そうではなく、現状の自分が満足している(イエス)という前提に立って、その理由を質問する形にするのが良い方法です。たとえば
「なぜ私は現状に満足しているのか?」
(満足していることを前提として、その理由を質問する)
「私が幸せなのはなぜか?」
(幸せであることを前提としてその理由を質問する)
「誰のおかげで幸せを感じられるのか?」
(幸せであることを前提として、それが誰のおかげか、を質問する)
という質問です。これらの質問を紙に書き出し、それに対する答えを考えてみましょう。
なぜ質問をすることに効果があるかというと、質問には相手の考え方を強制する機能があるからです。
「あなたは幸せですか?」と質問されると、「自分は幸せかな~、それとも、幸せじゃないかな~」と考え出します。
「なぜ幸せなのですか?」と質問をされると、「なぜ幸せなのかな~」と考え出すのです。
そうすると、強制的に自ら幸せである理由を探し、それに答えようとする意志が働きます。すると質問に則った思考が生まれ、次第に頭の中は満足している状態になります。
これは誰かに「幸せを感じなさい」と命令されるよりも格段に効果的です。
自分が幸せであると感じるためには、能動的に、今まで気づいていなかった幸せに気づこうとしなければなりません。質問は、そのきっかけをつくってくれるものです。
現実的に、悩みの元となっている状況を変えることには、気持ちの問題だけではなく、行動が必要です。しかし、行動するためには、まず気持ちを前向きにしなければなりません。
自分への質問を重ね、新しい自分に生まれ変わるための気づきを得てみてはいかがでしょうか。
「質問は、俺がする」(ゴルゴ13)
今回は、ここまでです。
image by: Shutterstock
『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』
人生で成功するには、論理的思考を身につけること、他人を説得できるようになることが必要です。テレビ朝日「報道ステーション」などテレビ解説でもお馴染みで、「するどい質問力」(10万部)、「弁護士が教える気弱なあなたの交渉術」(アマゾン1位獲得)の著者で現役弁護士の谷原誠が、論理的な思考、説得法、仕事術などをお届け致します。
<<登録はこちら>>