の著者・花輪陽子さんがインタビュー・監修した書籍『ジム・ロジャーズ 大予測:激変する世界の見方』(著:ジム・ロジャーズ/翻訳:花輪陽子, アレックス・南レッドヘッド/刊:東洋経済新報社)が出版されました!ぜひお手にとってご覧ください。

ジム・ロジャーズ 大予測:激変する世界の見方
著:ジム・ロジャーズ/翻訳:花輪陽子, アレックス・南レッドヘッド/刊:東洋経済新報社

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image by:原隆夫, マネーボイス編集部

本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2020年7月3日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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