深刻なスランプ…マクラーレン・ホンダが奇跡を起こせない理由

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2013年、長いブランクを経てF1に復帰したマクラーレン・ホンダですが、成績は一向に振るわずもがき続けているのが現状。無料メルマガ『F1ハイパーニュース』では、「F1 ニュース&コラム Passion」でもおなじみの仙太郎さんが、ホンダ復活の可能性を探っています。

2016年 ホンダは復活するのか?

日本のF1ファンの2016年の初夢はホンダの復活ではなかっただろうか。はたして彼らは今年復活することができるのであろうか。

ホンダは2016年もサイズゼロのコンセプトを変更しないと述べている。サイズゼロとは現在のパワーユニット(以下PUと略)の大きさを極限まで小さくして車体の空力性能を上げる考えのことである。

これは2013年以前にレッドブルがF1を席巻していた時代のコンセプトでもある。彼らはエンジンの冷却系やKERSユニットを極限まで小さくし、また信頼性を考えれば置かないような場所に設置し、車体側のアドバンテージを引き出していた。

だからマクラーレン・ホンダがそのコンセプトを継承すること自体は理解できる。

ホンダは2015年シーズンを通じて、彼らのPUがどの程度ライバルに比べて劣っているか、かなり正確な数字を把握していると考えられる。そうすると彼らが追加しなければならないパワーの数字もわかる。

今のサイズのまま、そのパワーを生み出せるかどうかも比較的簡単に計算できる。もちろんそれを実現できるかどうかという問題はあるが。

ホンダがサイズゼロのコンセプトを継続するということは、彼らなりにその目算があっていっているのは間違いないだろう。

だが例えホンダのPUがライバルに比べて同等のパワーを出せても、それでレースに勝てるわけではない。当然、車体側の競争力も不可欠である。

だがマクラーレンは2015年はともかく、2013年、2014年も優勝できていない。この2年は最強のメルセデスエンジンを使用していたにも関わらずだ。

今年も最終戦の終盤にアロンソが新品のタイヤを履いて燃費を考えないモードでアタックしたが、3番手のファステストラップしか出せなかった。レース終盤なので上位のメルセデスなどは流していたにも関わらず3番手タイムだったことは、彼らの問題の深刻さを表している。

こう考えるとマクラーレン・ホンダはホンダのPU問題ばかりに注目が集まるが、問題はそれだけではないことがよくわかる。

近年のマクラーレンは人材の流出が多い。もちろんそれに代わる人材のリクルートもされてはいるが、全体的に見ると技術力が落ちているように思える。

あと1ヶ月もすれば新車のテストが始まる。そこで見せるマクラーレン・ホンダのニューマシンが注目される。

image by: MrSegui / Shutterstock.com

 

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