【訪米間近】安倍総理がアメリカを一日で味方にできる議会演説を考えてみた。

 

▼安倍総理、米議会演説草案

演題 「アメリカ合衆国の歴史的使命、日本の役割」

「世界でもっとも影響力のあるアメリカ合衆国連邦議会で、スピーチする機会を与えてくださったこと、心から感謝申し上げます。

私はスピーチの題を、「アメリカ合衆国の歴史的使命、日本の役割」としました。「歴史修正主義者」と揶揄される、安倍の「歴史観」はどのようなものでしょうか?

是非、熱心にお聴きくださり、間違いがあれば、「ご修正」いただきたいと思います。

今日この場で、私は三つのことをお話しします。

一つ目は、アメリカ合衆国の「歴史的使命」について。

私がいうまでもなく、アメリカ合衆国は「崇高な理想」を掲げて建国されました。1776年7月4日のアメリカ独立宣言には、こうあります。

われわれは、以下の事実を自明のことと信じる。すなわち、すべての人間は生まれながらにして平等であり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられているということ

この宣言と、それにつづくアメリカ合衆国の独立は、世界史における「大革命」でした。アメリカは、「虐殺」「奴隷」「植民地」が当たり前だった当時の世界に、「大いなる希望」を与えたのです。

もちろん、すべての「理想」がそうであるように、それがすぐ実現することはありませんでした。しかし、アメリカは着実に理想にむかっていったのです。1862年9月に「奴隷解放宣言」をしたリンカーン大統領は、いまだに全人類の「英雄」であります。

そして、アメリカ建国の理想は20世紀半ば以降、全世界にひろがっていくことになります。かつて世界中にあった植民地は、消滅しました。今では、「アメリカ建国の理想」は、世界で「普遍的価値」とよばれるようになっています。

世界にはいろいろな価値観の人がいます。しかし、「自由」「平等」「人権」「民主主義」などを否定できる人は、ほとんど、あるいはまったくいないのです。

なぜ、私はこのような話をするのでしょうか?

ここにおられる議員の皆さんが、「アメリカ建国の理想をひきつぐ人々」であるからです。そう、私は、アメリカ合衆国の使命は、「普遍的な価値をひろげ、全世界に繁栄と幸福をもたらすことである」と信じているのです。

はたして私は、「歴史修正主義者」でしょうか?

私がお話したいことの二つ目は、「世界の現状」についてです。

第2次大戦が終わった1945年以降、世界は「冷戦時代」に突入しました。政治的には民主主義、経済的には資本主義のアメリカ合衆国。そして、政治的には共産党の独裁、経済的には社会主義計画経済のソ連。

この二つが、覇権をかけて世界中で戦ったのです。

そして1991年12月、ソ連が崩壊し、「冷戦」は終結しました。アメリカは唯一の超大国になり、世界は楽観的ムードにつつまれました。

フランシス・フクヤマ氏が「歴史の終わり」を発表。そして、「普遍的価値」にもとづく「リベラル民主主義」が世界にひろがり「歴史は終わる」。多くの人がそう信じていました。

実際、90年代、世界は比較的平和でした。

アメリカ発IT革命により、世界の人々の人生は一変しました。世界は平和になり、一つになり、すべての人が自由、平等を享受できる時代がくると思われたのです。

しかし、その希望は、新世紀に入ってなくなりました。明るいはずの未来は、2001年9.11の「アメリカ同時多発テロ」によって打ち砕かれたのです。

私は今も、飛行機がツインタワーに突っ込んでいくあの映像を忘れることができません。そして、毎年9月11日になると、テロの犠牲者と残されたご家族のことを思い、泣きたい気持ちを抑えながら祈りをささげるのです。

>>次ページ 米国との関係で日本が果たすべき役割とは

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