【いじめ対談2】こんなタイプの親が、我が子のいじめに気づけない

2015.12.03
by kousei_saho
 

少年院で未成年は更生できない!

まぐまぐ:阿部さんのお話を伺うと、最近では恐喝や性的なものといった、いじめの範囲を超えた「犯罪行為」も珍しくなくなったということですが、例えば、どこのラインを越えたらもう逮捕、罪に問われる、といったラインがあるんだとすれば、谷原先生に教えていただきたいです。

谷原:子供同士の場合、ちょっと叩いたりといったケンカを通じて、痛みとか相手のことを思いやる心とかを学んでいくものというのがあって、ちょっと叩いたくらいでは犯罪とは言わないんですね、基本的には。普通の社会人同士だったら、殴ったらもうそれで捕まるんですけれど。ただし、子供同士でもやっぱり一線を越える……外形的な傷ができるといった、要は骨が折れる、歯が折れるとかですね。そういう場合になると、これはもう教育の現場という一線を越えたことになるので、それは警察の問題にしていいでしょう。

まぐまぐ:なるほど。

谷原:それから、強姦なんていうのは、大人の世界なら完全に何年という実刑ですよね。子供の場合も、これは凶悪犯なので、まずは逮捕されます。ただ逮捕されるんですが、未成年の場合、裁かれるのは刑法じゃなくて少年法なんですね。

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まぐまぐ:少年法だと、どう違ってくるんですか?

谷原:少年法というと、まずは家裁に行って、少年院とか保護観察とかそういう保護的なもので、更生ができると裁判所が判断すれば、家裁の範囲内で終わる。ところが集団強姦をやるぐらいになると、そこから教育したからって、そう簡単に直らないですよね。そうしたら「逆送」といって、今度は普通の刑事手続に行くんですよ。少年であっても。刑事手続になって普通の刑事裁判をやって……ただし少年法があるので、大人なら懲役10年のところを懲役4年から6年の不定期刑になると。そういう風にして、更生の状況を見ながら年数を決めて、社会に戻すという感じになってるんですね。

まぐまぐ:やはり未成年だと、刑が軽くなるんですね。

谷原:少年法によって、大人と違ってかなり更生がしやすいというふうに法律的には考えられていて、その分刑が軽くなる。ただし少年法ですべて守られるわけではなくて、学校教育から外れる明らかな犯罪、強姦や傷害そして恐喝といった、大人だったら大変なことになっちゃう犯罪の場合は、事情にもよりますけど警察問題になってもいいのかなと。ただ、普通の子供同士のケンカだったら、それは刑法の範囲ではなく学校内で扱われるべきでしょうということになると思います。

まぐまぐ:未成年は大人と違って更生がしやすいということですが、例えば最近だと本を出したりして話題になった元少年もいますけど、そういうのを見ると、とても更生しているとは思えないわけです。でも外に出てきていると……。更生していないという判断があったとしても、もう1回罪に問われるということはないんでしょうか?

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