口がクサい人が薬局で買うべき胃腸薬11選【口臭のアリエナイ科学その3】

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不良科学者・くられ氏による集中講義“口臭の科学”。シリーズ最終回の今回は、口臭の原因となる“胃からせり上がってくる臭い”をどうすれば抑えられるかを解説! ひと口に胃薬といっても、どれも同じではないようで・・・。

胃粘膜が荒れると、どぶの臭いに似た内臓臭が・・・

さて口臭は、体からにじみでるもの(肺に入った空気に溶けて出る)、胃から上がってくる、そして口の衛生状態などから生じるという話の続きで、今回は胃のケア話になります。

忘れがちな口臭の原因としてあるのが、胃からせり上がってくるものです。胃粘膜が荒れていると、どぶの臭いに似たような内臓臭とも言える、得も言われぬ不快な香りがしてきます。

胃粘膜の荒れを治すのは医薬品の仕事です。薬局には胃薬のコーナーがありますが、どれが効くのかは分かりにくいですね。代表的なものを並べておきましょう。

・胃酸を中和し、お腹の不快感を取るという中和剤的な漢方ベースのもの
(パンシロンやキャベジン、太田胃散、アバロンなど)

・胃粘膜を保護するもの
(セルベール、スクラートなど)

・胃酸の分泌を抑える
(ガスター10、アシノン、アバロンZ、など)

・消化吸収をサポートする消化酵素や乳酸菌剤
(第一三共胃腸プラス、タカジア錠など)

オススメはセルベール。万一胃が荒れていても、胃粘液を増やし、胃からの不快な臭いを抑える働きもあります。

使い方に注意が必要なのが、胃酸の分泌を抑える薬です。これらは、薬局薬の中ではトップクラスの万能選手なのですが、それ故使い方を間違うと、いらぬ病気を引き起こすきっかけにもなります。

特にガスター10などの強力なヒスタミンH2ブロッカー(通称:H2ブロッカー)は、胃酸の分泌をけっこう強力に止めてしまうので、潰瘍や炎症が起きている場合には効果のある薬ですが、あくまで胃が満タンでないときに飲む薬。いわゆる就寝前や食間(食事中ではなく食事と食事の間、食後2、3時間に飲めという意味)に飲んで胃の再生を助ける薬です。

胃が痛いからと、食前に飲んで暴飲暴食をしていては治るものも治りません。朝起きて、胃に不快感がある人とかは、食事を控えめにし、消化吸収のよいものにして、そしてこれらのH2ブロッカーを食間、就寝前に飲んで胃壁を守ってあげればわりと短期に胃が健康な状態に戻すことを心がけましょう。

著者/くられ

シリーズ15万部以上の不謹慎理系書「アリエナイ理科ノ教科書」著者。別名義で「本当にコワい? 食べものの正体」「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 」などを上梓。学術誌から成人誌面という極めて広い媒体で連載多数。まぐまぐ!からは、無料メルマガ「アリエナイ科学メルマ」を絶賛配信中。
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