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なぜ「マスク拒否おじさん」野放し?海外なら射殺も 日本は迷惑客の楽園か=栗原将

長野県のホテルで、客がマスク着用拒否をしたことで騒動となりました。日本が迷惑行為者の楽園になっているのを感じます。日本だから許されているだけで、海外では射殺される可能性もあります。(『海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』栗原将)

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他人が嫌がっていても気にならない人

長野県のホテルで、マスク非着用の客がまた騒動となりました。以前にもピーチ航空の飛行機内でマスク着用を拒否し、臨時着陸して降ろされた人物とのことです。

報道によりますと、ホテルのブッフェ(バイキング)会場にマスク非着用で入場しようとして、ホテルスタッフと押し問答のようになり、それでも制止を振り切り入場。食事を取っていたのですが、その後、他の宿泊客から離れた席に移動してください、とのホテル側からのお願いにも拒否した。支配人が代金の一部を返金する代わりにホテルからの退館を求めたのだが、それにも応じず、110番通報。警察が出動する騒ぎになった、とのこと。

当初、当人のツイッターアカウントには、ホテルでトラブルになったことのみが投稿されていました。私は、それを見て、おそらくチェックイン時のマスクで揉めたのだろう…くらいに想像していたのですが、大勢の人が集まる食事会場での騒動だとわかって、正直、びっくりしました。

もし、僕自身だったら、周りの人の目線が気になって、そんなところで食事をしても、まったく楽しめないからです。

それでも、最近、このような人物が非常に増えているなぁと感じています。むしろ意図的にやって、それをYouTubeにアップする人たちもいるくらいです。

他人が嫌がるのを見て快感を覚える、あるいは、その動画をアップして商売にするわけですから、タチが悪いのです。

自業自得なのに「被害者ぶる」のが特徴

自分が周りを不快にしていることには屁理屈をして、一方で被害者ぶるのも特徴です。

マスクをしないでバイキング会場内に居られたら、少なからぬ他の宿泊客は不快に感じるものですが、それに対してはあくまで自分の主張(強制力はないなど)を述べる。

一方、自身のツイッターでは、「警察出動となって、深夜までの調書対応で疲労困憊した」と、あたかも自分が被害者モードみたいに投稿していましたが、まさに自業自得なだけです。

海外なら射殺される?

日本だから、生きられている人たちです。

仮にフィリピンで、あのような態度を取ったら、警備員が逆上して射殺される可能性だってあります。

実際に、コロナとは関係ないですが、フィリピンの銀行で、支店長専用のスペースに駐車した後、警備員の移動指示に従わなかった客が、逆上した警備員に射殺された事件がありました。

これは極端なケースですが、このマスク拒否さんは、日本だからエンジョイできているだけであり、他の国では、逮捕どころでは済まず、命を落とす可能性もあるのです。

そのあたり、わかっているので、ずっと日本で生活するのでしょうね。

Next: 経済的損失は甚大?自分勝手な客のせいで対策コストが跳ね上がる



対策コストが跳ね上がる可能性

ホテルや飲食店など、店頭の注意書き掲示や利用約款の改定、監視カメラの設置、強制追い出し用の警備員など、対策に迫られるでしょう。

今後、このような輩が増えてきたら、大部分の善良なカスタマーが離れる原因になるからです。

今までの日本では、 “周りに迷惑をかけない”という大きな美徳があったのですが、かなり消えてきました。

その分、様々なコストが上がっていく可能性がありますし、あわゆる事を法律で明確に縛らないといけなくなるかもしれません(シンガポールみたいな感じですね)。

ホテルや飲食店は「利用約款」と「店頭掲示」で自衛する必要

この件についてメルマガで書いたところ、読者の方(タイ在住)から貴重なメールをいただきましたので紹介します(以下、一部引用)。

ホテルでのマスク非着用者の話題で思ったこと。

いかにも、日本の新型肺炎対応にありそうな話だと思いました。

日本で、タイのように、法律で細かく規制できないのであれば、個別の施設は、施設入り口に、
Private propertyの決め事として、大きくマスク着用を求める掲示をかかげ、チェックインの際に、館内施設の使い方と共にマスク着用の義務を記載した説明文を手渡し、了解のサインを求め、コピーを宿泊者に手渡し、さらに、違反者には、退室を求め、それに対し、ホテル側は、弁済の義務を負わない旨、書いておけば、完璧だと思います。

(そんなこと、聞いてないぞ、どこにも書いてないぞ、と言わせないために)

また、外部のサイトで予約の場合も、同様に、予約前にその旨、記載しておくべきでしょう。

日本社会も変化しています。個々人の「常識」にも差があります。昔のように「そんなの、常識だろ。」では、通用しない社会になりました。

ホテルの宿泊は、施設側と利用者側の契約に基づいています。今後は、より子細なきちっとした契約関係が、求められると思います。

今は、その過渡期なのでしょう

まさに、この通りですね。

今回、騒動となったホテルでも、チェックインの時点で、マスク着用に同意するサインを取っていれば、件のマスク非着用主義(?)の人に法律がどうこうとか、返り討ちを食らうこともなく、
ハウスルールに基づき退館で、あっさり終了したのです。

この類の人は、ホテルなどの受け入れ側が、自分に同意を求めてきていない(サインをしていない)ことが分かっていて、行動しているのです。

Next: 変化した日本社会。もう「お客様は神様」の考えは通用しない



もう「お客様は神様」の考えは通用しない

日本は、いまだに「お客様は神様」といった考え方がありますが、これは僕自身、100%不同意です。

お金をもらう対価でサービスや商品を提供しているのであり、対等な関係であるべきです。

また日本では、取引前にネガティブな情報を言いたがらない人は多いです。今までの経験でも、性格や優しいのは良いのですが、利用約款とかハウスルール、あるいはキャンセルルールといった事柄を説明するのを嫌がる、避ける人はかなり多い印象です。

お客から聞かれたら、「まあ、大丈夫ですよ~」みたいに答えて、その場が穏便に済めばよし、という人はかなり多いです。

それで、たまにトラブル、例えば、お客の都合でキャンセルになった場合、そこではじめて、キャンセル料金を持ち出すのです。

「実は、キャンセル料金がかかりまして……」こんな感じですが、お客の側は「そんなの聞いてないぞ、大丈夫だと言っていただろ」と言ってきます。

それで、結局は、会社で決められているキャンセル料金はもらうことができず、その担当者は予約自体なかったことにして、会社にも報告しないで、終わりにする。こんなのが非常に多いです。

いずれにしても、商取引というのは相互の契約、同意に基づくものであり、一方的な命令や従属関係ではない、ということを、もっと多くの人が理解すれば、変なモンスターカスタマーとか、他人の迷惑を顧みない人に悩まされにくい社会になっていくと信じています。

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image by:New Africa / Shutterstock.com

海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』(2020年12月2日号)より
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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9年間のタイ、フィリピンでの海外移住生活から帰国し、北海道暮らしをはじめた50歳男子が、久々の日本生活から感じることや、海外生活のメリット・デメリット、そして、地方暮らしの実際について独自目線で語っていきます。

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