韓国が異例の配慮。産経前ソウル支局長の無罪を各紙はどう報じたか?
悪意を持って狙い撃ちしたのは誰?
【東京】は社会面がこのテーマのメイン。あとは国際面と社説。社会面記事の後半には、判決後に記者会見した加藤前支局長が、「産経新聞の記者に悪意をもって狙い撃ちしたのではないか」と発言、判決には受け入れがたい判断も含まれていると不満を訴えたことを記している。
uttiiの眼
加藤氏が「悪意を持って狙い撃ちした」というのは、類似の訴訟が頻発していることを考えると当たっていないのかもしれない。それに、仮に「狙い撃ち」だったとした場合、韓国政府からみれば、「産経は“札付き”」だから許さない、ということに他ならず、狙い撃ちされたのは韓国政府の方だと言いたいだろう。
社説のなかで注目すべきところは以下の部分。「ソウル駐在だった加藤氏は、うわさを引用するなら相応の表現をする慎重さが必要だったのではないか。それでも、国際的なジャーナリスト団体や欧米の政府も訴追を強く非難した。報道の自由を刑事罰で押さえ込もうとすることを危惧したからだ」という。「国際的なジャーナリスト団体」とは「国境なき記者団」などのことだろう。この短いフレーズに今回の事件の意味が表現されていると思う。
image by: Wikimedia Commons
『uttiiの電子版ウォッチ』2015/12/18号より一部抜粋
著者/内田誠(ジャーナリスト)
朝日、読売、毎日、東京の各紙朝刊(電子版)を比較し、一面を中心に隠されたラインを読み解きます。月曜日から金曜日までは可能な限り早く、土曜日は夜までにその週のまとめをお届け。これさえ読んでおけば「偏向報道」に惑わされずに済みます。
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