子どもが100点取っても「すごいね」と言ってはいけないのは何故か

 

なぜそうするのが良いかについて、さらに詳しくお伝えしますね。

才能」を褒められた子どもは、ますます才能を発揮することに気持ちが向かいます。

才能というのは、自分の中に(はじめから)持っているもの。となると、新たな努力を必要とせずに100点を取ることが、ゴールとなります。言い換えると、「努力をしないこと」が大切になってくるのです(余談ですが、私も中学生くらいまではこのタイプの考え方でした。勉強しないで100点が理想! と、本気で思っていました)。

次回は努力せずに100点が取れるかもしれません。ですが、それがいつまでも続くとは限りません。と言うよりも、絶対に近い将来には続かなくなります。そんな時に才能を褒められて育った子は「自分には才能がない」という恐ろしい現実に直面することになります。

それはテストの点が悪いというだけの問題ではありません。自己肯定感・自尊感情の危機と言っても過言ではない、そんな人生の大ピンチです。

大抵の子は、ここで苦しい言い訳やごまかしに走ることになります。

  • 意欲のないふり・本気で取り組んでいない態度を取る
    (点数が悪いのは、本気を出していないから。才能がないわけじゃない、という言い訳)
  • こっそりカンニングをする
    (才能があるとの偽り)
  • 返されたテストをふざけて破る・捨てる、忘れたふりをして親に出さない
    (発覚するのを防ぐごまかし

いずれにしても、本人にとっても可哀想な方向に進んでしまう可能性が高く、とても心配です。

一方で、「努力」を褒められた子は、ますます努力することに気持ちが向かいます。努力というのは、今はできないことを、できるようになるためのプロセス。知らないこと・わからないこと・できないことに直面した時こそががんばり時! とのメンタリティが育ちます。

いつか将来、勉強がわからない・テストの点が悪いなどの試練に出遭っても、

  • もっと努力してみよう
  • やり方を変えてみようか?
  • どうしたら良いか、訊いてみよう

など、前向きの発想が生まれやすくなります。

もちろん一時的に落ち込んだり、休憩を必要とすることもあるでしょう。それでも、努力を褒められて育った子なら、親に気持ちを受け止めてもらって心と体を休めることができれば、きっと前に進む元気と意欲が取り戻せるはず。

小学生だと、わりと頻繁にテストを持ち帰ってくることが多いと思います。そうした日常の機会を活かして、子どもの「努力」への意欲を育んであげていただけたら、私もうれしいです!

image by: Shutterstock

 

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