【訪米間近】安倍総理がアメリカを一日で味方にできる議会演説を考えてみた。

 

世界は、90年代の平和な時代から一転し、戦争の時代に突入しました。

01年からはアフガニスタンで、03年からはイラクで、11年にはリビア、そして現在は「イスラム国」と。

1990年代はじめ、「アメリカ建国の理想」である「普遍的価値」は全世界にひろがっていくかに見えました。しかし、今は、「虐殺」「人権侵害」「国際法軽視」など、まったく正反対の勢力が力を増しています。

なぜ、私はこのような話をしているのでしょうか?

私は、そして日本国民は、世界に普遍的価値をひろげる主体であるアメリカを応援しているのです。アメリカが強くあることが、日本にとっても世界にとっても『よいこと』であると信じているのです。

ここまで私は、「アメリカには歴史的使命がある」というお話をしてきました。三つ目、最後に私は、「日本の役割」についてお話させていただきます。

第2次大戦で日本は、連合軍に敗北しました。「連合軍」とはいいますが、日本軍と戦ったのは、ほとんどアメリカ軍でした。それが原因で、冷戦時代、日本は共産主義のソ連や中国ではなく、民主主義・資本主義のアメリカ側にいることができたのです。

これは、今振り返ると、非常に幸運なことでした。なぜなら、アメリカ側陣営とソ連陣営は、時とともに「明暗」がはっきりしてきたからです。

たとえば、同じ民族でもアメリカ側の「西ドイツ」とソ連側の「東ドイツ」。あるいは、アメリカ側の「韓国」とソ連側の「北朝鮮」で、その差は歴然でした。

日本が戦後大繁栄したのは、もちろんわが国の民が必死で働いたこともありますが、「アメリカ側についたこと」が最大の理由の一つだったのです。

1954年生まれの私は、「自由」「平等」「人権」「民主主義」が、空気のごとく自然に存在する国で育ちました。

もし、ソ連側に組み込まれていたとすれば、日本は、「言論の自由がない」「経済的に貧しい」「政権を批判するものは、殺されるか投獄される」国であったことでしょう。

「日本の戦後の繁栄」。このことで、私はアメリカの皆さまに、心から感謝申し上げます。

さて、さきほど私は、『日本国民は、世界に普遍的価値をひろげる主体であるアメリカを応援している。アメリカが強くあることが、日本にとっても世界にとっても『よいこと』であると信じている』といいました。

そして、日本は、アメリカが世界一強力な国であるよう、実際的にサポートしようと固く決意しています。

一つは、財政的側面です。

2015年1月の時点で、米国債保有高世界一は中国で、1兆2391億ドルです。2位はわが国日本で、1兆2386億ドルで、その差はわずか5億ドルに過ぎません。

しかも、中国の保有高は、一貫して減っているに対し日本の保有高は、増加しつづけています。さらに、中国の人口は、日本の11倍であることも指摘しておく必要があるでしょう。

つまり、「一人当たり」の米国債保有高で、日本は中国の「約11倍」であるのです。

もう一つは、「安全保証面」のサポートです。戦後70年間、日本は平和な時代を享受してきました。その唯一の理由は、覇権国家アメリカと、「軍事同盟」関係にあることです。

このことで、私と日本国民は、アメリカ合衆国に心から感謝申しあげます。皆さんご存知のように、「日米安保」は「片務条約」です。つまり、日本が他国から攻撃されたとき、アメリカは日本を守る義務がある。

しかし、アメリカが他国から攻撃されたとき、日本はアメリカを守ってはいけないのです。

これは、とてもおかしな関係です。

>>次ページ 有事の際には日本がアメリカを守るべき

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