では、契約期間満了で、契約を更新しないで退去する場合はどうでしょうか。
もし、建替えなんていう話が出ていなければ、更新したかったところだから、更新しないで出ていくには、引っ越費用ぐらい負担してもらいたいと思うところでしょうが、建替え決議がされていない状況で、それを求めるのは難しいのではないかと思います(大家さんと交渉の余地はあると思いますが…)。
では、近い将来、建替えることを考慮して、1の通常の借家契約を結んでいる貸主の方から、建て替えが検討されていることを理由に、更新時に契約を更新したくない、又は2の定期借家契約に変えたいという申し出があった場合はどう
前述の通り、借主はそれを拒否することができます。もし、
借り手の退去や家賃の減額による損害に対する補償の問題も決まるにはまだ時間がかかるでしょうから、現段階で、貸主の方から、積極的に建替えを前提に部屋を空ける…というのは考えにくい気もしますが…。
では、建替え決議が成立した場合はどうでしょう。
現行法では、建替え決議がされたこと、そのことをもって、借家契約解除や更新拒否の正当な事由とはなりません。
建て替え事業が、三井がすべて買い取るような形で実施されるか、建替え円滑化法よる建替えになるかよって状況は変わりますが、建替え事業体が、借家人との立ち退き交渉もすることになります。6か月前の通知の際、敷金、引越料等+
一定期間、マンションの住民として、区分所有者である住民とお近所付き合いしながら暮らしてきた関係
それは、区分所有者が引っ越す場合でも支払われるものですから。
賃借人の方は、いざ建替えが決まった場合は、それなりの対応があると思って今は心配しないで、ただ、自分たちの生活設計上、ベストの引っ越し時期を考えて頂ければといいのだと思います。
ですから、管理組合や三井の方々には、今から賃借人の方にも、建替え事業の大事な協力者であるという視点で接して頂きたいと思います。
しかし、建替え決議まで時間がかかると、残念なことに、途中から、
収益確保のため、そういう人に貸してしまう区分所有者もいるのです
そういう人の言動が、普通の賃借人の方に対する偏見につながってしまうことも…。
そういうことを防ぐためには、非居住で賃貸のために所有している区分所有者の方の声もきちんと拾っていく必要があります。
管理組合は大変です。
賃借人の方の不安を和らげるために、一般的なお話を書きましたが、建替えは、居住する区分所有者や家族、賃貸している外部区分所有者、
建替え円滑化法の第90条 では、「施行者は、基本方針に従って、施行マンションに居住していた賃借人及び転出区分所有者の居住の安定の確保に努めなければならない」として、賃借人の居住の安定もうたっています。
なお、法務省と国土交通省が連名で公表している、「分譲マンションの建替え等の検討状況に関するアンケート調査の結果を踏まえて行ったヒアリング結果の概要につ
それを読んで感じるのは…やはり、コミュニケーションが大事!ということです。
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『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』
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